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我に返ったリカルド殿下が口を開く。
「ええっと、なんて言ったらいいか…。これは夢か?」
「いえ、違います。」
「婚約者だよな?」
「はい。」
「この国で、こういう事は珍しくないのか?」
この問には、周りにいた騎士の中のひとりが答えた。
「いえ、珍しいです!(しかも、ジェイクの動きについていけている。かなりの実力だろうな。)」
「グレイ…。殿下。これで失礼しても、よろしいでしょうか?」
「あ、ああ。」
「それでは、失礼致します。リア、行こうか。」
「はい。失礼致します。」
ふたり揃ってリカルド殿下から離れ、ある程度の距離を取ると、ジェイクはこちらへ向き直った。
「…付き合わせてしまって、すまなかった。」
「いえ、ちょっと楽しかったです。」
プルメリアはニッコリ笑う。それを見たジェイクは、思わずプルメリアの顔に手を伸ばした。
「どうかなさいましたか?」
「…綺麗だ。」
!!
「あ、ありがとうございます?」
「クッ。なぜ疑問系なのだ?」
笑われた!?
驚いた顔をすると、ジェイクは謝った。
「すまん。可愛くて。」
「ジェイク…。」
「ハンカチ、常に身につけておく。」
「洗濯はしてくださいね。」
冗談のつもりで言うと、ジェイクは真面目な顔で返してきた。
「使わんから大丈夫だ。」
「…本気ですか?使わなかったら、ハンカチの意味がありませんが。」
「持っているだけで癒やされる。」
「癒やし…。ジェイク、少し貸してください。」
「…返せよ?」
「私があげたものですよ!?」
「あははは!冗談だ。」
「もう!」
「ほら。」
ジェイクからハンカチを受け取ると、ハンカチを額に近づける。
「ジェイクが、身体も心も健康で過ごせます様に…。」
そう願いを込めた後、ハンカチに口付けをした。
!!
ジェイクの目が丸くなる。
「使わないのなら、お守りとしてお持ちください。」
「あ、ありがとう。」
ジェイクは、ジッと返されたハンカチを見ている。
手合わせをして汗をかき、タオルで拭いた為、化粧は落ちている。口紅もハンカチに付いていないはず…。あ!
「すみません!汗をかいた後にする事では、ございませんでしたね。洗濯して、またお渡しします!」
「いや!このままで!」
そう言うと、ジェイクはすぐに胸ポケットにハンカチを仕舞った。
「リア、俺は明後日からレオン殿下の元へ戻る。またすぐにこちらへ来るが、気をつけて過ごすんだぞ。」
「クスッ。お父様やお兄様のようですね。」
「嬉しくない…。」
「ふふふ。ジェイクもお気をつけて。」
ジェイクとはそこで別れ、私は少し離れて付いてきていたライラと合流した。
「ええっと、なんて言ったらいいか…。これは夢か?」
「いえ、違います。」
「婚約者だよな?」
「はい。」
「この国で、こういう事は珍しくないのか?」
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「いえ、珍しいです!(しかも、ジェイクの動きについていけている。かなりの実力だろうな。)」
「グレイ…。殿下。これで失礼しても、よろしいでしょうか?」
「あ、ああ。」
「それでは、失礼致します。リア、行こうか。」
「はい。失礼致します。」
ふたり揃ってリカルド殿下から離れ、ある程度の距離を取ると、ジェイクはこちらへ向き直った。
「…付き合わせてしまって、すまなかった。」
「いえ、ちょっと楽しかったです。」
プルメリアはニッコリ笑う。それを見たジェイクは、思わずプルメリアの顔に手を伸ばした。
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「…綺麗だ。」
!!
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驚いた顔をすると、ジェイクは謝った。
「すまん。可愛くて。」
「ジェイク…。」
「ハンカチ、常に身につけておく。」
「洗濯はしてくださいね。」
冗談のつもりで言うと、ジェイクは真面目な顔で返してきた。
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「…本気ですか?使わなかったら、ハンカチの意味がありませんが。」
「持っているだけで癒やされる。」
「癒やし…。ジェイク、少し貸してください。」
「…返せよ?」
「私があげたものですよ!?」
「あははは!冗談だ。」
「もう!」
「ほら。」
ジェイクからハンカチを受け取ると、ハンカチを額に近づける。
「ジェイクが、身体も心も健康で過ごせます様に…。」
そう願いを込めた後、ハンカチに口付けをした。
!!
ジェイクの目が丸くなる。
「使わないのなら、お守りとしてお持ちください。」
「あ、ありがとう。」
ジェイクは、ジッと返されたハンカチを見ている。
手合わせをして汗をかき、タオルで拭いた為、化粧は落ちている。口紅もハンカチに付いていないはず…。あ!
「すみません!汗をかいた後にする事では、ございませんでしたね。洗濯して、またお渡しします!」
「いや!このままで!」
そう言うと、ジェイクはすぐに胸ポケットにハンカチを仕舞った。
「リア、俺は明後日からレオン殿下の元へ戻る。またすぐにこちらへ来るが、気をつけて過ごすんだぞ。」
「クスッ。お父様やお兄様のようですね。」
「嬉しくない…。」
「ふふふ。ジェイクもお気をつけて。」
ジェイクとはそこで別れ、私は少し離れて付いてきていたライラと合流した。
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