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今日は、クレマが遊びに来ており、婚約の報告もした。
「おめでとう!」
「ありがとう。」
「なるほどね。まぁ、騎士団長が好みだと話していたし、収まる所に収まった感じね。」
「師匠はただの憧れよ。」
「憧れと恋の違いは?」
「うーんと、憧れは『きゃー』って感じだけど、恋は『ぎゅー』って感じ。」
「よく分からないわ。」
「そう?」
「そうよ。それにしても、陛下はよく納得したわね。」
「婚約のこと?」
「そうよ。こう言っては何だけど、私も昔からの婚約者がいるし、候爵家で歳が合う令嬢はもういなくなる訳よね?」
「そうね。」
「爵位が高い家の者と、婚約させたいのだろうと思っていたのだけれど。」
「案外あっさりだったみたいよ。詳しいことは言われなかったけれど。」
「そうなのね。そうすると、次の候補は伯爵家の誰かよね。」
「そうなるわね。お父様は知っているのだろうけど、仕事の話はほとんどしないから、確かなことは分からないわ。」
「まあ、誰になっても、前回のような間違いは犯してほしく無いわね。」
「そうね。もう誰も傷付けてほしくはないわ。」
その後は近況含め、他愛もない話をして時間を過ごしていた。
トントントン
「はい」
ドアが叩かれたので返事をすると、ロバートが入ってきた。
「プルメリア様。エメラルド様がお見えです。」
「え?今日約束していたかしら?」
「いえ、約束は無いとおっしゃっていました。」
「そうよね。……客間に通して、少し待ってもらって。」
「畏まりました。」
「クレマ。」
「分かっているわよ。師匠さんだか、婚約者様がいらっしゃったんでしょ?たくさん話せたし、私はもう帰るわ。」
「たぶん、ジェイク様の方ね。師匠の時は騎士団長と言うから。……ごめんなさいね。」
「いいのよ。二人の時間楽しんで。」
クレマは、そう言ってウィンクをして帰っていった。
「お待たせ致しました。」
「いや、友人とお茶会だったのだろう?こちらこそ先触れもなく、来てしまって申し訳ない。」
「予定より長く話していたので、大丈夫です。どうか致しました?」
「もうすぐ休みも終わるだろう?会えるときに会いたいと思ってな。仕事で急に空きが出たものだから、来てしまった。これは土産だ。」
「まぁ!可愛らしいお花!」
ジェイク様は、ピンクのガーベラがメインの小さなブーケをくれた。
「女性に花など送ったことが無かったから、店員に任せてしまったが、どうだろう。」
「そうなのですね。これはこれで嬉しいですが、今度はジェイク様が私らしいと思う花を選んでくれると、もっと嬉しいと思います。」
「オパール嬢らしい?」
「ええ。」
「分かった。」
「ところで、ジェイク様。婚約もしたのですし、オパール嬢というのは………。」
「そ、そうか?では、プルメリアと………。いや、リアと呼んでも?」
「はい。もちろんでございます。」
こうして私達は、お茶をしながらゆったりとした二人の時間を過ごした。
「おめでとう!」
「ありがとう。」
「なるほどね。まぁ、騎士団長が好みだと話していたし、収まる所に収まった感じね。」
「師匠はただの憧れよ。」
「憧れと恋の違いは?」
「うーんと、憧れは『きゃー』って感じだけど、恋は『ぎゅー』って感じ。」
「よく分からないわ。」
「そう?」
「そうよ。それにしても、陛下はよく納得したわね。」
「婚約のこと?」
「そうよ。こう言っては何だけど、私も昔からの婚約者がいるし、候爵家で歳が合う令嬢はもういなくなる訳よね?」
「そうね。」
「爵位が高い家の者と、婚約させたいのだろうと思っていたのだけれど。」
「案外あっさりだったみたいよ。詳しいことは言われなかったけれど。」
「そうなのね。そうすると、次の候補は伯爵家の誰かよね。」
「そうなるわね。お父様は知っているのだろうけど、仕事の話はほとんどしないから、確かなことは分からないわ。」
「まあ、誰になっても、前回のような間違いは犯してほしく無いわね。」
「そうね。もう誰も傷付けてほしくはないわ。」
その後は近況含め、他愛もない話をして時間を過ごしていた。
トントントン
「はい」
ドアが叩かれたので返事をすると、ロバートが入ってきた。
「プルメリア様。エメラルド様がお見えです。」
「え?今日約束していたかしら?」
「いえ、約束は無いとおっしゃっていました。」
「そうよね。……客間に通して、少し待ってもらって。」
「畏まりました。」
「クレマ。」
「分かっているわよ。師匠さんだか、婚約者様がいらっしゃったんでしょ?たくさん話せたし、私はもう帰るわ。」
「たぶん、ジェイク様の方ね。師匠の時は騎士団長と言うから。……ごめんなさいね。」
「いいのよ。二人の時間楽しんで。」
クレマは、そう言ってウィンクをして帰っていった。
「お待たせ致しました。」
「いや、友人とお茶会だったのだろう?こちらこそ先触れもなく、来てしまって申し訳ない。」
「予定より長く話していたので、大丈夫です。どうか致しました?」
「もうすぐ休みも終わるだろう?会えるときに会いたいと思ってな。仕事で急に空きが出たものだから、来てしまった。これは土産だ。」
「まぁ!可愛らしいお花!」
ジェイク様は、ピンクのガーベラがメインの小さなブーケをくれた。
「女性に花など送ったことが無かったから、店員に任せてしまったが、どうだろう。」
「そうなのですね。これはこれで嬉しいですが、今度はジェイク様が私らしいと思う花を選んでくれると、もっと嬉しいと思います。」
「オパール嬢らしい?」
「ええ。」
「分かった。」
「ところで、ジェイク様。婚約もしたのですし、オパール嬢というのは………。」
「そ、そうか?では、プルメリアと………。いや、リアと呼んでも?」
「はい。もちろんでございます。」
こうして私達は、お茶をしながらゆったりとした二人の時間を過ごした。
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