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4.一回目③
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明るい照明の下、一糸纏わぬ姿で股間を両手で隠し、ソファの傍に伊沢が立っていた。
ソファの上には汚さないためにか、バスタオルまで敷かれている。こういったことがすでに日常と化しているのが分かった。
大樹が近づくと、伊沢がびくりと震えた。
「……君は、ホモなのか?」
不安を浮かべた目で伊沢が大樹を見つめる。
正確に言えば違うが、ゲイかバイかは伊沢からすれば対して違いはない。
「まあ、そんなところです」
「………」
大樹の返答に怯えたのか、また身を竦められる。
嫌悪を感じる気持ちは分からなくもないが、少し傷付く。
この際、大樹はこの異常な状況を割り切ることにした。
あの憧れの生徒会長にフェラチオをする機会なんて、二度とない。
大樹はみどりの方を向き訊ねる。
「どういうポーズがいいですか?」
車椅子を二人の方に向けて座り、みどりは鉛筆を唇に当て考える。
「眠れるヴィーナスみたいに、ちょっと体を斜めにこちらに向けて横になってもらおうかしら。肩のあたりにクッションでも置けばいいわ。右足は立ててちょうだい」
俺は?と大樹は訊ねる。
「イツキくんは、あおが見えるようなら自由にしてくれていいわ。顔は描かないようにするから安心して」
大樹は携帯電話で検索し、このポーズをするのだと伊沢に見せる。
渋々といった様子で、右側を背凭れ側にして伊沢がソファに横たわった。その体は緊張のせいか強張っている。
ヴィーナスなんて目じゃないくらい、大樹には伊沢の裸体が綺麗に見えた。
すらりとした長身に、無駄な肉のついていない細身の体。顔と同じで均整のとれているきれいな体だ。
憧れの生徒会長の裸を見れるなんて、本来なら有り得ない。今日は十分に堪能させてもらうことにしよう。
目的の場所は、まだ伊沢の両手で隠されていた。
大樹がソファの傍にしゃがみ伊沢に近づくと、ふわりと石鹸の匂いがした。
みどりが気を利かせて、伊沢を風呂に入らせたのかもしれない。まさかこんなことの為に風呂に入らされているのだとは思いもしなかっただろう。そう考えると、伊沢が少し可哀想に思えた。
外では何一つ欠点なんてない完璧な生徒会長が、家の中では姉に言われるがまま、あられもないことをさせられているなんて―――。
「いいな……この匂い。エロい感じがする」
伊沢の股間に顔を近づけ呟くと、伊沢がかっと頬を染める。
大樹は頑なに隠そうとする伊沢の両手を掴み、ゆっくりと引き剥がした。びくりと伊沢が身を強張らす。
「……っ」
縮こまった伊沢自身がようやく現れ、大樹はごくりと唾を飲み込んだ。
大樹は伊沢の両手を離さずに、掴んだまま伊沢の腹の上に乗せる。萎縮した伊沢自身にぺろりと舌を這わすと、掴んだ伊沢の手がびくりと震えた。
「ひっ」
伊沢が小さく悲鳴をあげる。
気持ちよくさせたいだけで怯えさせたいわけではないのだが、ゲイでもない人間が男にこんなことをされたら気持ち悪いだけだ。
姉の依頼とはいえ、嫌がる伊沢に大樹が無理矢理行為を強いているような、複雑な心境だ。
絵を描くからには、時間をかけた方が良いと思われる。伊沢がすぐにはイカないようにしなければならない。
大樹はあまり刺激を与えすぎないように、舐めたり口に含んだり吸ったりと、ゆっくりと優しく伊沢自身を口で愛撫した。
そのたびに、大樹に掴まれたままの伊沢の手が耐えるようにぎゅっと握り込まれるので、自然と大樹もそれを押さえ込むように掴んだ手に力を入れてしまった。
だが、大樹の心配は無用で、十分以上経っても伊沢自身は一向にその形を変えない。
「あのさぁ。会長って不感症?」
ひたすら口での奉仕が続いた為、いい加減に顎が疲れてきた。思わず不満じみた言い方で、大樹は大きな溜め息をつく。
「あら。そんなことないわよ。緊張しているのかしら」
答えたのは、みどりだった。
「別に気持ちよくさせようなんて思わなくていいのよ。その行為をしてくれさえすれば」
確かに絵を描く目的の為にしているのなら、それでいいのかもしれない。なるほど、と大樹は思う。
しかし、あまりに反応がないのも、まるで大樹がフェラチオを下手かのようで、それはそれで悔しくもなる。
実際はテクニックの問題ではなく、男にされているという不快感や怯えが、伊沢が快感を得られない理由だろう。男ならある程度弄られれば、意志とは関係なく多少なりとも反応してしまうものだが、伊沢はまったく反応がない。
状況的に仕方がないとはいえ、随分拒絶されているのだなと、大樹は残念な気持ちになった。
こんな機会はもうない。憧れの生徒会長の善がる姿を目に焼き付けて自慰のネタにしたかったが、諦めるしかないようだ。
ソファの上には汚さないためにか、バスタオルまで敷かれている。こういったことがすでに日常と化しているのが分かった。
大樹が近づくと、伊沢がびくりと震えた。
「……君は、ホモなのか?」
不安を浮かべた目で伊沢が大樹を見つめる。
正確に言えば違うが、ゲイかバイかは伊沢からすれば対して違いはない。
「まあ、そんなところです」
「………」
大樹の返答に怯えたのか、また身を竦められる。
嫌悪を感じる気持ちは分からなくもないが、少し傷付く。
この際、大樹はこの異常な状況を割り切ることにした。
あの憧れの生徒会長にフェラチオをする機会なんて、二度とない。
大樹はみどりの方を向き訊ねる。
「どういうポーズがいいですか?」
車椅子を二人の方に向けて座り、みどりは鉛筆を唇に当て考える。
「眠れるヴィーナスみたいに、ちょっと体を斜めにこちらに向けて横になってもらおうかしら。肩のあたりにクッションでも置けばいいわ。右足は立ててちょうだい」
俺は?と大樹は訊ねる。
「イツキくんは、あおが見えるようなら自由にしてくれていいわ。顔は描かないようにするから安心して」
大樹は携帯電話で検索し、このポーズをするのだと伊沢に見せる。
渋々といった様子で、右側を背凭れ側にして伊沢がソファに横たわった。その体は緊張のせいか強張っている。
ヴィーナスなんて目じゃないくらい、大樹には伊沢の裸体が綺麗に見えた。
すらりとした長身に、無駄な肉のついていない細身の体。顔と同じで均整のとれているきれいな体だ。
憧れの生徒会長の裸を見れるなんて、本来なら有り得ない。今日は十分に堪能させてもらうことにしよう。
目的の場所は、まだ伊沢の両手で隠されていた。
大樹がソファの傍にしゃがみ伊沢に近づくと、ふわりと石鹸の匂いがした。
みどりが気を利かせて、伊沢を風呂に入らせたのかもしれない。まさかこんなことの為に風呂に入らされているのだとは思いもしなかっただろう。そう考えると、伊沢が少し可哀想に思えた。
外では何一つ欠点なんてない完璧な生徒会長が、家の中では姉に言われるがまま、あられもないことをさせられているなんて―――。
「いいな……この匂い。エロい感じがする」
伊沢の股間に顔を近づけ呟くと、伊沢がかっと頬を染める。
大樹は頑なに隠そうとする伊沢の両手を掴み、ゆっくりと引き剥がした。びくりと伊沢が身を強張らす。
「……っ」
縮こまった伊沢自身がようやく現れ、大樹はごくりと唾を飲み込んだ。
大樹は伊沢の両手を離さずに、掴んだまま伊沢の腹の上に乗せる。萎縮した伊沢自身にぺろりと舌を這わすと、掴んだ伊沢の手がびくりと震えた。
「ひっ」
伊沢が小さく悲鳴をあげる。
気持ちよくさせたいだけで怯えさせたいわけではないのだが、ゲイでもない人間が男にこんなことをされたら気持ち悪いだけだ。
姉の依頼とはいえ、嫌がる伊沢に大樹が無理矢理行為を強いているような、複雑な心境だ。
絵を描くからには、時間をかけた方が良いと思われる。伊沢がすぐにはイカないようにしなければならない。
大樹はあまり刺激を与えすぎないように、舐めたり口に含んだり吸ったりと、ゆっくりと優しく伊沢自身を口で愛撫した。
そのたびに、大樹に掴まれたままの伊沢の手が耐えるようにぎゅっと握り込まれるので、自然と大樹もそれを押さえ込むように掴んだ手に力を入れてしまった。
だが、大樹の心配は無用で、十分以上経っても伊沢自身は一向にその形を変えない。
「あのさぁ。会長って不感症?」
ひたすら口での奉仕が続いた為、いい加減に顎が疲れてきた。思わず不満じみた言い方で、大樹は大きな溜め息をつく。
「あら。そんなことないわよ。緊張しているのかしら」
答えたのは、みどりだった。
「別に気持ちよくさせようなんて思わなくていいのよ。その行為をしてくれさえすれば」
確かに絵を描く目的の為にしているのなら、それでいいのかもしれない。なるほど、と大樹は思う。
しかし、あまりに反応がないのも、まるで大樹がフェラチオを下手かのようで、それはそれで悔しくもなる。
実際はテクニックの問題ではなく、男にされているという不快感や怯えが、伊沢が快感を得られない理由だろう。男ならある程度弄られれば、意志とは関係なく多少なりとも反応してしまうものだが、伊沢はまったく反応がない。
状況的に仕方がないとはいえ、随分拒絶されているのだなと、大樹は残念な気持ちになった。
こんな機会はもうない。憧れの生徒会長の善がる姿を目に焼き付けて自慰のネタにしたかったが、諦めるしかないようだ。
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