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ジークフリードに出会わなければアサコの魂はいずれこの地と同化し、聖女が浄化などせずとも瘴気を払い続けただろう。
女神イレーネもそのつもりだった。
だがイレーネも人が人を愛する姿が愛しかったのだ。
だからアサコが人を愛し、人として生きるのを許した。
だがそれ以上にアサコが人を憎み恨む姿を見るのが堪らなく楽しかったらしい。実はイレーネは地球の昼メロか大好きだったのだ。
イレーネにしてみればこの世界の人類がいなくなろうと、大したことではない。
長い長い無限の命のほんの一時、地上から知的生命体が無くなるだけの事。また新しく育つのを待てばよいだけ。
アサコがイレーネの教えだと説いた話も、道徳感を植え付けるのに利用したにすぎない。イレーネは道徳心など持ち合わせていない。神などそんなものだ。
アサコは何度も繰り返し転生し、様々な人生を送った。
聖女だった事もあれば、ただの平民として暮らした事もあった。
今回は前世の記憶を持って転生したから色々思いだしたけど、通常は何も覚えてはいない。
女神イレーネに何の意図があったのかはわからないが、また私は誰かを愛さずにはいられないのだった。
来るのは転移魔法で一瞬だったのに、帰り道は長い。
ダニエルが凍らせた唸る氷像を治療しながら帰らねばならない。
最初のほうで凍らせた人は溶けるのを待ちながら部隊に同行していた治癒師達が治療しているらしい。まだ寒い時期だから溶けるのに時間がかかるから良かった。
捕らえた者達は一足先にオースティン将軍によってグラディアスに連行された。彼らをどう処分するか。神殿とグラディアス帝国のどちらからも罪を問われるだろう。
神殿側はセゼルに任せるのか…。
もう私が聖女だと隠すのは困難になった。
トラキアの神官達はすっかりカシオンとレミナを信奉し、この地に大神殿を移すと喜んでいた。
全ての神官を処罰する訳にもいかないし、何もせずにその話は無かった事だからーと、言っても納得いかないだろう。
私が本物ですってオーラを全開で姿をさらし、皆をひれ伏せさせるしかなかった。
クラストを臨時で神官長とし、トラキアの神殿が落ち着きを見せるまで在中してもらうことに。
あんまり嫌がって一緒に帰るとごねるので、また濃いめの祝福を与えて黙らせた。
一部の獣人が聖女(レミナ)を救えと、連行する部隊を襲撃したらしいが、護衛に付けたイザベラとアマンダに撃退され道に転がされていた。張り紙を付けられて。(直してください。イザベラとアマンダより。)
道すがら周辺の集落からも怪我や病気の人が集まってくるし。
夜は野営をする。
久しぶりのこの感じ。
待遇はずいぶん違うけど。
ニコラスとフランシスは少しばつが悪そうに、だが精一杯不自由の無いように気を使ってくれている。
「もう過ぎた事だから気にしなくていいわ。
あの時は許さないなんて言ったけど、あなた達は十分私の役に立っているわ。」
フランシスは素直に、「ありがとうございます。」と礼を言うが、ニコラスは、
「私は自分を許す事ができません。
一生涯かけてクリスティア様にお仕えし、罰を与えて下さるのを待ちます。」
何と返答してよいものか。
彼は私に毒を飲ませたことをよっぽど後悔しているのだろうけど、罰を与えられるのを待つと言った顔が嬉しそうで変態臭を感じる。
女神イレーネもそのつもりだった。
だがイレーネも人が人を愛する姿が愛しかったのだ。
だからアサコが人を愛し、人として生きるのを許した。
だがそれ以上にアサコが人を憎み恨む姿を見るのが堪らなく楽しかったらしい。実はイレーネは地球の昼メロか大好きだったのだ。
イレーネにしてみればこの世界の人類がいなくなろうと、大したことではない。
長い長い無限の命のほんの一時、地上から知的生命体が無くなるだけの事。また新しく育つのを待てばよいだけ。
アサコがイレーネの教えだと説いた話も、道徳感を植え付けるのに利用したにすぎない。イレーネは道徳心など持ち合わせていない。神などそんなものだ。
アサコは何度も繰り返し転生し、様々な人生を送った。
聖女だった事もあれば、ただの平民として暮らした事もあった。
今回は前世の記憶を持って転生したから色々思いだしたけど、通常は何も覚えてはいない。
女神イレーネに何の意図があったのかはわからないが、また私は誰かを愛さずにはいられないのだった。
来るのは転移魔法で一瞬だったのに、帰り道は長い。
ダニエルが凍らせた唸る氷像を治療しながら帰らねばならない。
最初のほうで凍らせた人は溶けるのを待ちながら部隊に同行していた治癒師達が治療しているらしい。まだ寒い時期だから溶けるのに時間がかかるから良かった。
捕らえた者達は一足先にオースティン将軍によってグラディアスに連行された。彼らをどう処分するか。神殿とグラディアス帝国のどちらからも罪を問われるだろう。
神殿側はセゼルに任せるのか…。
もう私が聖女だと隠すのは困難になった。
トラキアの神官達はすっかりカシオンとレミナを信奉し、この地に大神殿を移すと喜んでいた。
全ての神官を処罰する訳にもいかないし、何もせずにその話は無かった事だからーと、言っても納得いかないだろう。
私が本物ですってオーラを全開で姿をさらし、皆をひれ伏せさせるしかなかった。
クラストを臨時で神官長とし、トラキアの神殿が落ち着きを見せるまで在中してもらうことに。
あんまり嫌がって一緒に帰るとごねるので、また濃いめの祝福を与えて黙らせた。
一部の獣人が聖女(レミナ)を救えと、連行する部隊を襲撃したらしいが、護衛に付けたイザベラとアマンダに撃退され道に転がされていた。張り紙を付けられて。(直してください。イザベラとアマンダより。)
道すがら周辺の集落からも怪我や病気の人が集まってくるし。
夜は野営をする。
久しぶりのこの感じ。
待遇はずいぶん違うけど。
ニコラスとフランシスは少しばつが悪そうに、だが精一杯不自由の無いように気を使ってくれている。
「もう過ぎた事だから気にしなくていいわ。
あの時は許さないなんて言ったけど、あなた達は十分私の役に立っているわ。」
フランシスは素直に、「ありがとうございます。」と礼を言うが、ニコラスは、
「私は自分を許す事ができません。
一生涯かけてクリスティア様にお仕えし、罰を与えて下さるのを待ちます。」
何と返答してよいものか。
彼は私に毒を飲ませたことをよっぽど後悔しているのだろうけど、罰を与えられるのを待つと言った顔が嬉しそうで変態臭を感じる。
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