とある雑多な思考錯語

工事帽

文字の大きさ
上 下
18 / 30

厨二日和

しおりを挟む
満ちる。
満ちる。
満ちる。
光が満ちる。
──そして、弾けた。
視界が真っ白に染まるほどの光量だった。
だが、同時にそれは、闇をも消し飛ばす輝きでもあった。
光が収まった時、そこにいたのは一人の少女だ。
黒い髪の、小柄な少女。
その手には一振りの大剣が握られている。
それはかつて、聖女リリアナと呼ばれた少女。
世界最強の勇者と共に戦った、最高の英雄の一人。
《神焉竜》すら凌駕する、伝説に名を残す大英雄である。
しかし今の少女の姿は、かつての面影を残してこそいるものの、その姿はまるで別人と言っていいものだった。
なにより違うのはその瞳の色。
血のような真紅から、澄み渡るような空色へと変わっていたのだ。
そう、今ここに顕現したのは、伝説の《精霊解放軍》殲滅兵器。
その名も──《神滅覇王》マナ・ウツノミナであった!
少女は、手にした大剣を振り下ろすと、そのまま地面に突き立てた。
するとどうだろう? 大地が裂けたかのように地割れが起こり、そこから光の奔流が立ち上ったではないか。
その光景を見て、俺は確信していた。
リリアナが無事だったこと。
そして、この世界は滅びるのだということを。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

奇妙な日常

廣瀬純一
大衆娯楽
新婚夫婦の体が入れ替わる話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

あなたのサイコパス度が分かる話(短編まとめ)

ミィタソ
ホラー
簡単にサイコパス診断をしてみましょう

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

由紀と真一

廣瀬純一
大衆娯楽
夫婦の体が入れ替わる話

処理中です...