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リリアン視点
おばあ様にレイモンド様とお付き合いする事を告げた。
「侯爵家の方と結婚出来るとは思えません。
ふしだらな娘だとお怒りになられても、私はレイモンド様の側にいたいのです。」
期限つきだとは言えなかった。
側にいたいという気持ちが本当だから。
「何を言っているんだい、お前が好きならその人の側が一番幸せだろう?お前の好きなように生きなさい。それを見守るのが私の幸せなんだよ。」
そう笑ってくれた。
その二日後、パーティーの招待状とドレスやアクセサリー、カシミアのコートなどが届けられた。
淡いピンクのドレスにトパーズのネックレス。
その日迎えに来て下さったレイモンド様もお揃いのトパーズのカフスをしていた。
「君の瞳の色だと思って揃いにしてみたよ。」
「ありがとうございます。」
お揃いの物を身に着けていると恋人感が増す。
会場にはクラウディア様達もいた。
カイル殿下はちょっと複雑な面持ちで、
「リリアン、とても綺麗だね。
レイモンド殿、リリアンを…私が言う事では無いが、大切にしてあげて下さい。」
「そうですね。カイル殿下は妹を大切にして下さい。」
妙な空気にクラウディア様と顔を見合わせて苦笑いした。
それからは三日と空けずにパーティー三昧。
その度に新しいドレスが贈られてくる。
五度目のパーティーで迎えに来たレイモンド様の手には真っ白なモコモコが?何?
「やっと純白のシルバーフォックスのコートが出来上がってきたよ。」
ふわりと肩に掛けてくれた。
「ああ、やっぱりリリアンには白がよく似合いますね。」
嬉しいけれど毎回毎回こんなにプレゼントをもらっては申し訳無い。
「あの…レイモンド様。プレゼントは大変嬉しいのですがもうたくさんあるので大丈夫です。」
正直我が家の小さなクローゼットには入りきらないし、高価なアクセサリーは保管が心配だった。
「君はレイモンド・ヴァンヴェルート・ザカリーの恋人なのですよ?同じドレスを二度着るなど私に恥をかかせるのですか?」
レイモンド様は表情が読み取りにくい。
「えっ?え?」
怒っているの?
「ああ、そういう事ですか?」
何?
「クローゼットに入りきらないのですね?」
「え?なぜおわかりに?でも、そういう意味じゃないんです、ご迷惑じゃないかと…。」
「ええ、迷惑ですね。」
やっぱり。
「あんなに小さな邸ではすぐに私からの貢物で溢れかえってしまいますからね。」
「すみません…。」
「でも心配要りません。年明けにはもう少し大きな邸をプレゼントしますから。」
「ええっ?困ります、困りますっ!そんな事までしてもらうわけには!」
「ああ、新築ではないので気に入らないのですね。許して下さい、すぐにでも警備の行き届いた邸に移って欲しかったので。」
「違うっ!そうじゃないのっ!」
話がまるで通じない。
お金持ちすぎで感覚が違うの?
「レイモンド・ヴァンヴェルート・ザカリーの恋人になるという事はこういう事なのですよ。」
手の甲に口付けをし、ニヤリと笑った。
からかってるの?
おばあ様にレイモンド様とお付き合いする事を告げた。
「侯爵家の方と結婚出来るとは思えません。
ふしだらな娘だとお怒りになられても、私はレイモンド様の側にいたいのです。」
期限つきだとは言えなかった。
側にいたいという気持ちが本当だから。
「何を言っているんだい、お前が好きならその人の側が一番幸せだろう?お前の好きなように生きなさい。それを見守るのが私の幸せなんだよ。」
そう笑ってくれた。
その二日後、パーティーの招待状とドレスやアクセサリー、カシミアのコートなどが届けられた。
淡いピンクのドレスにトパーズのネックレス。
その日迎えに来て下さったレイモンド様もお揃いのトパーズのカフスをしていた。
「君の瞳の色だと思って揃いにしてみたよ。」
「ありがとうございます。」
お揃いの物を身に着けていると恋人感が増す。
会場にはクラウディア様達もいた。
カイル殿下はちょっと複雑な面持ちで、
「リリアン、とても綺麗だね。
レイモンド殿、リリアンを…私が言う事では無いが、大切にしてあげて下さい。」
「そうですね。カイル殿下は妹を大切にして下さい。」
妙な空気にクラウディア様と顔を見合わせて苦笑いした。
それからは三日と空けずにパーティー三昧。
その度に新しいドレスが贈られてくる。
五度目のパーティーで迎えに来たレイモンド様の手には真っ白なモコモコが?何?
「やっと純白のシルバーフォックスのコートが出来上がってきたよ。」
ふわりと肩に掛けてくれた。
「ああ、やっぱりリリアンには白がよく似合いますね。」
嬉しいけれど毎回毎回こんなにプレゼントをもらっては申し訳無い。
「あの…レイモンド様。プレゼントは大変嬉しいのですがもうたくさんあるので大丈夫です。」
正直我が家の小さなクローゼットには入りきらないし、高価なアクセサリーは保管が心配だった。
「君はレイモンド・ヴァンヴェルート・ザカリーの恋人なのですよ?同じドレスを二度着るなど私に恥をかかせるのですか?」
レイモンド様は表情が読み取りにくい。
「えっ?え?」
怒っているの?
「ああ、そういう事ですか?」
何?
「クローゼットに入りきらないのですね?」
「え?なぜおわかりに?でも、そういう意味じゃないんです、ご迷惑じゃないかと…。」
「ええ、迷惑ですね。」
やっぱり。
「あんなに小さな邸ではすぐに私からの貢物で溢れかえってしまいますからね。」
「すみません…。」
「でも心配要りません。年明けにはもう少し大きな邸をプレゼントしますから。」
「ええっ?困ります、困りますっ!そんな事までしてもらうわけには!」
「ああ、新築ではないので気に入らないのですね。許して下さい、すぐにでも警備の行き届いた邸に移って欲しかったので。」
「違うっ!そうじゃないのっ!」
話がまるで通じない。
お金持ちすぎで感覚が違うの?
「レイモンド・ヴァンヴェルート・ザカリーの恋人になるという事はこういう事なのですよ。」
手の甲に口付けをし、ニヤリと笑った。
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