戦鬼は無理なので

あさいゆめ

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「闇属性ってどんなの?」
 テリオス君が答える。
「闇属性は主に「呪い」ですね。
 でも実際にはここ何十年闇属性の人は確認されていません。神に相対する者とされているため見つかれば神殿にて制裁されることとなっていますからもし使えても隠すでしょう。」
 なるほどね。
「ちなみにアレクシオン様は風属性の加護持ちでいらっしゃいますよ。」
 え?何?私魔法使えるの?
 やだ、かっこいい。
「あ、でも魔法信じてないけど使えるの?」
「どうでしょう?使えなければもう大剣は使えないですね。今はお身体が不自由ですので魔法は控えたほうがよいです。」
 アレクサンドリアは水属性の加護持ちで、テリオス君も風属性の加護持ちだそうだ。
 魔力の多さは遺伝によるものが大きく、加護持ちは貴族に多いらしい。
 後は身近な所ではもう一人の側近、炎のマーレンだ。その名の通り火属性の加護持ちで、炎を纏った双剣の使い手で妖艶な美女。
 「学園編」が終わると悪役令嬢も変わる。
 「聖戦編」ではこのマーレンが悪役だったな。
 傭兵出身なので令嬢ではないが、とにかくナイスなボディで悩殺的な剣舞の様な攻撃スタイル。
 剥き出しの欲望で男を食い散らかす。まあわかりやすい悪役だな。
 アレクシオンにも蛇のようにまとわりつくとあったけど…後日対面すると、健康的美人さんでどこにも妖艶さは無かった。
 褒賞金がたっぷり貰えたので田舎へ帰って子育てするそうだ。いつの間にか部下の一人といい仲になっていて出来ちゃったので(てへぺろ)って事だ。
 闇属性が確認出来ないとなると、何をもって光に対抗したらいいんだろう?
 まあ、何にしても今は身体の回復とここでの生活に慣れないとね。男として。
 そう…男として。
 身体の回復とともに私の中の忌まわしい戦鬼が目覚める。
 どうしたらいいの?
 何なのもうっ!
 毎朝この。
 凶暴な。
 アレ!
 まだ恐ろしくて直視はできてません。
 前世でも28年間男は着衣の者しか見たことないのに。
 トイレの時はまあ、あんまり見ないように済ませてたけど、朝のこの子の自己主張の強さったら!
「おはようございます、もうお目覚めでございますか?」
 シャッとカーテンを開けると清らかな朝日が差し込む。
 日の光に溶け込むような神々しくも美しいテリオス君は相変わらず甲斐甲斐しく世話をしてくれている。
 くっ…静まれ!
 私!
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