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結構暇ですね。
結界内でトラキア公王とその妃と、午後のティータイムをすごす。
外は血の雨が降っている。
グラディアスからトラキアまで、馬車なら5日。馬ならもう少し早いけど戦いながら来るから…早くても後1日はかかるわね。
こちらは城の中だから大勢で一斉にかかって来ることもないから、だらだらと攻撃は続く。
イザベラとアマンダは生き物じゃないから私が魔力を注ぐかぎり戦い続けられる。
ちなみにこの二体、魔法の加減がよくわからない。地上に生命が生まれたのはいいが知性をもつ生命体が繁栄するまでかなり時間がかかった。
それまで魔獣や獣と戦っていたので基本駆除が目的で方法は焼き払う。
人間相手でしかも建物がある場所では使えないから、暗器を持たせた。
結果、魔法少女のような出で立ちには似つかわしくない血みどろの戦いを披露することになったのだ。
「ご主人ぁー、殺さないの難しい。」
「そろそろみんな焼き払ってもいいんじゃない?」
二人も大分飽きてきたみたいだ。
「もう少し我慢してね。」
ニコラスを連れて来て良かったわ。
テーブルセット一式に食事も温かいまま保存できるなんて。
おかげで私の魔力も減らない。
「あなたがいて良かったと思える日がくるなんて…。」
「光栄に存じます。」
ダニエルに限って大丈夫だとは思うのだけど、実際戦っている所を見たことはない。
助けに行ったほうがいいのかしら?
でもそんな事をしたら自尊心が傷つくかもしれないわ。
ため息がもれる。
「キリアン公爵が心配なのですね。」
アレキサンドラ様。
「ええ、でも助けに行くのもどうかと思いまして。
先日も私は男を駄目にする女だなどと言われてしまいましたのよ。」
「まぁ…でも確かにクリスティア様はよく出来すぎていらっしゃいますもの。
その上聖女にまでなられてしまって。
殿方としては立つ瀬がございませんわね。」
「あまり出しゃばらないよう心がけているのですが…。」
「殿方というものは少し駄目な娘が可愛らしく見えるそうでしてよ。
あの方のように。」
レミナは時々様子を見にくる。
「ちょっと!あんた達、何のんきにお茶なんか!
皆が可哀想だと思わないの?こんなに傷つけられて…ぐすんっ。」
えーと…。
「攻撃しなければよいのでは?」
「あんた達を殺さないと、私は幸せにはなれないの!」
「私達が死んだらどうなるの?」
「私はこの国で聖女になって王子様と結婚するの。」
なんとも…。
まだお花畑の中にいるのね。
「あの…。」
アレキサンドラ様が遠慮がちに、
「この子はまだ二歳だし、あなたが私達の娘になるのは嫌だわ。」
「は?何言ってんの?あんた達は殺すって言ってんでしょ?
私の王子様はこのケント様よ!」
隣の金髪イケメンを差し出す。
「あの…誰それ?」
公王もアレキサンドラ様も知らない人らしい。
「叔父上の息子ではないぞ?」
「そうよね、あの方は確かお父様に似て小さい方でしたわ。」
「妾腹の子だろうか?」
「養子かも。」
レミナがイライラしはじめる。
「あんた誰っ?」
「あっ…えーと、私は役者をしておりまして…。」
雇われた人らしい。
「あの、私は貴族とも王族とも関係無いので見逃して下さい!」
状況が不利だと見極めたのだろう。
逃げて行った。
「ねえ、もうすぐダニエルが来るわ。
なるべく殺さないようにとお願いしておいたけど、彼はあなたが何もしなくても、殺したい人No.1だと思うの。」
No.2はイデオン殿下だろう。
「今回は許してくれないわよ?もう諦めて逃げたら?」
結界内でトラキア公王とその妃と、午後のティータイムをすごす。
外は血の雨が降っている。
グラディアスからトラキアまで、馬車なら5日。馬ならもう少し早いけど戦いながら来るから…早くても後1日はかかるわね。
こちらは城の中だから大勢で一斉にかかって来ることもないから、だらだらと攻撃は続く。
イザベラとアマンダは生き物じゃないから私が魔力を注ぐかぎり戦い続けられる。
ちなみにこの二体、魔法の加減がよくわからない。地上に生命が生まれたのはいいが知性をもつ生命体が繁栄するまでかなり時間がかかった。
それまで魔獣や獣と戦っていたので基本駆除が目的で方法は焼き払う。
人間相手でしかも建物がある場所では使えないから、暗器を持たせた。
結果、魔法少女のような出で立ちには似つかわしくない血みどろの戦いを披露することになったのだ。
「ご主人ぁー、殺さないの難しい。」
「そろそろみんな焼き払ってもいいんじゃない?」
二人も大分飽きてきたみたいだ。
「もう少し我慢してね。」
ニコラスを連れて来て良かったわ。
テーブルセット一式に食事も温かいまま保存できるなんて。
おかげで私の魔力も減らない。
「あなたがいて良かったと思える日がくるなんて…。」
「光栄に存じます。」
ダニエルに限って大丈夫だとは思うのだけど、実際戦っている所を見たことはない。
助けに行ったほうがいいのかしら?
でもそんな事をしたら自尊心が傷つくかもしれないわ。
ため息がもれる。
「キリアン公爵が心配なのですね。」
アレキサンドラ様。
「ええ、でも助けに行くのもどうかと思いまして。
先日も私は男を駄目にする女だなどと言われてしまいましたのよ。」
「まぁ…でも確かにクリスティア様はよく出来すぎていらっしゃいますもの。
その上聖女にまでなられてしまって。
殿方としては立つ瀬がございませんわね。」
「あまり出しゃばらないよう心がけているのですが…。」
「殿方というものは少し駄目な娘が可愛らしく見えるそうでしてよ。
あの方のように。」
レミナは時々様子を見にくる。
「ちょっと!あんた達、何のんきにお茶なんか!
皆が可哀想だと思わないの?こんなに傷つけられて…ぐすんっ。」
えーと…。
「攻撃しなければよいのでは?」
「あんた達を殺さないと、私は幸せにはなれないの!」
「私達が死んだらどうなるの?」
「私はこの国で聖女になって王子様と結婚するの。」
なんとも…。
まだお花畑の中にいるのね。
「あの…。」
アレキサンドラ様が遠慮がちに、
「この子はまだ二歳だし、あなたが私達の娘になるのは嫌だわ。」
「は?何言ってんの?あんた達は殺すって言ってんでしょ?
私の王子様はこのケント様よ!」
隣の金髪イケメンを差し出す。
「あの…誰それ?」
公王もアレキサンドラ様も知らない人らしい。
「叔父上の息子ではないぞ?」
「そうよね、あの方は確かお父様に似て小さい方でしたわ。」
「妾腹の子だろうか?」
「養子かも。」
レミナがイライラしはじめる。
「あんた誰っ?」
「あっ…えーと、私は役者をしておりまして…。」
雇われた人らしい。
「あの、私は貴族とも王族とも関係無いので見逃して下さい!」
状況が不利だと見極めたのだろう。
逃げて行った。
「ねえ、もうすぐダニエルが来るわ。
なるべく殺さないようにとお願いしておいたけど、彼はあなたが何もしなくても、殺したい人No.1だと思うの。」
No.2はイデオン殿下だろう。
「今回は許してくれないわよ?もう諦めて逃げたら?」
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