戦鬼は無理なので

あさいゆめ

文字の大きさ
上 下
4 / 112

4

しおりを挟む
 エンディングの直後って…。
 それじゃあよくある転生物のように内容知ってるから無双なんておいしい思い出来ないじゃないのっ!
 いや、それ以前になんで男?こういうのって可愛いピンクの髪のヒロインや、聖女とか、悪くても綺麗な悪役令嬢になるんじゃないの?
 男だとしてせめてテリオス君が良かったよ。
 なんでよりによってアレクシオン?いや、いい人だよ。いい人だけどこの人になるのは無理。
 帝国随一の戦士で190を越える身長、さらにそれを越える大剣を軽々と使いこなし、押し寄せる敵を薙ぎ倒す。
「ガルディバノンの戦鬼」
 これが今の私の通り名だ。
 青みがかった黒髪に、銀の瞳。
 顔立ちは端正だが戦場にいる事が多かった為か少し影りがある。
 広い肩幅に厚い胸板、鍛えぬかれた体は男が惚れる男って感じ。
 今はしばらく寝たきりで筋肉が萎えてしまったらしいけど、これで痩せたとか言われるって元はどんなゴリラだったのよ?
 この無骨な男が時折見せる優しさとか、めったに見せない笑顔とかにキュンとしたもんだが…。
「あの、ちょっと色々無理なんで休ませて下さい。」
「そうですわね…では…。」
 聖女はすくっと立ち上がり、
「アレクシオン様に聖女セレスティーナの祝福を!」
 両手を掲げるとなんと天から光が降り注ぐ。これが「祝福」ん?…んんっ?
 何?
 何か変わった?
 何も感じない私がおかしいのかも知れないし、ここは場の雰囲気に合わせよう。
 皆、両手を組んでお祈りのようなポーズをしているので真似ておこう。
「では、ごゆっくりお休み下さい。記憶が戻ることをお祈りいたしております。」
 そう言って聖女様ご一行は部屋を後にした。
 医者や侍女達にも下がるよう言い、テリオス君だけ残ってもらった。彼が一番信用出来そうだったから。決して顔で選んだわけじゃないよ。
「あのさ、ちょっと突拍子もない事言うけど、聞いてくれるかな?」
「はい、何なりと。」
「私、アレクシオンじゃないんです。」
「はい?」
「中身が入れ替わっているんです。」
「思い出せないから混乱していらっしゃるのでは?」
「違うの。本当の私はこことは違う世界で生きて死んだ「有木 紫音」っていう女性だったんです。」
「そう…ですか。」
 困惑している?
 やっぱりこんな話信じてもらえないかな?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

私の彼氏は義兄に犯され、奪われました。

天災
BL
 私の彼氏は、義兄に奪われました。いや、犯されもしました。

推しに監禁され、襲われました

天災
BL
 押しをストーカーしただけなのに…

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

嫌がる繊細くんを連続絶頂させる話

てけてとん
BL
同じクラスの人気者な繊細くんの弱みにつけこんで何度も絶頂させる話です。結構鬼畜です。長すぎたので2話に分割しています。

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

処理中です...