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24 王太后の決意(3)
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ロゼッタの治療はいつものように傷の表面だけをきれいに取り繕うだけ。
「あーあ汚い、アメリア様がちゃんとして下さらないから私達がこんな物片付けなくちゃならないんですよ。」
「恨まないで下さいね、私達だって好きでやってるわけじゃないんですよ。」
そう言ってるけど私が打たれている時にニヤニヤしてたじゃない。
ぐったりしている私が気を失っていると思ったのか二人は話続ける。
このような酷い躾をされる時はいつもロゼッタともう一人侯爵家から共に来たメイドのメルローズが立ち会う。
「それにしても、今日の躾はいつもにも増してキツかったわね。」
「あれはね、嫉妬よ。あの方は本気でフィリップス王子は本当は自分と結婚したがってると思ってるの。」
「嘘!」
「本当よ、おまけにレオンハルト様の事も、あんなに敵対視してるように言ってたけど、いつもうっとりいやらしい目で見てるんだから。」
「やだ~。」
小声で話し、クスクスと笑い合う。
誰も助けてくれない後宮で次第に諦める事に慣れていった。
王妃になり、王子も産まれたが毎日息をひそめて生きていた。
フィリップス王子は相変わらずお体が弱く臥せりがち。レオンハルト様は魔王討伐にお忙しい日々を過ごされていた。
そしてとうとうお別れの時、フィリップス王子は、
「どうかレオを、弟をもっと信用して、頼りにしてくれ。レオは私が唯一信頼するものだ。」
「…はい。」
返事はしたものの、私にはもう何をどうしたら良いのか自分では判断出来なくなっていた。
王子は幼く病弱な国王となったが、侍医に長くは生きられないと言われていた。
だか、一ヶ月ほど前にレオンハルト様が連れてきた少女が奇跡をおこした。
皆が諦めようとしていた時に現れ、眩い光を放ち王様を治癒し、私の体の古傷までも治したのだ。
この娘なら王様を救ってくれるかもしれない。
怖かったけど、クロッカス夫人の前に立ちふさがった。この娘に最後の望みを託そう。
案の定部屋に戻ると折檻された。
扇子で頬を殴られ口の中が切れ血が出たが、私は間違ってはいなかった。
王様の専属侍女となったエミリが教えてくれた。王様は日に日に元気になっておられると。
一ヶ月たった今も頬は少し腫れて痛むけれどあの時勇気を出して良かった。隣には今日もイライラしているクロッカス夫人がいるけど。
ふと、遠くから子供の声が聞こえた。
「母上!母上~!」
「お…お、何て事!」
あれは我が子ではないか?王様が走ってる!あんなに大きな声を出して、笑いながら走っている!
嬉しさがこみ上げて、涙が溢れる。
「母上、見てくれましたか?こんなに元気に…。」
王様が話終わるのをまたずにクロッカス夫人が二人に歩みより、いきなりレティシアの頬を打った。
「この無礼者!その薄汚い手を離しなさい!」
レティシアはひるまずにらみ返す。
「打ったね。」
「それがどうした!そのお手はそなたのような下賎な者が触れてよいものではないわ!」
だめ、エミリから聞いた話では繋いだ手から魔力を送り回復しているのだから。
それなのに、もう一度大きく手を振り上げ容赦なく打つ。
「二度もぶったね!お兄様にもぶたれたことないのに!」
こんな幼い娘になんて事を。
王様が心配そうに、
「レ…レティシア、大丈夫?」
「さあ王様、こちらへ。お手が穢れます。」
王様を抱き寄せるように手をまわすが、レティシアは譲らず手を強く握る。
「だめ!臭い手で王様に触らないで!王様は私とクロッカス夫人どっちがいいの?」
「えっと、レティシアかな。」
クロッカス夫人の顔がみるみる赤くなり、わなわなと震えながら、
「このっ!王様の寵愛があるからと頭にのりおって!」
また手を振り上げる、
「まだ打つ気?あんた王様の寵愛の恐ろしさを知らないようね?」
「なんだと?」
わざとらしく甘えるように体をくねらせながら、
「ねぇ~王様ぁ。この国で一番偉いのは誰?」
「…僕だと思う。」
「じゃあ~その次は?」
「?母上か叔父上?」
「そうよね。で、その次くらいに偉いのはこの私よ。」
この状況で何を言ってるのこの娘は。ふんぞり返って挑発するように、
「この女は王様の大事なものを傷つけたのよ?罰を受けるべきじゃない?」
何?怖いもの知らずなの?
王様は状況が飲み込めずただおろおろするばかり。
「この城の賓客である私を打ったのよ?王様として威厳を見せなきゃ!捕らえる?百叩き?それとも首をはねる?」
「なっ、なんとゆう横暴!このような卑しい者の言う事に耳をかされてはなりません!」
「どっちが横暴よ!あんたのやってること全部知ってるのよ?」
何が起こっているの?王様を引っ張りあってどちらも退かない。翻弄されているクロッカス夫人を見ているとだんだんとおかしくなってきた。
「ぷっ、あははは!あーはははははっ!」
バカみたいバカみたいバカみたい!
私ったら何で今までこんな薄汚い老婆が怖かったの?
こんな小さな娘が戦っているというのに。
「なっ!王太后様、気でもふれたのですかっ!」
「黙りなさい。もうあなたの思い通りになんてならない!」
私は変わらなければならない。
「あーあ汚い、アメリア様がちゃんとして下さらないから私達がこんな物片付けなくちゃならないんですよ。」
「恨まないで下さいね、私達だって好きでやってるわけじゃないんですよ。」
そう言ってるけど私が打たれている時にニヤニヤしてたじゃない。
ぐったりしている私が気を失っていると思ったのか二人は話続ける。
このような酷い躾をされる時はいつもロゼッタともう一人侯爵家から共に来たメイドのメルローズが立ち会う。
「それにしても、今日の躾はいつもにも増してキツかったわね。」
「あれはね、嫉妬よ。あの方は本気でフィリップス王子は本当は自分と結婚したがってると思ってるの。」
「嘘!」
「本当よ、おまけにレオンハルト様の事も、あんなに敵対視してるように言ってたけど、いつもうっとりいやらしい目で見てるんだから。」
「やだ~。」
小声で話し、クスクスと笑い合う。
誰も助けてくれない後宮で次第に諦める事に慣れていった。
王妃になり、王子も産まれたが毎日息をひそめて生きていた。
フィリップス王子は相変わらずお体が弱く臥せりがち。レオンハルト様は魔王討伐にお忙しい日々を過ごされていた。
そしてとうとうお別れの時、フィリップス王子は、
「どうかレオを、弟をもっと信用して、頼りにしてくれ。レオは私が唯一信頼するものだ。」
「…はい。」
返事はしたものの、私にはもう何をどうしたら良いのか自分では判断出来なくなっていた。
王子は幼く病弱な国王となったが、侍医に長くは生きられないと言われていた。
だか、一ヶ月ほど前にレオンハルト様が連れてきた少女が奇跡をおこした。
皆が諦めようとしていた時に現れ、眩い光を放ち王様を治癒し、私の体の古傷までも治したのだ。
この娘なら王様を救ってくれるかもしれない。
怖かったけど、クロッカス夫人の前に立ちふさがった。この娘に最後の望みを託そう。
案の定部屋に戻ると折檻された。
扇子で頬を殴られ口の中が切れ血が出たが、私は間違ってはいなかった。
王様の専属侍女となったエミリが教えてくれた。王様は日に日に元気になっておられると。
一ヶ月たった今も頬は少し腫れて痛むけれどあの時勇気を出して良かった。隣には今日もイライラしているクロッカス夫人がいるけど。
ふと、遠くから子供の声が聞こえた。
「母上!母上~!」
「お…お、何て事!」
あれは我が子ではないか?王様が走ってる!あんなに大きな声を出して、笑いながら走っている!
嬉しさがこみ上げて、涙が溢れる。
「母上、見てくれましたか?こんなに元気に…。」
王様が話終わるのをまたずにクロッカス夫人が二人に歩みより、いきなりレティシアの頬を打った。
「この無礼者!その薄汚い手を離しなさい!」
レティシアはひるまずにらみ返す。
「打ったね。」
「それがどうした!そのお手はそなたのような下賎な者が触れてよいものではないわ!」
だめ、エミリから聞いた話では繋いだ手から魔力を送り回復しているのだから。
それなのに、もう一度大きく手を振り上げ容赦なく打つ。
「二度もぶったね!お兄様にもぶたれたことないのに!」
こんな幼い娘になんて事を。
王様が心配そうに、
「レ…レティシア、大丈夫?」
「さあ王様、こちらへ。お手が穢れます。」
王様を抱き寄せるように手をまわすが、レティシアは譲らず手を強く握る。
「だめ!臭い手で王様に触らないで!王様は私とクロッカス夫人どっちがいいの?」
「えっと、レティシアかな。」
クロッカス夫人の顔がみるみる赤くなり、わなわなと震えながら、
「このっ!王様の寵愛があるからと頭にのりおって!」
また手を振り上げる、
「まだ打つ気?あんた王様の寵愛の恐ろしさを知らないようね?」
「なんだと?」
わざとらしく甘えるように体をくねらせながら、
「ねぇ~王様ぁ。この国で一番偉いのは誰?」
「…僕だと思う。」
「じゃあ~その次は?」
「?母上か叔父上?」
「そうよね。で、その次くらいに偉いのはこの私よ。」
この状況で何を言ってるのこの娘は。ふんぞり返って挑発するように、
「この女は王様の大事なものを傷つけたのよ?罰を受けるべきじゃない?」
何?怖いもの知らずなの?
王様は状況が飲み込めずただおろおろするばかり。
「この城の賓客である私を打ったのよ?王様として威厳を見せなきゃ!捕らえる?百叩き?それとも首をはねる?」
「なっ、なんとゆう横暴!このような卑しい者の言う事に耳をかされてはなりません!」
「どっちが横暴よ!あんたのやってること全部知ってるのよ?」
何が起こっているの?王様を引っ張りあってどちらも退かない。翻弄されているクロッカス夫人を見ているとだんだんとおかしくなってきた。
「ぷっ、あははは!あーはははははっ!」
バカみたいバカみたいバカみたい!
私ったら何で今までこんな薄汚い老婆が怖かったの?
こんな小さな娘が戦っているというのに。
「なっ!王太后様、気でもふれたのですかっ!」
「黙りなさい。もうあなたの思い通りになんてならない!」
私は変わらなければならない。
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