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51 嫉妬 王様視点
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もうすぐ高等学校であるルミナス学園へ入学する。
歴代の王族は体が弱かったせいか学校には行っていない。
だけど僕は無理を言って学校に行かせてもらう事にした。
だってレティと同じ学年になれるんだから。
久しぶりに会ったレティは相変わらずかわいかった。いや、かわいいだけじゃなくて、綺麗になった。
ハチミツ色に波打つ髪は腰まで伸びて背丈もすらりと伸びた。
あんなに美しく育ったレティを悪女だとゴシップ紙が書き立てた。僕と踊ったばっかりに。
きっとロズウェル侯爵の仕業だろう。
グロリアよりもレティが目立ってしまったから。
だって仕方がないじゃないか、グロリアは目立つのが嫌なのかいつも地味な格好を好む。
今時の同じ年頃の令嬢達は皆、華やかなのに。
それもレティの兄上が経営しているこれまでには無かった、少女向けのブランドが脚光を浴びているからだろう。
レティはそこでモデルなんて事をしている。
ただでさえモテるのに、あんな事してたらますますライバルが増えるじゃないか。
レティの載っているファッション雑誌は毎月こっそりロレンスに買ってきてもらっている。
今月号も、もう出ているはずなのに、
「ロレンス、例の本は?」
「あー…買ってはあるのですが…。」
持ってきてもなかなか手渡さない。
「何?」
「その…気分を害されませんように。」
何だと言うのだ?
ページをめくるとロレンスが躊躇う理由がわかった。
「少々、間違いがあったようです。」
ボートに乗ってデートしているのは僕じゃなくてロレンスになっていた。
だからか、レティが複数の男性と親しくしているなんてゴシップに書かれてしまったのは。
でも確かにレティは他の男性と気軽に話をしてしまう。それはやましい下心なんか無いのはわかっているけど、貴族の淑女としては正しくない。はっきり言ってやめてほしい。本音を言えば僕だけと親しくするべきだ。
「ロレンス…どういうことなのだろうね。ボートに乗ったのは確かに僕なのに。これを描いた画家は僕よりロレンスのほうがレティに似合うとでも言いたいのだろうか。それともレティが画家に本当はロレンスと乗りたかったとでも言ったのだろうか?それとも…(ネチネチネチネチ)」
そうだ、僕は嫉妬深い。
自分でも多少異常さは感じている。
だけどそれで生きる意欲がわいてくるんだからしょうがない。
レティに誉めてもらうにはどうしたらいいか。
レティに好かれるにはどうしたらいいか。
レティに嫌われないようにするにはどうしたらいいか。
レティに…レティに…。
レティが北部に帰ってから僕は必死に生きた。
体力をつけて、学んで。
僕の全てはレティを中心に回っている。
レティは王として僕が立派に育つのを願っている。それは叔父上の願いでもあるから。
そして今はなぜか叔父上の公爵邸で暮らしている。
叔父上は先日結婚したばかりだし、レティとは年が離れすぎているから大丈夫だと思っていたのに、先日参考までにどんなタイプが好きかと聞いたら侍従長(58歳)だと言うじゃないか!
確かに尊敬出来る人物だよ。
おまけに、公爵邸のジュリアーノ執事(63歳)も好きだと。
困惑したが冷静になって考えた。
レティは両親を早くに亡くし、お祖父様に育てられたのだった。リノス男爵は領民に慕われる立派な人だと聞く。
きっとレティはお祖父様をとても尊敬し、愛しているのだろう。
その姿を老執事達に重ねているのではないだろうか。
うん、きっとそうだ。
レティはまだ 子 供 だから、恋とか愛とかなんてわからないんだ。
僕が告白した時だってなんか冷静だったのはそんなに真剣に受け止める事が出来ないんだ。
学園で共に学び、もう弱々しい僕ではない事を知ってもらいたい。一人の男として僕を意識してもらえるようにならないとな。
歴代の王族は体が弱かったせいか学校には行っていない。
だけど僕は無理を言って学校に行かせてもらう事にした。
だってレティと同じ学年になれるんだから。
久しぶりに会ったレティは相変わらずかわいかった。いや、かわいいだけじゃなくて、綺麗になった。
ハチミツ色に波打つ髪は腰まで伸びて背丈もすらりと伸びた。
あんなに美しく育ったレティを悪女だとゴシップ紙が書き立てた。僕と踊ったばっかりに。
きっとロズウェル侯爵の仕業だろう。
グロリアよりもレティが目立ってしまったから。
だって仕方がないじゃないか、グロリアは目立つのが嫌なのかいつも地味な格好を好む。
今時の同じ年頃の令嬢達は皆、華やかなのに。
それもレティの兄上が経営しているこれまでには無かった、少女向けのブランドが脚光を浴びているからだろう。
レティはそこでモデルなんて事をしている。
ただでさえモテるのに、あんな事してたらますますライバルが増えるじゃないか。
レティの載っているファッション雑誌は毎月こっそりロレンスに買ってきてもらっている。
今月号も、もう出ているはずなのに、
「ロレンス、例の本は?」
「あー…買ってはあるのですが…。」
持ってきてもなかなか手渡さない。
「何?」
「その…気分を害されませんように。」
何だと言うのだ?
ページをめくるとロレンスが躊躇う理由がわかった。
「少々、間違いがあったようです。」
ボートに乗ってデートしているのは僕じゃなくてロレンスになっていた。
だからか、レティが複数の男性と親しくしているなんてゴシップに書かれてしまったのは。
でも確かにレティは他の男性と気軽に話をしてしまう。それはやましい下心なんか無いのはわかっているけど、貴族の淑女としては正しくない。はっきり言ってやめてほしい。本音を言えば僕だけと親しくするべきだ。
「ロレンス…どういうことなのだろうね。ボートに乗ったのは確かに僕なのに。これを描いた画家は僕よりロレンスのほうがレティに似合うとでも言いたいのだろうか。それともレティが画家に本当はロレンスと乗りたかったとでも言ったのだろうか?それとも…(ネチネチネチネチ)」
そうだ、僕は嫉妬深い。
自分でも多少異常さは感じている。
だけどそれで生きる意欲がわいてくるんだからしょうがない。
レティに誉めてもらうにはどうしたらいいか。
レティに好かれるにはどうしたらいいか。
レティに嫌われないようにするにはどうしたらいいか。
レティに…レティに…。
レティが北部に帰ってから僕は必死に生きた。
体力をつけて、学んで。
僕の全てはレティを中心に回っている。
レティは王として僕が立派に育つのを願っている。それは叔父上の願いでもあるから。
そして今はなぜか叔父上の公爵邸で暮らしている。
叔父上は先日結婚したばかりだし、レティとは年が離れすぎているから大丈夫だと思っていたのに、先日参考までにどんなタイプが好きかと聞いたら侍従長(58歳)だと言うじゃないか!
確かに尊敬出来る人物だよ。
おまけに、公爵邸のジュリアーノ執事(63歳)も好きだと。
困惑したが冷静になって考えた。
レティは両親を早くに亡くし、お祖父様に育てられたのだった。リノス男爵は領民に慕われる立派な人だと聞く。
きっとレティはお祖父様をとても尊敬し、愛しているのだろう。
その姿を老執事達に重ねているのではないだろうか。
うん、きっとそうだ。
レティはまだ 子 供 だから、恋とか愛とかなんてわからないんだ。
僕が告白した時だってなんか冷静だったのはそんなに真剣に受け止める事が出来ないんだ。
学園で共に学び、もう弱々しい僕ではない事を知ってもらいたい。一人の男として僕を意識してもらえるようにならないとな。
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