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「プルメリア様、昼食の時間でございます。」
「まぁ!もうそんな時間なの?クレマはどうする?」
「私もこのまま一緒に行くわ。」
そして、クレマと一緒に移動する。
食堂に着くとお兄様が見えたので、そちらへ向かう事にした。すると、目の前にライアン殿下と、知らないオレンジ色のふわふわした髪の女生徒がやってきた。
あら?ライアン殿下の婚約者は、アンナ様ではなかったかしら……。
「オパール嬢とアメシスト嬢か。」
「ライアン殿下、お久しぶりでございます。この度、入学することになりました。」
「私もプルメリア様と同じにございます。」
「そうか。ふたりとも入学おめでとう。」
「「ありがとうございます。」」
「……………それでは失礼。」
不思議な間があったがライアン殿下は去っていいき、その後ろをついていた女生徒はこちらをちらりと見たが、何も言わなかった。
「ねぇ、クレマ。」
「何かしら。」
「私、ライアン殿下の婚約者はアンナ様と聞いていたのだけれど…。」
「ええ。私もそう記憶しているわ。」
今のやり取りで私に気づいたお兄様が、手を挙げ私たちを呼んでいる。
「大丈夫だったかい?」
「お兄様、約束を早々に破ってしまいました。」
「うん、あれは仕方ないよ……。ふたりとも改めて入学おめでとう。アメシスト嬢はいつもリアと仲良くしてくれてありがとう。」
「いえ。こちらこそ、仲良くしてもらえて楽しく過ごせています。」
「ところでお兄様、ライアン殿下の隣にいた方は?」
「あぁ、クリスティーナ·アンバー嬢だよ。殿下と同じ学年。入学して少し経った頃からいつも一緒だな。」
「それって……。」
「確か、アンナ様は4年生にいらっしゃいますよね?止めないのでしょうか。」
「定期的に忠告しているみたいだよ。でも、変わらないみたいだね。アンバー嬢はルビー嬢を偽の婚約者呼ばわりらしいし。」
「なんてこと。」
「なぜ、偽などと…。」
「さぁ、そこは分からない。まぁ、とりあえず食事にしようか。」
「はい「いただきます」」
食事中には、他愛もない会話をして過ごした。
そして、食後はお兄様やクレマと別れ、ライラと一緒に散歩がてら、走れる所はないか探しに行った。一人でも大丈夫だと言ったけど、許されなかった。
その途中……
「アンバー様、何度も申し上げますが婚約者ではない方と、常に一緒にいるのは恥ずべき事です。自制された方がよろしいですわ。」
「ライアン様は、仲良くしてくれているだけですよ。友達です。変に勘ぐらないでください。」
「そういう事では……。」
うん。関わり合いたくないな…。
ライラと目で会話して、その場を去ろうとすると、そういうときに限って足元に小枝があるのはお約束。
パキン
すると、こちらにパッと視線が向く。
あちゃー……
「プルメリア様じゃないですか!あなたの取り巻きどうにかして下さい。」
クリスティーナ·アンバー様の言葉に私は固まった。
「まぁ!もうそんな時間なの?クレマはどうする?」
「私もこのまま一緒に行くわ。」
そして、クレマと一緒に移動する。
食堂に着くとお兄様が見えたので、そちらへ向かう事にした。すると、目の前にライアン殿下と、知らないオレンジ色のふわふわした髪の女生徒がやってきた。
あら?ライアン殿下の婚約者は、アンナ様ではなかったかしら……。
「オパール嬢とアメシスト嬢か。」
「ライアン殿下、お久しぶりでございます。この度、入学することになりました。」
「私もプルメリア様と同じにございます。」
「そうか。ふたりとも入学おめでとう。」
「「ありがとうございます。」」
「……………それでは失礼。」
不思議な間があったがライアン殿下は去っていいき、その後ろをついていた女生徒はこちらをちらりと見たが、何も言わなかった。
「ねぇ、クレマ。」
「何かしら。」
「私、ライアン殿下の婚約者はアンナ様と聞いていたのだけれど…。」
「ええ。私もそう記憶しているわ。」
今のやり取りで私に気づいたお兄様が、手を挙げ私たちを呼んでいる。
「大丈夫だったかい?」
「お兄様、約束を早々に破ってしまいました。」
「うん、あれは仕方ないよ……。ふたりとも改めて入学おめでとう。アメシスト嬢はいつもリアと仲良くしてくれてありがとう。」
「いえ。こちらこそ、仲良くしてもらえて楽しく過ごせています。」
「ところでお兄様、ライアン殿下の隣にいた方は?」
「あぁ、クリスティーナ·アンバー嬢だよ。殿下と同じ学年。入学して少し経った頃からいつも一緒だな。」
「それって……。」
「確か、アンナ様は4年生にいらっしゃいますよね?止めないのでしょうか。」
「定期的に忠告しているみたいだよ。でも、変わらないみたいだね。アンバー嬢はルビー嬢を偽の婚約者呼ばわりらしいし。」
「なんてこと。」
「なぜ、偽などと…。」
「さぁ、そこは分からない。まぁ、とりあえず食事にしようか。」
「はい「いただきます」」
食事中には、他愛もない会話をして過ごした。
そして、食後はお兄様やクレマと別れ、ライラと一緒に散歩がてら、走れる所はないか探しに行った。一人でも大丈夫だと言ったけど、許されなかった。
その途中……
「アンバー様、何度も申し上げますが婚約者ではない方と、常に一緒にいるのは恥ずべき事です。自制された方がよろしいですわ。」
「ライアン様は、仲良くしてくれているだけですよ。友達です。変に勘ぐらないでください。」
「そういう事では……。」
うん。関わり合いたくないな…。
ライラと目で会話して、その場を去ろうとすると、そういうときに限って足元に小枝があるのはお約束。
パキン
すると、こちらにパッと視線が向く。
あちゃー……
「プルメリア様じゃないですか!あなたの取り巻きどうにかして下さい。」
クリスティーナ·アンバー様の言葉に私は固まった。
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