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お母様とお姉様は化粧直しが終わり、応接室にやって来た。
軽食を頂くということで、食堂よりもバルコニーが良いのではないか、と言うことになり移動する。

私達は軽食を食べながら、明日からの事も話す。

「とりあえず、学園へはまだ戻らなくて良いよ。学園長が捕まったことで、大半の生徒が一旦家へ帰るようだし、リカルド殿下も王城で過ごす事になっているからね。」
「分かりました。」

お兄様の説明に頷く。

「ジェイクは明日は王城に。グレイ副隊長に休みをやってください。」
「分かっている。」
「今日は、泊まっていきますか?」
「いや。親父からも話が聞きたいし、帰る。」
「了解です。」

食後のお茶を飲み、ジェイクは帰る準備を始めた。

「リア、見送ってあげなさい。私達はここで失礼するわね。また、いらっしゃい。」

お母様はジェイクに挨拶をして自室に戻る。

「また明日、王城で。」

お兄様とお姉様も同様だ。

「気を使わせたな。」
「そうですね。…お見送りします。」
「ありがとう。」

私達は玄関に向かう。

「リア、またすぐに会いにくる。」
「お待ちしてます。あ、私からも会いに行きますね。」
「…それなら、騎士団に見学に来るか?」
「良いのですか?」
俺の隊うちなら問題ないと思う。親父には言っておく。ドレスの事含め、日にちは後で連絡する。」
「はい。どちらも楽しみです。」

学園に戻るまでの楽しみができたわ。

玄関を出て、馬車の前まで行き、見送る。

「リア。」

ジェイクは私の名前を呼び、太腿を親指で2回叩く。それを見て、私は肘を触った。

「またな。」

ジェイクはにっこり笑い、馬車に乗り帰って行った。私は馬車が見えなくなるまで、見送った。

「ライラ、中へ入りましょうか。」
「畏まりました。」
「…言うのが遅くなったけれど、着けてくれているのね。ありがとう。」

ライラの髪にホースシューが揺れている。
朝から気付いていたが、言うタイミングが無かったのだ。

「髪飾りに致しました。」
「うん。可愛い。」
「あ、ありがとうございます。」

ライラの頬が、薄く赤らんだ。
その時、ノアが現れた。

「プルメリア様。馬蹄の事で許可を得たい事があります。」
「改まって、何かしら?」

言いにくいのか、間が開く。

「…ピアスにする為、バチカン部分を削りたいのです。頂いた物を削るなど、」
「良いわよ。」

私は、ノアの話に被せて答えた。
あげた時に、自分でアレンジしてと言ったし、許可は要らないのに、律儀ね。

「そうだ!せっかくだから、4人とも回収して希望の物に加工しましょう!」
「え!?いえ!そこまでして頂こうと思って、許可をとりにきたのではありません。」
「そうですよ、プルメリア様。きっと私が褒められていたので、居ても立っても居られなくなっただけかと。」
「ライラの言う通りでございます。」

私の提案に焦るノアとライラ。
普段見せない姿に笑ってしまう。

「ふふふっ。さて、回収、回収!はい!」

私はふたりの前に手を出す。
首を振るノアとライラ。

「はい!」

さらに、前へ出る私。

「「…あとでお持ちします。」」

ふたりの声が揃う。

「ふふっ、あははは!取り敢えず、部屋へ戻りましょう。ノアは、ネーロとメランも呼んできてね。」
「…畏まりました。」








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