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2章 呪いの首輪と呪いのおパンツ

拾われたネコと呪いのおパンツ⑤

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何事もなかったようにソファーに座り直して、改めて緊急会議を始めた。もちろん議題は不思議おパンツについてだ。

「どう思う?」
「どうもこうも、それがくそエロいパンツってことは嫌でも理解した」

黒髪少年は鼻をティッシュで押さえてる。

「鼻血を出すなんて……だからモテないんだよ、リビアは」
「俺の問題か!?」
「それよりもさ」
「それより!?」
「その首輪……」

ゾンビ少年の視線が首に移る。首輪が何だと思い首に触れると、確かに首に巻かれた物がある。

「……え、……なにこれ」
「だよね、記憶が無いのなら知るわけないよね」

試しに引っ張ってみてもやっぱり壊れなかったから、不思議おパンツと同類のとんでもねえ物で間違いなさそうだ。どっちかっていうと不思議おパンツの方がヤバい代物だと思うけど。

「……首輪ねぇ。つーか、どんだけヤバいもんつけられて……、……は?その首輪……」

でも、私はそう思っても二人はそう思わないらしく、黒髪少年は首輪を見るなり目をこれでもかってほど見開いて、私に近づくなり首輪を凝視。

「……え、……これ、……本物?」

聞かれてもわかんないから肩をすくめるしかなく、黒髪少年は虫眼鏡を取り出すとじっくりそれを見た。

「……刻印は……ある。……俺の記憶が正しけりゃ本物と同じやつ……」
「ほんと!?あの首輪と同じ物!?」
「いや、確証はない。本を見たのがガキの頃だし」
「でもリビアの記憶力だけは良いから合ってるんじゃない?」
「だけはって言うな!でも、まぁ、んー……、これに関しては自信がない。とりあえず図書館に行って調べるか。本があるか知らんけど」
「そうだね。今日はもう遅いから明日にでも」
「いやー、まさかの急展開」
「拾って正解だったね」

首輪の持ち主である私を差し置いて話が進んでいく。だから「この首輪がどうしたの?」と聞いてみたら、呆れた視線を寄越された。

「豚に真珠」
「ネコに真珠でしょ、この場合」

ひどい言い草ではあるが、首輪について教えてくれた。

「【呪いの首輪】っていわれてる。願い事が一つだけ叶うんだとさ」
「これが?」
「おう。超一級品のお宝っつーか、神様が隠したんじゃないかっていう考察本がいくつも発行されるくらい有名で、でも実物を見た者は一人もいないからウソじゃないかって本もいくつもある。一応、一人の貴族が買ったという証言は残ってるんだけど信憑性が薄い」
「それがこの首輪なの?」
「いや、まだ分かんねぇ。俺の記憶違いっていう可能性だってあるし」
「その真偽を明らかにするために、明日図書館に行こうって話だよ」
「はぁ、なるほど」

【呪いの首輪】か否か。

いや、どう考えても否だろ。

否であれよ、これは。

「何で【呪いの首輪】を私がつけてんの!?」
「それ俺が聞きたいわ。何でそんなもんつけてんの?」
「知らないよ!記憶にないもの!」
「パンツに首輪、か。お前の飼い主はとんでもねえ変態サイコ野郎だな」
「哀れみの目で見るのやめて!」
「【呪いの首輪】と同様で、その下着も呪い関係じゃないのかな。まぁ、これはぼくの推測だけど」
「あー……明日にでも関連書を漁るか。見落としてるかもしれねぇよな」
「さすがに呪いの下着は斬新すぎて……引くよね、これは」
「そうだよな、そんなもん考えつかねぇよな」

そんなもんを現在進行形で履いてる私は一体何者なんだ。


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