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続編 1 ※ハッピーエンドのままで完結したい方は読まないで下さい。
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聖女の町クリスティアーナ
ここは50年ほど前に聖女クリスティアが作った町だと言われている。
聖女様から領地を賜ったストーレン伯爵は今でも時々聖女様から祝福をいただいているらしく、とても60を過ぎているようには見えない。
「ねえ母さん、聖女様が時々この町に来ているって本当?」
日曜の礼拝帰りの男の子が聞く。
「本当よ。聖女様は領主様だけじゃなくてこの町の人にも時々祝福を与えて下さっているのよ。」
「へえ~会ってみたいな。」
「ふふふっ、聖女様を見つけても誰にも言っちゃいけないのよ。」
「なんで?」
「聖女様はこっそり遊びに来ているの。
ばれたら大神殿に連れ戻されちゃうのよ。」
「そっか、じゃあ内緒にしなくちゃね。」
「そうよ。そしたらいつか坊やも祝福してもらえる日がくるかもしれないわよ。」
「祝福って?」
「ん~、ほわっと暖かくなるのよ。」
「ほわっと?」
そんな話をしながら歩いていると、とても綺麗な家族とすれ違う。
夫婦と男の子。
三人とも茶色の髪に茶色の瞳。
どこにでもいるような家族なのに、なぜだか綺麗に見える。
すれ違いざま、
「あっ、ほわっとした!」
「しーっ。」
母親は人様指をたてる。
子供も、
「あ!しーっ、だねっ。」
すれ違った美しい家族も微笑んで人差し指を立てた。
クリスティアーナの人々にとっては聖女様はとても身近なお方。
髪と目の色を変えて変装して町にやってくる。
夫と息子と共に。
ここは50年ほど前に聖女クリスティアが作った町だと言われている。
聖女様から領地を賜ったストーレン伯爵は今でも時々聖女様から祝福をいただいているらしく、とても60を過ぎているようには見えない。
「ねえ母さん、聖女様が時々この町に来ているって本当?」
日曜の礼拝帰りの男の子が聞く。
「本当よ。聖女様は領主様だけじゃなくてこの町の人にも時々祝福を与えて下さっているのよ。」
「へえ~会ってみたいな。」
「ふふふっ、聖女様を見つけても誰にも言っちゃいけないのよ。」
「なんで?」
「聖女様はこっそり遊びに来ているの。
ばれたら大神殿に連れ戻されちゃうのよ。」
「そっか、じゃあ内緒にしなくちゃね。」
「そうよ。そしたらいつか坊やも祝福してもらえる日がくるかもしれないわよ。」
「祝福って?」
「ん~、ほわっと暖かくなるのよ。」
「ほわっと?」
そんな話をしながら歩いていると、とても綺麗な家族とすれ違う。
夫婦と男の子。
三人とも茶色の髪に茶色の瞳。
どこにでもいるような家族なのに、なぜだか綺麗に見える。
すれ違いざま、
「あっ、ほわっとした!」
「しーっ。」
母親は人様指をたてる。
子供も、
「あ!しーっ、だねっ。」
すれ違った美しい家族も微笑んで人差し指を立てた。
クリスティアーナの人々にとっては聖女様はとても身近なお方。
髪と目の色を変えて変装して町にやってくる。
夫と息子と共に。
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