醜いトロールの子2

メタボ戦士

文字の大きさ
上 下
41 / 45
1章

41話 未来

しおりを挟む
〈ガチャ〉
 
サイモン 「ヤコブただいま~☆今日もお前が大好物のハンバーグを作るぞ。」

ヤコブ 「················」
  
 ·····今日も駄目か。

 いや····諦めちゃ駄目だ。

 もしかしたら焼けた良い香りが漂えば目覚めてくれるかもしれないし。
 
 よし美味しく作るぞ♪

〈パンパン······ジュ~〉

サイモン 「〈ゴトッ〉出来たぞ~♪ほらお食べw」

ヤコブ 「·················」

〈ガシャン〉  

サイモン 「クソォ!!!いつになったら目を覚ましてくれるんだよ····もう10年だぞ。」

 ······昔は大好きだったけど、今はもう······憎い··憎いよ。

 いつまでこいつの面倒をみないといけないんだろう。

 父さん達は始めの頃は協力的だったけど、中々目覚めないとわかったとたんに僕等を見捨てて2人で移住するしホント最悪だ。

 僕だってホントは逃げてたい。
  
 近場で冒険者として活動するんじゃなくてもっと遠くに行きたい。

 こいつが死んでくれたら······

 駄目だ、それだと冒険者として活動出来なくなる。

 もう····どうしたらいいんだろう·······

 ······あっ·····わかった!僕が死ねばいいんだ。

 それならこの最悪な生活を終わらせることが出来るし楽になれる。

 よし死のう。

サイモン 「爆発エクスプロージョン」 

 ······これで自由になれる。

 さようなら····ヤコブ 

〈バアァ~ン〉という爆破音と共に僕の顔はなくなった。
____________________________________________

? 『ン·····』

 ······声が聞こえる。

 自殺したから神様が怒ってるのかな。

 まぁどうでもいいや·····これで楽になれる。

? 『サイモン、あなたはそれでいいの?』

 ······誰?

? 『私よ。声でわからない?』

 ··················母さん、なんで?

サーヤ 『私は今···神様を手伝ってあの世とこの世の間の門番をしているのよ。』

 ········そうなんだ。

サーヤ 『そうなのよ。で、話を戻すけど本当にあの世にいくの?』

 ········いくよ。自由になりたいし。

サーヤ 『でもヤコブはどうするの?』

 ········もう疲れたからどうでもいい······

サーヤ 『そう·····残念ね····『戻りたい』というならヤコブが昏睡状態になる前にあなたを復活させることが出来るのに。』

 ······そうなの?じゃあ戻してよ。

サーヤ 『もう世話したくないんじゃなかったの?』

 ·······あの頃に戻れるなら頑張れる。
 
 だからお願い。

サーヤ 『わかったわ。もう出来ないからすぐに戻って来ないでね。』

 ········うん。

サーヤ 『復活リバイバル

〈シュ······〉
____________________________________________
? 「兄さん、起きて〈ユサユサ····〉」

サイモン 「ん·····眠······ぁ!」
 
  ·····9歳の頃のヤコブ·····10年前に戻れたんだ。良かった。

ケイ 「サイモン君、そろそろヤコブ君の記憶を戻す準備を始まるから起きてください。」

サイモン 「あの·····やっぱりやめときます。」

リチャード 「なんでだ?」

ケイ 「どうして?」

サイモン 「10年以上ヤコブが目を覚まさない夢をみて怖くなったので。」

リチャード 「なるほど····」

ケイ 「そうですか·····わかりました。予知夢かもしれないのでやめときましょうか。」

サイモン 「はい、すみません。」

ケイ 「じゃあ僕は帰ります。」

サイモン 「はい。」  

リチャード 「ありがとうござました。」

 ケイさんは瞬間移動魔法で魔導研究所に帰って行った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

モノマニア

田原摩耶
BL
非王道/受けにはデロ甘な鬼の堅物真面目眼鏡風紀委員長×攻めの前では猫被ってるデレデレ他にはスーパードライな元ヤン総長トラウマ持ちチャラ男固定CP寄りのがっつり肉体的総受け

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~

シキ
BL
全寮制学園モノBL。 倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。 倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……? 真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。 一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。 こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。 今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。 当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。

変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!? ※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。 いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。 しかしまだ問題が残っていた。 その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。 果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか? また、恋の行方は如何に。

黄色い水仙を君に贈る

えんがわ
BL
────────── 「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」 「ああ、そうだな」 「っ……ばいばい……」 俺は……ただっ…… 「うわああああああああ!」 君に愛して欲しかっただけなのに……

異世界に召喚されて失明したけど幸せです。

るて
BL
僕はシノ。 なんでか異世界に召喚されたみたいです! でも、声は聴こえるのに目の前が真っ暗なんだろう あ、失明したらしいっす うん。まー、別にいーや。 なんかチヤホヤしてもらえて嬉しい! あと、めっちゃ耳が良くなってたよ( ˘꒳˘) 目が見えなくても僕は戦えます(`✧ω✧´)

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

処理中です...