戦鬼は無理なので

あさいゆめ

文字の大きさ
上 下
68 / 112

68

しおりを挟む
   マティアス視点

 拾ったリタ嬢の怪しいくいかがわしいメモ。
 これは噂に聞く男同士の睦事。
 けしからぬ、という気持ちより多少興味が勝った。なにせメモには私とシオンらしき人物が多く描かれていたから。
 押収されたものから小説を探しだし読んだ。
 切ない。
 なんでどれもこれも結ばれない?
 で、最後にだいたいシオンが死んだり姿を消したりする…泣ける。
 書きかけの物もあった。せめてこれはハッピーエンドにしてくれ。
 そして私だ。屑すぎる。シオンの想いを利用して邪魔者を消したり弄んだり黒すぎる。
 私はこのようなイメージなのだろうか?
 目の前で土下座する令嬢…。やはりそういうイメージなのか。
「令嬢…とりあえず座って下さい。」
「…はい。」
 軽やかな土下座に怒る気は失せた。
「あなたに課する罰ですが…婚約でどうですか?」
「…は?」
「私はたいへんあなたが気に入りました。」
 これは本当だ。
「書きかけの話も気になりますし。」
 これも本当。
「次はハッピーエンドでお願いします。できたら私のイメージアップもお願いします。」
 本当に。
「正直に話ますと、国政に専念したいため結婚はしばらく考えておりません。令嬢には申し訳ないが婚約者のふりをしていただきたい。」
 これが本音。
 何を言ってるのか理解しがたいようだ。
「あの…いずれ解消したいという事でございますよね?でも…こんな事言いにくいんですが、殿下はアレクサンドリア様とも婚約解消されていますわよね?わたくしが言えた事ではございませんが益々殿下の男色疑惑が…。」
 なんと?
「そんな噂が?」
「殿下は女性とおられるより騎士団の方々とご一緒されるほうが楽しそうなご様子ですもの。」
 まあ確かにそうかも。
「もちろんわたくしはそんな噂信じてませんわ。」
 あのような小説を書いておいて?
「殿下には筋肉ゴリラは似合いませんもの!わたくしが求める耽美には、やはりアレクシオン様のような影のある傷とか吐血が似合う少し病んでいるような方がお似合いですわ。」
 病んでいるのは君だよ?
「ところで、小説には濡れ場があるがあのようなシーンはどのように?まさか見たわけではないだろう?」
「そんなわけございませんわ。女の子はいつでも耳年増なんですぅ!」
 かなり詳細であったが?恐ろしいな女の子。
「小説では私が受け入れる側の設定が多いようだが、シオンのは大きすぎてアレはたぶん入らぬぞ?」
 なんだ?真っ赤になって。
「…っそんなリアルな情報いりませんっっ!」
 おもしろい。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

私の彼氏は義兄に犯され、奪われました。

天災
BL
 私の彼氏は、義兄に奪われました。いや、犯されもしました。

推しに監禁され、襲われました

天災
BL
 押しをストーカーしただけなのに…

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

嫌がる繊細くんを連続絶頂させる話

てけてとん
BL
同じクラスの人気者な繊細くんの弱みにつけこんで何度も絶頂させる話です。結構鬼畜です。長すぎたので2話に分割しています。

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

処理中です...