異世界大家族〜お母さんは大変です

メタボ戦士

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第2話 忘れ物

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 いつも通り子供達を送り出した後、魔法で家事を始めた。

 ·····汚れるからまずは掃除。
 台所、ダイニング、リビングはいつもきれいにしているからパス。
 すぐ散らかる子供部屋からしよう。

〈ガチャ〉

 ······うわ·····やっぱり散らかってる。
 毎日掃除してもこうなるから大変だわ。

 魔法で埃を1箇所にまとめて、地面に散らかっている子供達の私物はそれぞれの勉強机に魔法で置いた。

 するとを見つけた。

 ·····ペンタとヘプタだけ今日提出しないといけない宿題を忘れてるじゃない、うっかりさん。
 この宿題の教科は3限目だからまだ間に合うからとどけるか。

ナーダ 「今日もよろしく」

ペガサス 「ヒヒーン」

〈バサ·······バサ··············〉

 子供達が通う魔法騎士学校に向かった。

 あの学校は前世の東京都ぐらいの広さがあるから迷わないようにするのが大変。
 しかし学校の許可証を所持していれば迷わないでたどり着くことが出来るから大丈夫。

 魔法騎士学校初等部に到着した。

 ·····懐かしいな、私も昔ここに通ったな·····
 あ······いけない昔を思い出している場合じゃない!
 宿題を届けないと。

ナーダ 「おはようございます。」

警備兵 「どうされましたか?」 

ナーダ 「私の子供達が忘れ物をしたので届けに参りました。」

警備兵 「そうなんですか、大変ですね。許可証はありますか?」

ナーダ 「はい〈ピラッ〉」

警備兵 「はい、確認とれたので大丈夫です。どうぞ·····」

〈ギギギ········〉

 ·······迷わないで来ている時点で許可証を見せる必要ある?
 あ····いかんいかん·····怪しい人を通さないのがこの人の仕事なんだから落ち着け自分。

ナーダ 「ふぅ········」

 ·····ここに来るのも入学式以来だな。

 まさかこんなに早くまた来ることになるとは思わなかった·····あーあーどうせなら参観日に来たかったな。

 そんなことを考えて歩いていたら子供達のクラス前に着いた。
 
 大声で呼ぶのは注目の的になるので教室から少し離れた空き教室で通信魔法を使い、ペンタとヘプタを呼んだ。

ナーダ [ペンタ、ヘプタ、アンタ達が忘れた宿題をお母さんが持ってきたわよ。近くの空き教室にいるから来なさい。]
 

ペンタ&ヘプタ [ありがとう母さん。すぐに行くよ。]

 数分後

ナーダ 「お母さんは配達員じゃないのよ。次から学校の準備は当日じゃなくて寝る前にしなさいね。」

ペンタ&ヘプタ 「はーい、お母さんありがとうね。じゃあ
······」

 ····帰るか。でもその前に子ども達の授業の様子を少し見ようかな。

 この姿だと目立つし変身しよう···

〈ボンッ〉

〈ブゥ~~ン〉

 ·····ハエなら目立たないでしょ。
 よし行こう。

 私が見に行く授業は魔法基礎学。子供達の部屋に貼ってある時間割にかいてあった。
 
 ····子供達が真面目に授業受けているといいな。
 
 そんなことを願っていたら授業が始まった。

 子供達は背筋を真っ直ぐにして座っていた。

 ·····よしいいぞ。

 数十分後

 ······あれ?
 初めは全員真面目に授業を受けていたのに、徐々に体が曲がって寝る姿勢になってるじゃん。

 ····確かに、授業のやり方がただ教科書にのっていることだけをそのまま言っているだけのつまらないものだけど·····寝るのは駄目でしょ。

 まさか子供達が全員授業で居眠りするなんて····ショック。

 このまま見ていても残念なところを見るだけなので、変身を解いて学校を出た。

 ·······夕食の買い物に行かないと·····今日は八百屋だけかな。

ナーダ 「それと····それ······あと·····あれもください。」

八百屋 「あいよ、綺麗なお姉さんにはこれもサービス。」
 
ナーダ 「ありがとうございます〈ジャラ〉」

八百屋 「毎度あり。」


〈バサ··········バサ…·····〉


〈ガチャ〉

 ······うわ····家事が途中だったわ、やらないと。

 数分後

 ·······大したことなかったわ、次は夕食準備。
 今日は色々あったし、特別メニューにしましょう。

 数十分後

 ·······終わったし、リビングで休憩しよう。

〈ゴロッ〉

ナーダ 「··············zzz」

 数時間後。


〈バタバタ···············〉

 ·······んっ···帰って来た····

〈ガチャ〉

7つ子 「ただいま。」

ナーダ 「おかえり。夕食の準備終わってるから風呂入りなさい。」

ナーダ以外 「はーい。」

 数十分後。

ナーダ 「今日は色々あったから特別メニューにしました。アンタ達が苦手な料理のフルコース。スライムうどん、ミノタウロスのレバニラ、ミミックの刺身、マーマンの卵の塩漬け、薬草の煮浸し、歩行きのことマンドラゴラの酢の物、クラーケンの唐揚げ。」
 
7つ子 「えー嫌だ!」

ナーダ 「嫌でも食べてね。あと、何でこんな献立になったか自分の胸に手をあてて考えてみて。」

ペンタ 「僕とヘプタが宿題家に忘れたから?」

ナーダ 「それだけではないわ、ペンタ。」

ペンタ 「そうなの?」

ナーダ 「お母さんは今日学校に行って来たわ。それで宿題を持ってきたついでにハエになってアンタ達の授業を見てたの。」

7つ子 「えっ?」

ナーダ 「まさか全員居眠りしていたなんてね。」

7つ子 「ごめんなさい。」
 
ナーダ 「確かに退屈な授業だったかもしれないけど、居眠りは駄目よ。夜眠れなくなって夜ふかしをすることになるから。」

7つ子 「はい。」

ナーダ 「今回は苦手な料理のフルコースで済んだけど、次また授業中に居眠りしたら1ヶ月お小遣いなしだからね。」

7つ子 「はい。」

ナーダ 「反省したようね。」
 
〈パチン〉〈ボンッ〉

7つ子 「えっ!苦手な料理のフルコースは?」 

ナーダ 「幻覚魔法で苦手な料理のフルコースに見せていたけど、実は違うっていうドッキリなの·····驚いた?」

7つ子 「なんだ良かった…」

ナーダ 「ほっとしたようね、まぁ食べましょう。」

7つ子 「うん。」
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