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レイモンド視点
リリアンは私以外の親しい者と話す時は楽しそうにくだけた話し方をする。
仕事帰り、おそらくバーにいるはずだと迎えにくればやはり楽しそうだ。
「私もアレックス様は大好きな友達よ。
それでね、スタンリー伯爵領に次の店舗が出せないか相談したらアレックス様が案内してくれるって。
でもあそこまで行くには日帰りは無理でしょう?
最低でも一泊はしないと…。」
何を馬鹿な事を。
全身の血の気が引く。
レナードを行かせる話だったらしいがアレックスとは北部でどんな関係だったのだろう。
深い関係になっていてもおかしくはない。
傷ついたリリアンを慰める存在だったかもしれない。
苦しい。
また暗い感情が込み上げてくる。
彼女を抱きたい。
激しく犯して私の存在を身体に刻みたい。
逃げられぬよう縛り付け閉じ込めて誰の目にも触れぬようにしたい。
また嫉妬に駈られてひどい仕打ちをしてしまいそうだ。
どうしたらいい。
どうしようもなく喉が乾いてしまっているかのようにリリアンが欲しい。
「なんだか怒ってます?アレックス様とはそんな関係じゃないですよ?」
いけない。不安にさせてしまった。
「いや…君を疑っているわけではない。」
そうだリリアンがそんな女じゃない事くらいわかっている。
全部私の嫉妬からくる妄想だ。
「こっちに来てくれないか?」
馬車で向かい合わせに座っていたのを隣にくるよう促す。
立ち上がるリリアンに手をかす。
細い小さな手。思わず引き寄せた。
「きゃっ!」
驚いて小さく悲鳴をあげた。
そのまま膝に乗せて抱きしめた。
久しぶりに抱いた肩は細く柔らかでこんなに強く抱きしめては壊れてしまいそうだ。
力を少し緩め、
「しばらくこのままで聞いてくれないか?
…聞けば君は私からまた離れてしまうかもしれない。
それくらい重い話なのだが…。」
「…はい。」
薄暗い馬車の中、ランプに照らされた白い首筋が艶かしく私を誘惑する。
「君を疑ってはいないのだ。
ただ私は嫉妬深い。それも異常なほど。
ありもしない妄想で苦しみ、君を独占したくなる。
君を初めて犯した時はカイル殿下に嫉妬した。 君が彼の結婚を悲しんでいると思ったのだ。
あの時は私は君に好かれてはいないと思っていたから、どうしようもなく腹立たしくて私以外の何も考えられないくらい痛め付けたくなってしまった。
すまなかった。
今も君を信じているのに、アレックスに抱かれる君を妄想してしまうのだ。
アレックスだけじゃない、クランセン侯爵やトゥーイ、レナードにも嫉妬する。
いっその事、君をどこか誰の目にも触れない場所に隠してしまいたいほど。
君に変態だと言われ捨てられて省みると私には確かに異常性癖がある。
自分でもおぞましいのだ、君はさぞかし恐ろしかっただろう。
こんな私をどう思うか教えてくれないか?」
言ってしまった。
もうおしまいかもしれない。
リリアンは私以外の親しい者と話す時は楽しそうにくだけた話し方をする。
仕事帰り、おそらくバーにいるはずだと迎えにくればやはり楽しそうだ。
「私もアレックス様は大好きな友達よ。
それでね、スタンリー伯爵領に次の店舗が出せないか相談したらアレックス様が案内してくれるって。
でもあそこまで行くには日帰りは無理でしょう?
最低でも一泊はしないと…。」
何を馬鹿な事を。
全身の血の気が引く。
レナードを行かせる話だったらしいがアレックスとは北部でどんな関係だったのだろう。
深い関係になっていてもおかしくはない。
傷ついたリリアンを慰める存在だったかもしれない。
苦しい。
また暗い感情が込み上げてくる。
彼女を抱きたい。
激しく犯して私の存在を身体に刻みたい。
逃げられぬよう縛り付け閉じ込めて誰の目にも触れぬようにしたい。
また嫉妬に駈られてひどい仕打ちをしてしまいそうだ。
どうしたらいい。
どうしようもなく喉が乾いてしまっているかのようにリリアンが欲しい。
「なんだか怒ってます?アレックス様とはそんな関係じゃないですよ?」
いけない。不安にさせてしまった。
「いや…君を疑っているわけではない。」
そうだリリアンがそんな女じゃない事くらいわかっている。
全部私の嫉妬からくる妄想だ。
「こっちに来てくれないか?」
馬車で向かい合わせに座っていたのを隣にくるよう促す。
立ち上がるリリアンに手をかす。
細い小さな手。思わず引き寄せた。
「きゃっ!」
驚いて小さく悲鳴をあげた。
そのまま膝に乗せて抱きしめた。
久しぶりに抱いた肩は細く柔らかでこんなに強く抱きしめては壊れてしまいそうだ。
力を少し緩め、
「しばらくこのままで聞いてくれないか?
…聞けば君は私からまた離れてしまうかもしれない。
それくらい重い話なのだが…。」
「…はい。」
薄暗い馬車の中、ランプに照らされた白い首筋が艶かしく私を誘惑する。
「君を疑ってはいないのだ。
ただ私は嫉妬深い。それも異常なほど。
ありもしない妄想で苦しみ、君を独占したくなる。
君を初めて犯した時はカイル殿下に嫉妬した。 君が彼の結婚を悲しんでいると思ったのだ。
あの時は私は君に好かれてはいないと思っていたから、どうしようもなく腹立たしくて私以外の何も考えられないくらい痛め付けたくなってしまった。
すまなかった。
今も君を信じているのに、アレックスに抱かれる君を妄想してしまうのだ。
アレックスだけじゃない、クランセン侯爵やトゥーイ、レナードにも嫉妬する。
いっその事、君をどこか誰の目にも触れない場所に隠してしまいたいほど。
君に変態だと言われ捨てられて省みると私には確かに異常性癖がある。
自分でもおぞましいのだ、君はさぞかし恐ろしかっただろう。
こんな私をどう思うか教えてくれないか?」
言ってしまった。
もうおしまいかもしれない。
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