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レナード達はアドルゲードにいるはずと、そこに向かってみる。すると魔の森を抜けた所に大規模な野営地があった。
もしかしたらそこにいるかもしれないと、近くの原っぱに降りてみる。
野営地の人はドラゴンが降り立ったものだから何事かと集まってきた。
「ジュリアス!」
ギルだ。
「ギル!」
会いたかった。
もう何年も会ってないような気がした。
「ジュリアスー!」
マーカスも。
泣きながら走ってきた。
ギルは僕を抱きしめながら、
「無事だったのか?どうして?」
「うん、ちょっと訳あって拐われていたけど、酷い事はされてないよ。
レナードは?」
マーカスが言うには、
「国に帰ったよ。」
そうか…。そうだよね、ここに居たって仕方がない。
「二人はどうしてここに?」
「狂暴化した魔物を討伐していたのだか、数日前から急におとなしくなった。
フローレンスの話が正しければジュリアスのおかげだろう。」
良かった。僕は役にたっていたようだ。
「あまり長くは居られないんだ。
ちゃんとお別れが言いたくて、ちょっと抜け出して来たんだよ。」
「そうか…。」
ギルにはわかっているんだ。
どうしようもない事なのだと。
だけど人目をはばからず、抱きしめたままキスをされた。
「愛していた。」
「ありがとう、僕もだ。」
僕からもキスをした。
マーカスは、
「ついて行くからね!」
「マーカスは無理だよ。」
僕と性交為はしていないから眷族じゃない。
「ごめんね!」
手を掴み噛みつかれた。
「痛っ!何してんの?」
血を舐めてる?
「これでいいはずだ!俺を連れていけ。」
「しょうがないなぁ。」
まあ、帰りたくなったら帰してあげればいいか。
「ギル、レナードに会ったら元気でと、伝えておいて。」
「わかった。」
アナスタシアの背に乗り飛び立つ。マーカスは僕の後ろに。
改めて見ても瘴気の壁は厚い。
この道も無い中を狂暴化した魔物を倒しながら抜けるのは難しい。
「ジュリアス、今度こそもう会えないかと…。」
背中が温かい。
「ついて来ても何にも無い所だよ。」
「ジュリアスがいる。」
もしかしたらそこにいるかもしれないと、近くの原っぱに降りてみる。
野営地の人はドラゴンが降り立ったものだから何事かと集まってきた。
「ジュリアス!」
ギルだ。
「ギル!」
会いたかった。
もう何年も会ってないような気がした。
「ジュリアスー!」
マーカスも。
泣きながら走ってきた。
ギルは僕を抱きしめながら、
「無事だったのか?どうして?」
「うん、ちょっと訳あって拐われていたけど、酷い事はされてないよ。
レナードは?」
マーカスが言うには、
「国に帰ったよ。」
そうか…。そうだよね、ここに居たって仕方がない。
「二人はどうしてここに?」
「狂暴化した魔物を討伐していたのだか、数日前から急におとなしくなった。
フローレンスの話が正しければジュリアスのおかげだろう。」
良かった。僕は役にたっていたようだ。
「あまり長くは居られないんだ。
ちゃんとお別れが言いたくて、ちょっと抜け出して来たんだよ。」
「そうか…。」
ギルにはわかっているんだ。
どうしようもない事なのだと。
だけど人目をはばからず、抱きしめたままキスをされた。
「愛していた。」
「ありがとう、僕もだ。」
僕からもキスをした。
マーカスは、
「ついて行くからね!」
「マーカスは無理だよ。」
僕と性交為はしていないから眷族じゃない。
「ごめんね!」
手を掴み噛みつかれた。
「痛っ!何してんの?」
血を舐めてる?
「これでいいはずだ!俺を連れていけ。」
「しょうがないなぁ。」
まあ、帰りたくなったら帰してあげればいいか。
「ギル、レナードに会ったら元気でと、伝えておいて。」
「わかった。」
アナスタシアの背に乗り飛び立つ。マーカスは僕の後ろに。
改めて見ても瘴気の壁は厚い。
この道も無い中を狂暴化した魔物を倒しながら抜けるのは難しい。
「ジュリアス、今度こそもう会えないかと…。」
背中が温かい。
「ついて来ても何にも無い所だよ。」
「ジュリアスがいる。」
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