〜星の名前の約束〜

第５章："崩れゆく家庭、美咲の再婚と悠太の新たな一歩"

　翌朝。私は名付けの理由の真相を知ってしまい、なんか変な腹痛が来て、学校を休んだ。
《風太は大丈夫なのだろうか？》
私は自分より風太が心配だった。風太は苗字が分からないからと言う理由で、いじめに遭っていた。今は、学校で授業をやっている頃だろう。
　桜ノ高校（風太side）。俺は星野が体調不良で休んでいた事になんか、倦怠感が出た。俺は星野と同じ学校の出身者で友達の青木陽斗あおきようとに聞いてみた。
「星野の家？　知ってるが何の用だ？」
陽斗が聞く。
「見舞いに行くんだ……星野は俺の唯一の理解者だから」
俺は用件を言う。陽斗は学校が終わった後、星野の家まで連れて行ってくれた。
「帰りは、タクシーとか使え」
陽斗はそう言い、帰った。俺は星野家のインターホンを押す。
「何の用だ？」
男性の声だ。父親だろうか。
「娘のクラスメイトです……」
俺は、インターホンに話した。すると、ドアが開いた。
「娘の見舞いに感謝する……入りた前」
星野の父親が入れてくれた。
　星野家、客間。星野の父親が茶菓子やら色々用意してくれた。
「今日の星羅夢はな……お腹が痛いって言って休んだんだ……気合いで治るくせにな」
星野の父親は無知すぎる。
「父親さん……後で色々と調べてください……」
俺は続けて
「本題に入りますが、娘の改名に協力願いたい」
俺は星野の下の名前を改名を言うと
ーーパリン！　パシャー！
茶菓子が乗せられていた皿が割れ、グラスに入った茶が俺にかかる。星野の父親が机をひっくり返したんだ。
「改名には反対だ！　娘をそれで叩いて分からせてやった！」
俺は堪忍袋の緒が切れた。この人は、自分を中心に地球が周っていると思っている。俺はこんな奴が嫌いだ。
「父親さん……後で警察署に行って自主してください……次に母親さん、ガムテープを剥がして意見を聞かせてください……」
俺は星野の母親はなぜか、ガムテープをしていて喋れない状態だった。
「妻だって同じ意見だ！　これで娘の改名は許さん！」
俺は席を立ち上がる。
「父親さん……母親の前から退いてください」
俺は星野の父親を母親から遠ざけようとした。
「なぜだ？」
星野の父親が問いかける。
「母親さんの口に着いているガムテープを剥がすんです」
俺が率直な意見を言うと、星野の父親が俺に拳を向けていた。
「妻の意見だって同じだと言ったろ！　姉が付けてくれた名前は素晴らしいんだ！」
父親の言葉に俺は怒りが増した。
「父親さん……名前は父親である貴方と母親２人で決める者です……貴方の姉弟が決める物ではありません」
俺は少し間違っているが、普通、名前は両親が決めるもの。もちろん親戚で話し合って決めたりするが、親族の誰かが勝手に名前を決め、勝手に出生届を役所に出したなら話は別だ。
「親族の意見を聞いたんだ！　妻は嫁いだから親族ではない！」
星野の父親は非常識人だ。俺が次の言葉を言おうとしたら、星野の母親が父親を投げ飛ばした。星野の父親は窓ガラスの割り、外へ放り出された。そして、自分で口を覆っていたガムテープを剥がし
「娘の名前を改名させます！」
母親は改名に賛成してくれた。マトモな人がいてくれて良かった。
「美咲！　姉の遺言を無視する気か？」
星野の父親は頭から血を流していた。すると、星野の母親がA3の緑色の紙を出してきた。離婚届だ。
「シスコンで、暴力振るうアンタとは離婚します！」
星野の母親が父親に離婚届を投げ付ける。俺は星野の母親にオンライン改名手続きを教えた。
「母親さん……離婚するのは良いのですが、やはり……父親は必要だと思います」
俺は反抗期が無かったから、分からなかった。
「私はもう、次の再婚相手居るから……」
星野の母親は、写真を見せる。
「俺と娘のクラス担任ですけど」
星野の母親の再婚相手は、担任の蓮太だった。