女装男子と私

12話 遊園地③

　観覧車からおり、メリーゴーランドでの撮影をした。

　·····これが女装じゃなくて普通の男の子の服装だったら格好良いのに残念····いや別に一般的な意見であって早乙女君に対してそんな感情はないし、撮るのに集中····集中·····

早乙女　「〈フリフリ··〉お～い美月ちゃんと撮れてる。」

春野　「〈フリフリ····〉言われた通りに撮影しているよ。」

早乙女　「これが終わったら見せろよ。」

春野　「ハイハイ····」

　·····何この親子の会話みたいな感じ。
　カメラで息子を撮る母親やん。
　同級生の感じしないな～
　まぁいいか目当てのモデルタイムを確保出来れば。
　早乙女君の男の子の姿を入学説明会と入学式にしか見れていないから楽しみだな。

　メリーゴーランド後。

早乙女　「美月、撮ったの見せて。」

春野　「はい、どうぞ。」　　

早乙女　「はい、どうも·················へぇ····良く撮れてんじゃん。ブレると思ったのに。」
　　　
春野　「私、言われたことはこなすから·····えっへん！」

早乙女　「調子乗りすぎ〈ﾄﾝッ〉」

春野　「何でチョップするのよ。」

早乙女　「調子乗りすぎだからツッコミ。」

春野　「あっそう。じゃあ私も····ちょっと手を掴まれたらチョップ出来ないんだけど····」

早乙女　「〈ニギッ〉前髪は命だから死守するわ。」

春野　「私も前髪は命なんですけど····」

早乙女　「美月はそんな感じしないけど。」

春野　「そう決めつけられるとむかつくわね。まぁいいや、メリーゴーランドの撮影が終わったんだから約束通りに男の子の格好になってよ。」

早乙女　「わかった、トイレで着替えてくる。カツラ持ってて〈カチッカチッ·····〉」

春野　「わかった。」

　·····どんな感じか楽しみだな。