井戸端会議所

ほたる

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第二章・雨霖鈴曲

雨霖鈴曲・第五話

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「私が、厄災だよ」

 その声は、曲留美の声ではなかった。フィルターがかかったようなよくわからない音で、男かも女かもわからない。
 そういえば、前に曲留美とこの家のことについて話したときがあったが、住所まで話していただろうか。
 不意に、足下でスマホの通知音が鳴った。痛みの衝撃で手から落としてしまったのだ。霖太郎が見下ろすと、父からの追伸が表示されていた。
『厄災は自身を女の姿にしている。霖太郎と同じ年頃だ。用心しろ』
 一瞬だけ、痛みを忘れた。父からの最初のメッセージは理解するのに時間がかかったが、追伸は一秒以内で理解できてしまった。
 厄災は、誰かに取り憑くことはない。だから人の形をしていない、というわけではなかった。唯一の抜け道は、人間の形を全て、厄災が作り上げることだ。肉体も、人格も。
「言葉は、やっぱり大切だよ。言葉一つが局面を変えてくれる。だから感謝しているんだよ。名前という言葉を生み出すきっかけを与えてくれて。
 私の名前は、火鈴久留美ではなくて、曲留美だ」
 厄災に名前をつけてはいけない。ならば厄災自身が名乗ればいい、というわけにはいかない。名前は、第三者が認識して生み出さないと意味がない。親が子供を名付けるように。
 「久留美」という用意された名前と、「曲」という文字。材料が厄災によって用意されていたとしても、それを組み合わせて新たな名前だと、霖太郎が認識して決めた。
 霖太郎が、厄災を名付けたのだ。
「あの時、公園での仕事の終わりに、一方的な考え方をする人間がいると言ったね。自分が正しいと勘違いしていると。君は、その人間たちと違うと思っているのかな? 本当に正しいのは自分だと? 私に騙されて、つけ込まれているというのに、疑いなく自然にそういうことが言えるんだなと、思わず笑ってしまったよ」
 霖太郎の目は、誰が見ても断言できるほどに絶望に染まっている。その目を見て、厄災は再度、満足げに笑う。
「改めて言うことだが、言葉は大切だ。だからそれを自分の中にとどめておくのはもったいない。何なら私がさらけ出したい。だから全てを話してあげよう。まずは、君の母親のことだ」
 母親という単語を聞いて、霖太郎は一つ納得した。名前がつけられて力を手に入れたから、母は負傷したのか。本来なら、厄災が力をつけていなければ、負けることはなかったのか。
「そもそもを考えると、私が未来永劫残り続けるためには、秋雨家が消えなければならない、特に力を持つ者が。私を消すことができるのは、奴らだけ。でも母親はもう手にかけたから、後は霖太郎だけだ」
 霖太郎には祖父母やその先の人間がいない。厄災を退治できる力を持っているのは、母と霖太郎だけだ。だがここで霖太郎を殺しても、母はまだ生きている。
 そんな当然の疑問に、厄災は見透かしているように答えた。
「わかるだろう? 君の母親は、女だ」
 だから何だというのだ。男だろうと女だろうと、厄災を退治できる。性別の違いは関係ない。
 ……性別の違い?
 母が負傷したのは、下腹部だ。下腹部とは、どこだ。

「もう、身籠もることはできないだろう。後は君を殺せば、秋雨家の血は絶える」

 仮に、クラスに一人はいるであろう、ものすごくデリカシーがない人間がいたとする。
 人の弱いところを躊躇なくからかい、とんでもないいたずらをして、他のクラスメイトはその人間のことを嫌っている。
 そんな人間でも決して言わなそうな、もし誰かが言っていたら、そんな人間でもドン引きして、「お前いかれてるよ」と咎めそうな言葉。
 それを今、目の前の厄災は口にした。
 人としてどうなのかと問い詰められそうだ、というところまで霖太郎は考えて、その後すぐに、あっけなく納得してしまう。
 こいつは、人じゃなくて、厄災なのだ。
 厄災は、永久に、消さないといけないのだ。
「次に君について。私は君に近づくために、火鈴久留美を作った。私は何年もこの世界に居続けた。君の好みの人間を知って、それになりきるスキルは、十分に学んでいる。そして距離の詰め方、会話と積極的になるタイミングは全て完璧に、」
 ここまで流ちょうに口を動かしていた厄災だが、不意に言葉が途切れる。背中の感覚に気がついたからだ。刺激を感じるのだが、感じた瞬間に消えていく。
 背中が、溶けていた。
「……あ?」
 次に、霖太郎の手に注目した。何やら紙のようなものを、厄災の背中に押しつけている。
「何だ、これは、どうしてだ」
 お札のことは、曲留美に話したことがある。それを鞄の中に忍ばせていることも。
 鞄は、霖太郎が届かない位置に転がっている。
「どうしてそれを持っている、何故だ、まさか知っていたのか!?」
 霖太郎はつい最近、お札を忍ばせる場所を鞄の中から袖の裏に変更していた。自分が狙われるリスクがあると知ったからだ。
 それを教えてくれたのは、家族でもない、また別の人物。





「おい、お前」
 背中から声をかけられ、霖太郎はビクッと身体を震わす。声をかけたのは、霖太郎と歳が近い男子だ。顔は怖くないが、強い圧をかけられている。
「ストーカーか?」
 全力で首を横に振った。もげそうな勢いに男子の方が若干引いてしまう。
「じゃあ、どう違うかを説明してもらおうか」
 そう言って、男子は霖太郎をショッピングモール内のカフェまで連れて行く。圧に簡単に屈した自分のことが、少し情けなく感じてしまった。
 男子に誘導されてテーブル席に座る。するとその横に、新たな人物が現れた。車椅子に座っており、少し前から霖太郎が尾行していた人物。
「初めまして、有中仁美です。なんだか見られている気がしたので、彼に声をかけてもらいました」
 男子は霖太郎の向かいに座っていた。軽く会釈したその男子の名は、後で聞いたが置弓仁志というらしい。
 仁志の顔はもう強ばっておらず、仁美も優しい顔をしているのだが、逃げ道を完全に塞がれている状況である。おろおろとする霖太郎に向けて、仁美は次の衝撃発言を放った。
「私のことを、悪霊だと思っている?」
 完全に言い当てられ、霖太郎は口をパクパクとさせる。
「君の噂は耳にしているの。陰陽師、みたいな仕事をしているんでしょう?大丈夫、むやみに誰かに話したりしないから」
 続きを促す仁美に、霖太郎は恐る恐る答えた。
「あの、他の人と、つまり普通の人間とは、違う感じがしたので、もしかしたらと……」
 ショッピングモールで偶然仁美を見たとき、その「違い」を感じ取った。だが悪霊とは断定できなかった、それでここまで監視をしていたのだ。
「なるほど、オーラ的な意味でってことかしら。でも、それなら問題ない。私は宇宙人だから」
「は?」
 これを聞き返すことは、失礼に値しないと信じたい。当たり前の反応だろう。
「だから、私は宇宙人なの。宇宙人だから、他の人とはオーラが違うって事」
「こいつの噂を知らないのか。『かぐや』ってあだ名で知名度抜群だ」
「そう。で、この人は私のパートナー」
「月人の付き人です」
「ねぇ、そのギャグ飽きないの?」
「満足だから何回も使っているんだろうが」
 二人の夫婦漫才はさておき、霖太郎はただただ混乱していた。その様子を見て、仁美は助け船のような何かを丸投げする。
「まあ、私のことはこれで問題ないし、問題があるって林太郎くんがまだ思っていても、それは後でじっくりと解決しましょう」
 ただの問題の先送りなのだが、仁美はそれで話をまとめようとしている。何故なら、
「今は、その前の問題の解決が、優先事項でしょう?」
 全てを見透かされている気がして、霖太郎は思わずたじろいだ。
「火鈴久留美さん、だっけ。君が最初にマークしていたのはあの子だと思ったんだけど、違った?」
 違わない。このショッピングモールに来たのは、曲留美を追ってきたからだ。
 曲留美と親密になってから距離が縮まり、今まで感じられなかったものを感じられるようになった。仁美と同じ、普通の人間とは違う何か。だが仁美とは違う感じで、明らかに暗い何かがある。
 霖太郎は、厄災の感じを知らない。だから曲留美を厄災だと断言はできないのだが、
「あの子は、嘘をついている。それも、誰かを陥れようとするような嘘」
 仁美の言葉は、まるで霖太郎の背中に黒い何かを流し込んだように、心に入り込んだ。
「私、そういう様子を感じ取れるようになったの。小さい頃から、その感情が入り乱れた環境で育ったから」
 今はもう大丈夫だけど、と仁美は無理して笑ったような顔をした。霖太郎は、無理をして笑う気力もない。
「あの子が君の敵だとして、君には対抗手段がある?」
 仁美の言葉に、霖太郎はゆっくりと頷いた。仁美はなおも優しい顔をして、それでも霖太郎の心の内を察してか、哀しさを含んだ声で付け足した。
「じゃあ、それをいつでも使えるように、準備した方がいい」





 仁美が何者なのか、その話は今はどうでもいい。ただ、仁美の忠告は正しかったと、この状況が示している。ここで霖太郎は、自分が成すべき仕事をしなければならない。
「やめろ、やめろやめろやめろやめろ痛い熱い消えてしまう!」
 なるほど、このお札は痛いのか、熱いのか、そもそも厄災でも痛覚はあるのか。
 お札に気を取られてか、霖太郎を締め付ける力は完全に弱まっていた。最初は当てるようにお札を触れさせていたが、今は逆に霖太郎が離さないように、抱きついてお札を押しつけている。
 耳元で怒号を叫ばれ続けたせいか、鼓膜が一時的に壊れて、耳が遠くなっている。お札を押しつけることに集中しすぎて、他の感覚が薄れてふわふわとした意識の中、霖太郎は無謀な願いをしていた。
 もしかすると、曲留美は厄災に取り憑かれたのではないか。厄災が取り憑くことはない、というのは間違いで、実はできてしまうのではないか。
 今、ここで厄災を退治したら、後は無害な人間の曲留美だけが残っているのではないか。
 そうすれば、霖太郎がずっと抱いてきたこの気持ちは、恋は。
 厄災を感じ取れなくなり、霖太郎はいつの間にか閉じていた目を開けた。霖太郎の目の前には、先程まで厄災が着ていた、高校の制服と下着だけが落ちていた。
 その人は、僕の目の前からいなくなってしまった。僕の手によって、存在ごと。
 あっけないな、とふと思った。出会ってから今までは数ヶ月という、一般的には短い期間の出来事だったけれども、その終結には五分もかからなかった。
 腕にかかっていた制服を、ぱっと床に捨てた。持っている気にはならなかった。大事に取っておこうなどとは、微塵も思わなかった。出会わなければよかった、と口にした。口にしたところで変わることではなく、気分が楽になることもなかった。
 締め付けられた身体は非常に痛いが、心の方が何倍も傷ついていた。





「久留美とやらは、消えるのか」
 置弓家は、とあるアパートの一階にある。仁志は自分の部屋にいる仁美に、不意に質問した。今思いついたというわけではなく、ショッピングモールから帰る途中に、いつ切り出そうかと悩んでいた話題だ。
「林太郎くんの話だと、そうなる可能性が高いよね」
 厄災は一から肉体と人格を作っている。厄災が消えることは、人格ごと存在が消えることに他ならない。
「じゃあ林太郎の気持ちは、最初から無意味なこと、ということか」
「うん。でもそれだと、あまりにも悲しいよね」
「悲しいが、それが現実なんだろ」
「さあ、どうだろうね」
 笑顔ではぐらかす仁美に、仁志は食いついた。
「何か知っているのか?」
「別に。ただ、どうにかして林太郎くんの気持ちが報われるストーリーであってほしいって、どうしても願いたいだけだよ」
「願うっつってもな……」
「そもそも、陰陽師だとか厄災だとかふわふわした話なんだから、何か都合が良い話があってもいいんじゃない?」
 楽観的な話を繰り広げる仁美。でも、ただの気休めではないことは、仁志も察している。
 どうしても願ってしまいたくなる。どこかに救われる道があるかもしれないのでは、と。「あるとしたら、久留美さんの人格が残る、っていう道かなぁ」
「いや、それも厄災が作ったものだから、消されるんじゃないのか」
「林太郎くんと親密に関わってきた人格が後から生まれたなら、残るんじゃない?」
 それはどういうことなのか。仁美の続きの話を聞くために、仁志はその場に座り直した。
「厄災は今、『言葉』を知って、『名前』を知った。でも厄災は、秋雨家が代々追ってきたってことだから、相当昔からいたはず。そこからのペースで今更『言葉』を知ったってことは、人間の『人格』については詳しく知らない可能性はあるでしょ」
「じゃあ、久留美の人格っていうのは、後天的に生まれたと?」
「一応、筋は無理矢理通せそうだよね。表面をなぞった程度で厄災が人格を作って、感情とか、恋愛とかの、人格の奥深くはその後に自然に発生した。……そこまで演技だった、って言われたらそれでおしまいだけど、もし本気で林太郎くんのことを意識している節があったら、新たな人格があってもいいと思う」
「そうか……」
 スケールがでかいというか、そもそもがふわふわとした話なので同感がしづらい。こう言いかけた仁志だが、仁美をみてフッと笑った。
「そもそも、お前が宇宙人とかいうふわふわした存在なんだから、それくらいあっても不思議ではないな」
「喜びづらい返しをしないで」
 仁美も、思わず笑いながらそう返した。





「どこにいくんだ?」
 霖太郎が玄関で靴紐を結んでいると、父親から声をかけられた。事情を説明すると、「そうか」と言って部屋に戻る。
 霖太郎はもう、高校には行くことはない。ここ最近で親しくしていた久留美が、忽然と姿を消しているとなると、霖太郎に何かしらないかと問い詰められ、終いには疑いの目をかけられるだろう。その対応に追われたくはない。
 これから、仁美と仁志に会いに行く。まずは厄災退治に貢献してくれたことの感謝。そして、仁美は宇宙人だという話について、詳しく聞き出さなければならない。少ししか話したことはないが、嘘は言っていない気がした。だが、厄災に騙された直後なので、自分自身は信用できない。
 家に父親がいるのは、母の療養に付き添っているからだ。厄災関連でまだやることはあるのだが、今の優先事項はこっちである。
 例え、霖太郎の恋が終わろうとも、厄災との騙し合いの勝負に打ち勝ったとしても、時間は流れ、次への対応に追われなければならない。もちろん、霖太郎にもやるべきことはあって、感傷に浸る暇はない。
 靴紐を結び、立ち上がった霖太郎は、部屋の向こうにいる両親に声をかけた。

「「いってきます」」

 声が、ダブった気がした。
 でも、気のせいだろう。そうとしか思えない。
 一瞬だけ動揺した霖太郎だったが、ドアを開け、歩き出してから十秒ほど経つと、その違和感はもう忘れていた。
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