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マティアス視点
拾ったリタ嬢の怪しいくいかがわしいメモ。
これは噂に聞く男同士の睦事。
けしからぬ、という気持ちより多少興味が勝った。なにせメモには私とシオンらしき人物が多く描かれていたから。
押収されたものから小説を探しだし読んだ。
切ない。
なんでどれもこれも結ばれない?
で、最後にだいたいシオンが死んだり姿を消したりする…泣ける。
書きかけの物もあった。せめてこれはハッピーエンドにしてくれ。
そして私だ。屑すぎる。シオンの想いを利用して邪魔者を消したり弄んだり黒すぎる。
私はこのようなイメージなのだろうか?
目の前で土下座する令嬢…。やはりそういうイメージなのか。
「令嬢…とりあえず座って下さい。」
「…はい。」
軽やかな土下座に怒る気は失せた。
「あなたに課する罰ですが…婚約でどうですか?」
「…は?」
「私はたいへんあなたが気に入りました。」
これは本当だ。
「書きかけの話も気になりますし。」
これも本当。
「次はハッピーエンドでお願いします。できたら私のイメージアップもお願いします。」
本当に。
「正直に話ますと、国政に専念したいため結婚はしばらく考えておりません。令嬢には申し訳ないが婚約者のふりをしていただきたい。」
これが本音。
何を言ってるのか理解しがたいようだ。
「あの…いずれ解消したいという事でございますよね?でも…こんな事言いにくいんですが、殿下はアレクサンドリア様とも婚約解消されていますわよね?わたくしが言えた事ではございませんが益々殿下の男色疑惑が…。」
なんと?
「そんな噂が?」
「殿下は女性とおられるより騎士団の方々とご一緒されるほうが楽しそうなご様子ですもの。」
まあ確かにそうかも。
「もちろんわたくしはそんな噂信じてませんわ。」
あのような小説を書いておいて?
「殿下には筋肉ゴリラは似合いませんもの!わたくしが求める耽美には、やはりアレクシオン様のような影のある傷とか吐血が似合う少し病んでいるような方がお似合いですわ。」
病んでいるのは君だよ?
「ところで、小説には濡れ場があるがあのようなシーンはどのように?まさか見たわけではないだろう?」
「そんなわけございませんわ。女の子はいつでも耳年増なんですぅ!」
かなり詳細であったが?恐ろしいな女の子。
「小説では私が受け入れる側の設定が多いようだが、シオンのは大きすぎてアレはたぶん入らぬぞ?」
なんだ?真っ赤になって。
「…っそんなリアルな情報いりませんっっ!」
おもしろい。
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これは噂に聞く男同士の睦事。
けしからぬ、という気持ちより多少興味が勝った。なにせメモには私とシオンらしき人物が多く描かれていたから。
押収されたものから小説を探しだし読んだ。
切ない。
なんでどれもこれも結ばれない?
で、最後にだいたいシオンが死んだり姿を消したりする…泣ける。
書きかけの物もあった。せめてこれはハッピーエンドにしてくれ。
そして私だ。屑すぎる。シオンの想いを利用して邪魔者を消したり弄んだり黒すぎる。
私はこのようなイメージなのだろうか?
目の前で土下座する令嬢…。やはりそういうイメージなのか。
「令嬢…とりあえず座って下さい。」
「…はい。」
軽やかな土下座に怒る気は失せた。
「あなたに課する罰ですが…婚約でどうですか?」
「…は?」
「私はたいへんあなたが気に入りました。」
これは本当だ。
「書きかけの話も気になりますし。」
これも本当。
「次はハッピーエンドでお願いします。できたら私のイメージアップもお願いします。」
本当に。
「正直に話ますと、国政に専念したいため結婚はしばらく考えておりません。令嬢には申し訳ないが婚約者のふりをしていただきたい。」
これが本音。
何を言ってるのか理解しがたいようだ。
「あの…いずれ解消したいという事でございますよね?でも…こんな事言いにくいんですが、殿下はアレクサンドリア様とも婚約解消されていますわよね?わたくしが言えた事ではございませんが益々殿下の男色疑惑が…。」
なんと?
「そんな噂が?」
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まあ確かにそうかも。
「もちろんわたくしはそんな噂信じてませんわ。」
あのような小説を書いておいて?
「殿下には筋肉ゴリラは似合いませんもの!わたくしが求める耽美には、やはりアレクシオン様のような影のある傷とか吐血が似合う少し病んでいるような方がお似合いですわ。」
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「ところで、小説には濡れ場があるがあのようなシーンはどのように?まさか見たわけではないだろう?」
「そんなわけございませんわ。女の子はいつでも耳年増なんですぅ!」
かなり詳細であったが?恐ろしいな女の子。
「小説では私が受け入れる側の設定が多いようだが、シオンのは大きすぎてアレはたぶん入らぬぞ?」
なんだ?真っ赤になって。
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