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クラウディア視点
アディール王国は独自の文化を持ち、あまり他の国と国交を持たない。
帝国はアディールを侵略しない約束の代わりにアディールで取れる魔石を提供してもらっている。
代々女王が治めていることから女性の地位のほうが高いのかもしれない。
時折、労働力が欲しいらしく帝国の犯罪奴隷を買い取っていく事などからどん底まで墜ちた人間の行着く所と知られている。だから蛮族の国などと呼ぶ者がいるのだ。
アレン殿下もそのような地へ送られる事から貴族達は口では祝うが、何か仕出かしたと感じとっただろう。その後、アレン殿下は元から居なかったような扱いにされてしまった。
出立の前夜、カイル殿下の手引きで俺とリリアンはアレン殿下に会う事ができた。
アレン殿下は自分の宮で幽閉されていた。
「お前ら、いい気味だと笑いに来たのか?」
服は着崩し、髪もぼさぼさですっかりやさぐれていたが逆に以前よりしっくりくる、
「お前、そっちのほうがいい感じだぞ。」
「ハッ!今さら機嫌を取る必要が?もう終わりだ、お前らの勝ちだよ。
カイルも転生者なのか?」
「いや、違う。
お前なら知ってるだろうが、カイル殿下は甘やかされるだけで陛下も皇后にも関心を持たれていなかった。
俺は大人の記憶があるため、放ってはおけなかっただけだ。」
「原作ではそのまま育ちろくな皇子にならなかった…クラウディアに愛されるはずもない。
カイルを愛しているのか?」
「いや、男は無理。」
「そう言やお前『俺』って、おなべか?」
「まあな、前世が男だったんだ。」
「は?あははははっ!どうりで、俺に惚れないわけだ!」
「いや、女でも惚れんぞ?」
「まさかリリアンも男か?」
リリアンは俺の影に隠れるように睨んでいた。口も利きたくないようだ。
「いや、だけどお前の作った男に都合がいいだけの女じゃない。」
「…悪かったよ。俺も焦ってたんだ。原作通りに話が進まなくて。
なあ、助けてくれないか?」
「その事なんだが、お前女とやるのは好きだろう?」
「う…まあ…そうだな。」
「ならアディールには行ったほうがいいぞ。
あそこの文化はあまり知らされていないが、お前は王配として送られる他に、第四、第五、第八王女の夫としても受け入れられるそうだ。」
「何そのハーレム。」
「アディールは男児が生まれにくく、男女比は一対五なんだ。」
「…比率足らんが?」
「残り四割は謎だ。とにかくそんな訳で種が、特に高貴な種が欲しいらしい。」
「そ…それは…。」
いやらしい笑みを浮かべるアレン殿下は喜びを隠しきれないようだ。
アディール王国は独自の文化を持ち、あまり他の国と国交を持たない。
帝国はアディールを侵略しない約束の代わりにアディールで取れる魔石を提供してもらっている。
代々女王が治めていることから女性の地位のほうが高いのかもしれない。
時折、労働力が欲しいらしく帝国の犯罪奴隷を買い取っていく事などからどん底まで墜ちた人間の行着く所と知られている。だから蛮族の国などと呼ぶ者がいるのだ。
アレン殿下もそのような地へ送られる事から貴族達は口では祝うが、何か仕出かしたと感じとっただろう。その後、アレン殿下は元から居なかったような扱いにされてしまった。
出立の前夜、カイル殿下の手引きで俺とリリアンはアレン殿下に会う事ができた。
アレン殿下は自分の宮で幽閉されていた。
「お前ら、いい気味だと笑いに来たのか?」
服は着崩し、髪もぼさぼさですっかりやさぐれていたが逆に以前よりしっくりくる、
「お前、そっちのほうがいい感じだぞ。」
「ハッ!今さら機嫌を取る必要が?もう終わりだ、お前らの勝ちだよ。
カイルも転生者なのか?」
「いや、違う。
お前なら知ってるだろうが、カイル殿下は甘やかされるだけで陛下も皇后にも関心を持たれていなかった。
俺は大人の記憶があるため、放ってはおけなかっただけだ。」
「原作ではそのまま育ちろくな皇子にならなかった…クラウディアに愛されるはずもない。
カイルを愛しているのか?」
「いや、男は無理。」
「そう言やお前『俺』って、おなべか?」
「まあな、前世が男だったんだ。」
「は?あははははっ!どうりで、俺に惚れないわけだ!」
「いや、女でも惚れんぞ?」
「まさかリリアンも男か?」
リリアンは俺の影に隠れるように睨んでいた。口も利きたくないようだ。
「いや、だけどお前の作った男に都合がいいだけの女じゃない。」
「…悪かったよ。俺も焦ってたんだ。原作通りに話が進まなくて。
なあ、助けてくれないか?」
「その事なんだが、お前女とやるのは好きだろう?」
「う…まあ…そうだな。」
「ならアディールには行ったほうがいいぞ。
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「アディールは男児が生まれにくく、男女比は一対五なんだ。」
「…比率足らんが?」
「残り四割は謎だ。とにかくそんな訳で種が、特に高貴な種が欲しいらしい。」
「そ…それは…。」
いやらしい笑みを浮かべるアレン殿下は喜びを隠しきれないようだ。
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