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第二十話 縄張り

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 そのあと、蘭子先生の号令で皆が準備を始めた。

 ただ、出発の準備に少し手こずってしまった。結局、俺達が出発したのはそれから数時間後のことだった。

 俺は自分の配下達を二隊に分けて、クラスメイト達の前後を挟むように護衛する役を買って出た。

 クラスメイト達の後ろを護る隊はハイゴブリン達とヘルハウンドの混成部隊だ。
 その指揮は全てをハーキュリーに任せてある。

 俺はゼクトール、メロウ、グンダとダークゴブリンやトロル達と共に、クラスメイトたちの少し先を先行する。

 こういった未知の場所を進む場合、部隊を先行する隊が最も危険なポジションになる。

 敵との接敵回数や戦闘回数だって一番多いし、負傷する危険性だって高い。

 だからこそ、この先行する部隊には索敵と戦闘に特化した二隊と、索敵に特化した一隊を配置した。

 間違っても戦えない非戦闘員が混じっていいポジションではない。
 ないのだが……。

 俺は歩みを止めると、ため息交じりに後ろを振り向いた。

「……で? 何でお前たちまで付いてくるんだよ」

 俺の視線の先にいるのは高木さん、塩浜さん、宗方さんの三人だった。

 危険だからと俺と配下達だけで先行する案を蘭子先生に提案した。俺の案が受け入れられて、クラスメイト達は全員が蘭子先生と一緒に行く……予定だった。
 けれど、なぜだかこの三人だけはちゃっかりと付いて来てしまった。

「ぶぅっ! だって、せっかく黒羽君と再会できたのにぃ、また離れ離れになるなんて嫌だしぃ」

 そう言って頬を膨らませたのは高木さんだった。

「……再会つったって、高木さんから見れば関係なくないか?」

「そうだけどさぁ」

 俺が高木さん達と四日間も離れ離れになっていたのは事実だ。けれど、彼女たちからすれば、気絶から目覚めたらそこに俺がいたから、再会したという感覚はほとんどないはずだ。

「でも、気分的になんか嫌じゃんよっ! それによく見れば、黒羽君ったらボロボロだしぃ」

 高木さんは腰に手を当てて、ズビシっと俺の学生服の左腕部分を指さした。

 確かに俺の服はゼクトールやハーキュリー達の腕章にしたがために色々なところがボロボロだ。

「でも、ほら身体の方は五体満足だろ?」

 俺は後ろ向きに歩きながら両手を広げて見せる。

「そうだけどぉ……むぅ……」

 そもそも、なんで高木さんがそんな俺の身体のことを心配してんだよ。

「あらあら……これも、青春かしらねぇ」

「そうね。ただ、あれだけあからさまな好意を向けられているのに気づかないなんて。本当に黒羽君って……」

 俺と高木さんのやり取りを少し離れたところで見ていた塩浜さんと宗方さんが何やらボソボソと呟いている。
 けれど、声が小さすぎてよく聞き取れない。

「あぁ、それにしても……暑いしぃっ! 何でこんなに暑いのよっ!!」

 高木さんは珠のように浮かんだ汗を手の甲で拭って、苛立ったように地面を蹴り上げた。けれど、高木さんの華奢な足のつま先が逆に地面に伸びていた蔦に絡めとられてしまう。

「えっ、あっ、ちょっ――ッ!!?」

「……あぶねぇな」

 俺は前のめりに転倒しそうになった高木さんを抱きとめる。

「おい、だいじょっ……」

 俺は高木さんを見下ろして、大丈夫か、と言いかけて彼女の“ある部位”を見て、硬直してしまった。


 首筋だ。


 彼女の白いうなじを見て、再び激しい吸血衝動に襲われる。

「ぁ……」

 まるで強烈な性欲にも似た欲情に、俺は自分の唇を強く噛み締めて、なんとか耐えた。

 参った。

 この吸血衝動は、一回耐え抜けば少し鳴りを潜めるが、またすぐに危険な鎌首をもたげてきてしまう。

「大丈夫か。気を付けろ」

「ぁ……ご、ごめんなさい」

 俺は吸血衝動から高木さんを護る為に、すぐに彼女から離れた。でも、彼女は違う意味に受け取ってしまったみたいで、しゅんと落ち込んでいる。

「まったく……厄介なもの、だな……」

 俺は周りには聞こえないほどの小さな声で呻くように呟いた。

 まるで……時間が経つにつれて職業(ジョブ)の力が俺の身体を侵食しているかのような、感覚だ。まだ四日目だというのに、この様では。
 これがもっと日が経つと、どうなってしまうのか、少し怖い。

「黒羽君? どうしたの立ち止まって」

 俺がその場で立ち止まって茫然としていると、背後から肩を叩かれた。振り返ると、そこにいたのは宗方さんだった。

「もしかして、どこか具合でも悪いの? 蘭子先生のところに戻った方がいい?」

 宗方さんの、クールな切れ長の瞳が、心配そうに俺を見つめている。
 けれど、俺は宗方さんの心配とは裏腹に、彼女の首筋に意識を奪われていた。


 あぁ……君も、美味そうだ。


 匂いで分かる。
 
 宗方さんも処女だ。
 男との性的接触がただの一度もない、生粋の純潔だ。

 食いてぇ……。

 今すぐに宗方さんを押し倒して、その衣服を剥ぎ取り、彼女の身体を弄びながら、その柔らかな首筋に牙を突き立てて、処女を散らして……気が住むまで思う存分に味わい尽くしたい。

 気が付くと俺は脳裏で宗方さんを犯していた。彼女を裸にひんむいて、嫌がる彼女を押さえつけ、その純潔を散らして欲望のままに犯し尽していた。

 処女を散らされて抵抗する力が弱まった彼女の首筋に牙を突き立てて、その生き血を存分に味わう。
 そして、彼女の生気が尽きて、命が消えるまで、欲望のままに生き血を吸い尽くすのだ。

 彼女の中で果てて、それと同時に彼女の甘く甘い全身の血を吸い尽くす……それは、この世のあらゆる快楽の中で最高のモノの一つだ。
 究極の快楽を思う存分に堪能した後には、完全にカラカラに乾いたミイラのような彼女の死骸が残るだけ。

「黒羽君?」

 と、気が付くと宗方さんの顔がすぐ間近にあった。
 彼女のクールな瞳が、心配そうに俺を見つめている。

「……むしゃぶりてぇ」

「ふぇ……?」

 俺の無意識のつぶやきを聞いた宗方さんはキョトンとした表情で俺を見つめて、やがてその顔が、かぁぁ……と真っ赤に染まった。

「な、な、なな……」

 宗方さんは顔を真っ赤に染め上げながら、俺から慌てて距離を取った。

「黒羽君っ! は、はは、破廉恥よっ!!」

「あっ……ちょっ、違うっ! 違うんだっ!! 
 本心じゃないっ!! 今のは本心じゃないからっ!!?」

 俺は自分の失言に気付くと、慌てて宗方さんに謝ろうと一歩を踏み出した。と、背筋に冷たい悪寒が奔った。

「…………」

 恐る恐る、そちらの方を振り向くと、そこには腕を組んで背後に般若のオーラを纏った高木さんが立っていた。

「あ、あの……ごめんなさいッ!!」

 高木さんの般若の顔を見た瞬間に、俺は即座に土下座をしていた。あれだ……人生で初めて「ジャンピング土下座」なる奇技を試みることになってしまった。

「参ったな……」

 高木さんに死ぬほど誤った後で、俺は溜息混じりに呟いた。

 まったくもって変な体質になっちまったものだ。

 処女の女の子に近づくたびに、その首筋にむしゃぶりつきたくなるなんてただの変態じゃないか。

「ご主人様……」

 俺が悩んでいると、ゼクトールが近づいてきた。

「なんだ?」

「メロウが……気になるものを、見つけました」

 メロウが?
 俺はゼクトールに案内されて一番先頭で索敵をしていたダークゴブリン部隊に合流する。そこではメロウが地面のところにしゃがみ込んで何かをしていた。

「メロウ、どうした?」

「ゴシュジンサマ……コレヲ……」

 メロウが指さしたのは、地面の上に落ちていた黒い物体だった。

「っっ!!? これは……」

 それは俺達がここに来るまでに見たことのあるものだった。あの巨大なモンスターの糞だ。

「……まだ温かいな」

 そこら辺に落ちていた枝で糞を突いてみると、糞が崩れて中身が零れ落ちてきた。中身が崩れると、そこから湯気と共に強烈な鼻を刺すような臭いがする。

「コイツは……参ったな」

 何が不味いって、糞が柔らかくてほのかに生温かい、ということはまだ出してから間もない、ってことだ。

 俺はゆっくりとメロウの方を見つめた。すると、メロウは無言のまま頷いた。
 相変わらずの無上々だったが、その表情は、心なしかいつもより厳しく強張っているように見える。

「おぉーい、黒羽君ってばっ! もぅ、どうしちゃったのよ、急に走り出してさぁ」

「黒羽君? 何かあったの?」

「もぉ、お姉さんを置いて行かないでほしいわぁ」

 俺の背後から三人が小走りで駆け寄ってきた。そして、俺達が見ている巨大な糞を見て彼女たちは小首を傾げる。

「なに、コレ……すごい臭い……」

「生き物の、糞だそうだ」

「うぇぇぇ……」

 俺の言葉に、高木さんは表情を引き攣らせて、数歩後ろへと下がった。

「にわかには信じられないわね……こんな大きなウンチを出す生物がいるなんて」

「…………まさか、近くには、居ないわよね?」

 塩浜さんは恐怖で表情を強張らせながら辺りを見回している。

「……進路を変えるべきか?」

 俺の言葉にメロウは静かに首を横に振った。

「イエ、モウテオクレデショウ。オソラクハ、コノ糞ノ主ハ、我々ヲ……」

 メロウによると、こうした目立つところに糞をするのは、縄張り意識が強い動物である証であると。

 それによく見れば俺達は一度ここを通っている。メロウによればこの糞はちょうど、その足跡の真上に重ねるようにされているらしい。

 つまり……、

「警告、といった感じか?」

「……どちらかと言えば、死刑宣告ノ方が近いカト」

 俺の言葉にゼクトールが首を振って、周囲を警戒するように見渡した。

 縄張り意識が強い動物は、自分の縄張りに侵入した相手を決して許さない。

 執念深い生物は自分の縄張りを犯した生物を十数キロも追いかけて、仕留めることもあるらしい。

 つまり、今更慌てても、もう手遅れってことか……。

 俺達は総勢で数十人にもなる大所帯だ。進路を転換するといっても簡単じゃない。もし、俺達が進路を転換しても、その後ろの蘭子先生たちが襲われたら意味がない。

 だったらむしろ……

「現状の最強戦力が集っている俺達が囮になって戦うべき、と?」

 俺の言葉にメロウは頷いた。
 メロウの話によれば、野生の動物はその糞を見れば大体相手の強さが分かるらしい。

「オソラクハ、位階6……アルイハ、位階7トイッタトコロデショウカ」

 位階7か……。
 それならば、死ぬ気で戦えば勝てないこともない……かもしれない。

 位階7と言えば、以前に拠点の近くで見た“岩盤竜ヴル・ガラキラゴン”がそれぐらいの強さだったな。

 あの小さな山を想起させる巨体は、今でもよく覚えている。

 今の俺で、あんな化け物と……本当に戦える、のか……?

「どちらにせよ、ここからは気を引き締めて行くべきか」

 俺は立ち上がると皆を見回そうとした、その瞬間だった。

 背筋にとんでもない悪寒が奔り抜けた。
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