井戸端会議所

ほたる

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第二章・雨霖鈴曲

雨霖鈴曲・第一話

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 その人は、僕の目の前からいなくなってしまった。
 悪いのは誰だと聞かれた僕だろうが、出会わないことが最善手だったと、今でも強く思う。





「家の仕事で、陰陽師みたいなことができます。もしそのようなお悩みを持っていたら、ぜひ僕にお声かけください」
 人に対する印象は、初対面でほとんど決まっている。そんな話を同業者の先輩から聞いていた。その人は就職活動でそれを知り、その言葉の重要さを熱弁していた。
 だがそれは、就活においての面接など、短時間での事柄において重要な話であり、中学、高校といった、長期間での付き合いの相手となると、焦って初対面でアピールする必要があるわけでは無いだろう、と秋雨林太郎あきさめりんたろうは考えている。
 何故そう考えているかというと、林太郎は高校生初日に、この自己紹介を自信満々にかましたからである。
(無難なことを言えば良かったのに……)
 一般人にはない特別なことはその人の個性として認識されるので、自己紹介としては問題はないかもしれない。だが、内容が良くなかった。林太郎がその手の仕事をしていることは事実なのだが、ジャンルが微妙なのだ。イメージしやすいものではなく、写真や動画で見せたりと、その仕事の証明が簡単にできるわけでもない。更に、業種についてやたらと複雑で、そこにおいて林太郎がいる立ち位置についても説明が非常に面倒であり、もし説明できたとしても、内容が漫画みたいな話で、嘘くさい。
 クラスメイトの興味はそそられたようだが、林太郎が必死に説明しても、そこからどんどん話が繋がることはなく、しばらく経つと、「自己紹介で変に目立っていた人」「言っていることがよくわからなくて、嘘かもしれない奴」という印象だけが残っていることに、林太郎は薄々気がついていた。だが、誰も彼もがその話題に突っかかっている訳ではなく、むしろその話題を無視して関わってくれているので、林太郎は自分の家業について触れることなく、今後の高校生活を送ろうと決心していた。
 そんな中、パンドラの箱みたいになっている林太郎の家業について、興味を持った人間が現れた。
「君が、秋雨林太郎くん」
「はい?」
 休み時間中、不意にフルネームで呼ばれ林太郎が顔を上げると、ショートカットの茶髪の女子がこちらを見下ろしていた。その女子は一目見るだけで可愛いという印象を受けたので、林太郎の目は一瞬泳ぎかけた。
「君、陰陽師なんだって?」
「あ、いや、陰陽師みたいな仕事であって、正確には陰陽師じゃないっていうか……」
「じゃあ霊媒師……、あっ、呪術師」
「いや、それでもないです」
「じゃあ、なんていうの?」
 この受け答えをすれば、誰しもが考えるセリフを、その女子は聞いてきた。そしてそれに対する答えを、林太郎は持っていなかった。
「あの、実は、……わからないんです」


 ねえ、お父さん。お父さんとお母さんの仕事は、陰陽師なの?
 いや、仕事内容は似ているけど、正確には違うな。
 じゃあ何て言うの?
 それはだな……、実のところわからないんだなこれが。ハッハッハ!
 え……、じゃあ、仕事の名前がないの?
 名前がないわけじゃあないぞ。俺たちの上司、つまり偉い人たちは、俺たちのことを「秋雨家」って呼んでいるからな。つまり俺たちがやっているのは、「秋雨家の仕事」ってことだ。
 でも、それって仕事の名前じゃなくて、僕たちの名字じゃん……。
 そうだ。だから仕事名で呼ばれても、全く仕事名のように聞こえないんだよな。でも偉い人たちはそう呼ぶんだ。わけがわからないだろ?ハッハッハ!


「僕たちの仕事を示す言葉が、無いんです……」
 これが、説明が難しいという問題の、最初の関門である。今まで話を聞いてきたクラスメイトは、この話をしてから一気に興味が薄れていった。林太郎も、自分が逆の立場でも、同じように感じるだろうと思っている。
 名前だけなら、聞いたことがないような言葉でも何でもいいから、適当に付けてくれれば良かったのにと、顔も知らない偉い人と、ついでにそれをすんなりと受け入れる父に対して、林太郎は多少の怒りを感じていた。名前さえあれば、そこから話が広げられるのだが、その一歩目から躓くので、何も進まない。
 目の前の女子も、例に漏れず同じ反応をするだろう。この手の話題がせっかくなくなってきたと感じていたのに、知らない女子に掘り返され、また嫌な空気になってしまう。顔を知らないので、おそらく他クラスの生徒だろうか。面白い話題にたきつけられて、クラスを跨いでまで聞きに来て、変な空気を残して帰る。何がしたいんだ、と、林太郎の怒りの矛先は女子に向けられていた。
 だが、その女子の反応は、林太郎の予想とは違った。
「何それ、面白いじゃん」
「え?」
 興味が薄れるどころか、かえって興味津々な表情をする女子に、林太郎はわかりやすく困惑した。狼狽える林太郎に対し、女子は笑いかけながら自己紹介をした。
「私は火鈴久留美ひれいくるみ、合唱部所属。早速だけどいろいろと聞いてみてもいい?」





 帰りのホームルームが終わり、帰宅、もしくは部活に向かう人の流れができ、廊下が賑やかになる。林太郎が廊下に出たのは、人の流れが少し収まってからだった。
そして、廊下に出た瞬間、久留美と目が合う。
「こっちだよ」
 久留美は林太郎を先導して、とある場所に連れて行くようだ。新入生ということもあるが、林太郎が知らない場所でもあるので、辺りをキョロキョロと見回す。目的地に近づくにつれて、人の数が減っているのがわかる。
 たどり着いたのは、社会科準備室だった。鍵は開いており、久留美は扉を開けながら林太郎の方向に振り向く。
「ここら辺は部活でも使わない場所だから、気兼ねなく何でも話していいよ」
「え?」
 思わぬ言葉に、林太郎は一瞬戸惑う。対して久留美は、少し笑みを浮かべている。
「あんまり周りに聞かれたくないのかな、と思って」
 休み時間に久留美が現れて、林太郎の仕事を詳しく聞きたいと言ってきた。それに対し、林太郎が「話が長くなるかもしれない」と言うと、久留美はすぐさま「じゃあ放課後に聞かせて」と返し、そして今に至る。なので、林太郎はてっきり、どちらかの教室で話すのだと思っていた。
「特殊な仕事だったら、あんまり言いふらしちゃいけないこともあるのかな、って思ったんだけど、違った?」
 この久留美の配慮は、林太郎にとって意外であり、それと同時に久留美の性格が垣間見える瞬間だった。
「いや、ありがとう」
 林太郎のお礼を聞いて、久留美は嬉しそうな表情をした。「でも私は知りたいから教えてね」というセリフ付きである。
 社会科準備室の中には、机が一つと椅子がいくつかあり、後は資料のようなものしか置いていない。林太郎と久留美は、お互いに対面にあるように座ることにした。二人が腰を落ち着かせると、久留美はすぐにノートを取り出し、意気揚々と会話に臨む。
「どんなに話が複雑でも大丈夫だよ。私が理解するまで聞くからね」
 人の話を聞くだけなのに、どうしてそこまで真剣になるのか、と林太郎は苦笑いした。が、自分の話を本気で聞いてくれることに喜び、しかしそれは表情に出さないようにして、自分の話を始めたのだった。





 林太郎の家系、つまり秋雨家には、先祖代々ずっと引き継がれていた使命がある。それは、とある「厄災」を打ち祓うこと。厄災は悪霊などとは違い、人に取り憑くなどはできずに、単体で存在している。
 その厄災に名前はない。厳密には、名付けてはいけないという決まりになっている。名前が付けられることで、厄災が強大な力を持ってしまうからだ。秋雨家の職業についても、同じ理由で名前が付いていない。
 何故、秋雨家だけで厄災を相手にしているのかというと、厄災に対抗できるのが、秋雨家の血筋の人間のみだからである。家系で引き継がれた力でないと、厄災を完全に消し去ることができない、というのだ。
「うわ、ものすごいファンタジーな設定だね」
「僕もそう思う」
 久留美が口を挟んだが、林太郎は全面的に同意している。これは両親から聞かされている話であり、書物として証拠も残って入るのだが、内容は明らかにフィクション臭い。
「じゃあ、秋雨家の血筋じゃない陰陽師では、全く歯が立たないってこと?」
「いや、しばらく封じ込めるとかの応急処置みたいなことはできるらしい。僕の父は秋雨家と関係ないんだけど、今も母と一緒に厄災退治をしている。でも厄災を根絶するためには、秋雨家の力を使わなくちゃいけない」
「なるほど、血筋はお母さんから継承されているのね」
 秋雨家には分家などの概念はあるのだが、実力と権力の両方を見ても、本家が一番強い。林太郎は、母から本家の血筋を引き継いでいるのだ。
「それで、この逆っていう意味でもあるんだけど、僕たちの厄災に対する力を応用して、他の陰陽師みたいに呪いを祓ったり、霊を相手にすることができる。だから厄災退治の片手間に、陰陽師の仕事を手伝ってるって形で、いろいろとしてるんだ」
「それが陰陽師のような仕事ってことね……。じゃあ、全部ひっくるめて『陰陽師』の仕事って呼べばいいんじゃない」
「いや、それでも名前を付けるってことになるから、厄災に対してはダメらしい」
「あ、そっか」
 この厄災に名前があったらと、些細なきっかけも含めて山ほど考えた。だが、そういうちょっとした問題の解決とは釣り合わないほど、厄災に名前を付けるということは、とんでもなく危険だと聞かされている。
 ノートにメモをしていた久留美は、ふと顔を上げ、林太郎の目を見てニヤリと笑った。
「だいたいわかってきた。秋雨くんの本業は、とある恐ろしい厄災を祓うこと。で、同じ要領でバイトしているみたいに陰陽師の仕事の手伝いをしている。こういう解釈で良い?」
 そう言うと、久留美は書いていたノートの一ページを林太郎に見せる。単語を丸で囲み、矢印などの記号で関係を表した簡単な図で、一目見ただけで内容がするりと頭に入る工夫がされている。
 自分が説明をすることを諦めていたことが、こうも簡単に伝わる言葉や方法にまとめ上げられるのかと、林太郎は思わず目を丸くしてしまった。
「すごい、こんな複雑なことが、一言二言で言い切れるなんて」
「たいしたことじゃないよ。もしこう言ったとしても、じゃあ厄災って何なのか、陰陽師の仕事って何、って聞かれたら、難しい話をしなきゃいけない。だからこれは、ただ表面上のことしか言ってないだけ」
「たいしたことない、ってことはないよ。僕ならこうはまとめられなかった。でも、そうか、表面上のこと、内容のさわりの部分だけで良かったのか」
 何かすごい裏技を使ったわけでもない。けれども、指摘されるまでは自分は一切気づくことのなかった方法に、林太郎は感動している。その様子を見て、久留美は一つ聞いてみる。
「もしかして秋雨くんって、国語とか苦手? 要約とかするのが、上手くいかないとか」
「あ、いや、別にそうじゃないかな。平均的だと思うけど」
「そう? でも同じように言葉をまとめたら、仕事のことも普通に伝わると思うんだけどな……」
 要約が苦手ではないのに、自分の仕事について上手くまとめられない。そのちょっとした違和感が引っかかる様子の久留美だったが、ふと、ある可能性に気づいた。
「もしかしてだけど、秋雨くんは自分の仕事のこと、心から大切に思っているんじゃない?」
「え?」
 脈略がない内容に一瞬だけ戸惑うも、林太郎は久留美の質問に素直に答えた。
「そうだね……。普通じゃない仕事って意味でも惹かれているけど、僕はずっと、この仕事をしている親を見てきたから、その憧れもあると思う。始めて母さんから受け継いだ力を教わったときも、ものすごく興奮した覚えがあるから。この家業は、僕にとって意味のあるものって認識している」
「やっぱり。そうだったんだね」
「やっぱり?」
 再び久留美の顔を見ると、予想を的中したからなのか、自慢げな笑顔を浮かべていた。
「大切だから、説明が下手になっちゃうんだよ。相手に理解しやすいように話すには、混乱の元になるような情報を減らさなきゃいけない。でも、秋雨くんは自分の仕事を大切に思ってるから、情報を減らしたくなくて、自分の知っていることの全部を伝えたくなる。……って、いうことだと思うんだけど、当たってる?」
 机に体重をかけ、顔を近づけて嬉々として反応を迫ってくる久留美に対し、林太郎はただただ目を見開くしかなかった。自分が今まで表現できなかったことを、その理由まで、納得のいく答えを出す久留美に驚き、かつ、モヤのかかっていた内容が、的確な言葉で一気にクリアになり、清々しい気持ちを感じていたからだ。
 言われてみればそうなのだろうと確信できる。が、難しいことではないのに、今まで自分で思いついたり、気づくことはなかった。恐らく指摘されていなければ、今後も気づくことはなかったかもしれない。そのようなことを、どうして、
「どうして、言葉にできるの……? 僕と親しいわけではないのに、こうも的確に」
「私ね、聞き上手ってよく褒められるんだ」
 久留美は椅子に座り直し、顔に笑みを残したまま、自分のことを語り出す。
「でも、ただの聞き上手じゃないんだ。私はね、『言葉』を大切にしているの。言葉ってすごいんだよ。いくつかの音のパターンを組み合わせるだけで、ものの名前から、喜怒哀楽、目に見えない物とか、概念でさえも表現できて、人を喜ばせたり、感動させたり、逆に不快にもさせる。本来ならただの音の集合だったものが、ありとあらゆる種類に分類される。そういうことに気づいたとき、私わかっちゃったんだ。『言葉』について、ちゃんと向き合わなきゃいけないな、って」
「向き合う……?」
「うん。だって私も秋雨くんも、全ての言葉は知らないでしょ?」
 全ての言葉、とはどういうことか。林太郎がそう考えたとき、会話の流れからいくつか浮かんできた。まだ知らないものの名前、概念の表現方法。人の心を動かす、感情が込められた話し方。そして、その全パターンについて、日本語だけでなく外国語全て。
「……途方もない数だ」
「でしょ? 私たちが知っている言葉は、たかが氷山の一角。多分、命を全部使っても、完全に理解することができない。それなのに、軽々と言葉を使っていたら、いつかとんでもないことになっちゃうんじゃないかって思わない? 言葉は、まだ完璧に把握していない、未知のものなのに。
 だから、まだ自分だけで考えられている間は、自分と他人の言葉を出来るだけ、深く理解したい。聞き上手っていうのは、相手の言葉をちゃんと聞いてきたことの副産物。あと、秋雨くんのことを表現する言葉遣いも、今まで知識として蓄積された『言葉』を使ってできたもの。……まあ、結論づけられたのは、それだけじゃないと思うけど」
「他にもあるの?」
「多分ね。秋雨くんもさ、言葉を大切にしているでしょ」
 不意に自分に話が向いて、林太郎は動揺してしまう。今までの会話から、久留美のことをすごい人物のように認識していたが、言葉を大切にしているということで、久留美と林太郎が同じであると言われ、まるで褒められているような感覚に陥った。
「自分の仕事のことを言うときは変に省略したくない、ってことは、そのことを話す『言葉』について、ちゃんとしたいってことだよ。それに仕事上、名前っていう言葉についても気を引き締めている。だから秋雨くんは、私みたいに言葉を大事にしているんだなぁ、って思ってたから、もしかしたら私と同じ考え方をしているのかも、って予想できた」
「同じ考え方、ってことは」
「うん。私もそう考えてる。大切なことを話すときは、一言一句、漏らさずに伝えたいって。もちろん、逆効果になっちゃうときは我慢しているけど」
 同じ考え方だから、早く結論づけられたということか、と納得した林太郎だが、その納得感を横から邪魔をし、埋め尽くそうとする感情が現れた。
 赤の他人と自分の考え方が同じだなんて、そうそうあるはずがない。もしそれが本当にあったとしたら、それをぴったりと言い表せる言葉は、
「私たちって、似たもの同士だね」
 そう言った久留美は、満面の笑みだった。そういえば、この人は自分と話しているとき、ずっと笑っていた。そのことに林太郎が気づくと、今まで見た笑顔が一瞬でフラッシュバックされ、どの笑顔も美しいということにも気づいた。
 そして林太郎は、自分の一目惚れを自覚した。
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