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 結局僕は眷族は増やさない事にした。
 侍従長はレナードだ。
 マーカスにはワーウルフを中心にした近衛隊を指揮してもらう。
 それぞれが配下を持ち、統率してもらう事にした。
 レナードは自分を一番手伝ってくれたディルクというヴァンパイアを配下にした。
 銀の髪に青い目で人間とは違い、白目が黒い。
 血を吸う所を見せてもらったけど、ぞくぞくするほどいやらしかった。
 ディルクいわくセックスを見られるのと同じくらい恥ずかしいのだという。
 まあそうだろう。二人とも勃起してた。
 一度契約者してしまうと主を変える事は出来ない。だから仮にディルクが僕の血を吸っても主はレナードのままだ。
 執事姿の二人は実にいい。
 背格好がよく似ているから両脇に侍らせると映えるだろうな。
 マーカスも近衛隊の制服を作った。
 城の体制が整ったころに、勇者ご一行がダンジョンのもう終盤まで来ていると報告があった。
 どんな人かな?
 ちょっと見に行きたいな。
「駄目だぞ。」
 レナード?
「な、何が?」
「見に行こうとしてただろう?お前を殺しに来た奴らだぞ?」
「大丈夫だよ。遠くから見るだけだし、まずいと思ったら腕輪を壊して転移したらいいし。
 マーカスと行けば隠形で身を隠してもらえるし。」
「俺も見に行きたい。」
 と、マーカスも言うとレナードは。
「じゃあ俺も、」
「レナードは駄目だよぅ。」
「ねー。」
 マーカスも同意する。
「殺気丸出しだもん。」
 と、いうわけで偵察だ。
 ノリノリで変装して行くことにした。
「じゃーん!
 サキュバス(マーカス)とインキュバス(僕)の姉弟です!」
 露出多めのピチピチでかわいい衣装だ。
 先日のパーティーから僕らは仮装にはまっている。
 ダンジョンの中にも昼と夜がある。
 隠魔はやっぱり夜に行かなくちゃね。
 こっそり様子を覗けば、火を囲んで食事中だ。
 ん~、兵士をたくさん連れてきたみたい。
 面白くないから最終ステージは5人しか入れないルールにしよう。
 見た感じ、勇者と聖女と神官と…あれ?
 あの重戦士と魔法使いは…。
「ねえ、ジュリアス、あの二人見たことあるよね?」
 重戦士は顔が見えないし、魔法使いはダークエルフだけど、
「ギルとフローレンスだ。」
 なんとか二人を誘い出せないかな。
 そんな事を考えていたら二人で暗闇に消えて行くじゃないか。
「チャンスだね。」
「…うん。」
 いや、だけど、あの二人。
 絶対やる気だ。
「ちょっと隠れて見てよう。」
「なんで?」
 マーカスは知らない。
 ギルが実は…。
「えっ?あれ?ええー?」
 
 
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