6 / 94
6
しおりを挟む
「本当にどこもお怪我はありませんか?」
「ミシェル、敬語はやめてって言っただろう?
どこもなんともないよ。」
「まさか兄上が本気になるなんて。」
「僕と手合わせするなら本気を出さないと死ぬよ?」
僕は僕の兄上ほど手加減が上手ではないから。
兄上は治癒魔法が使えるから万が一僕が死にそうになっても治せるしね。
「剣術がお気に召さなかったなら魔術はどうです?殿…ジュリアスも魔法が使えるみたいだし。」
「魔術かぁ…あまり得意ではないんだよ。
誰かに習ったわけじゃないから。」
それならなおのことと、魔術の授業の見学につれてこられた。
属性ごとに別れて訓練しているようだ。
「僕は「火」なのですがジュリアスは?」
「僕はわからない。帝国では属性別に分けたりしないから。」
指導者らしき老人がこちらに気づいた。
「これはこれは、帝国の皇子様。ようこそおいで下さいました。」
「先生、僕は生徒なのでそのように畏まらないで下さい。」
「いやいや、私共魔法使いにとって帝国の皇族は神にも等しい存在ですから。」
大袈裟だな。確かに昔の人にしたらそうかもしれないけど。
だけどミシェルが、
「そうなんですか?ぜひ見せてもらいたいです。」
期待されてしまったようだ。
「僕は一族の中でも落ちこぼれなんです。
使える魔法にもばらつきがあって。」
だが他の生徒まで集まってきてしまった。
「では水で…。」
空中に水で魚を作り出し泳がせる。
パンッ!と弾けさせると小魚の魚群に変化させ宙を舞わせた。
日の光を反射させ虹色に輝かせる。
僕の好きな魔法だ。
女生徒達はため息まじりにうっとり見てくれた。先生も満足げに眺めておられる。
そう、水で形を作るのは難しいのだ。
だがまたしても上級生らしき男子生徒が、
「はっ、軟弱な女が好きそうな魔術だな。」
やはりそうきたか。
なので、その水を氷の槍に変化させて目の前の地面に突き刺してやった。
「これならお気に召されますか?」
「いっ、いや…まあ。」
僕は帝国では落ちこぼれだけれど、他国の学生に侮られるほどではない。
「いやはや素晴らしい。
良いものを見せていただきました。」
老先生に喜んでいただけて良かった。
「皆、聞きなさい。
我々ストラディアの魔法使いは帝国から魔術を習いました。
ストラディアでは授業などで教えますが、帝国では学門ではなく、日常で親から子に教えます。
なので、属性などは決まっていません。
混合魔法なども容易く使えてしまえます。
ジュリアス殿下は謙遜して落ちこぼれなどと言ったわけではありません。
それだけ帝国の皇族は桁違いに魔術を扱うのに長けているのです。」
その通りだ。
だから他国は帝国に従うしかないのだ。
だからといって帝国が他国を虐げている訳ではない。平和の為に世界を統一したのだ。
でも近頃の一部の若い世代は帝国に不満があるようだ。
「ミシェル、敬語はやめてって言っただろう?
どこもなんともないよ。」
「まさか兄上が本気になるなんて。」
「僕と手合わせするなら本気を出さないと死ぬよ?」
僕は僕の兄上ほど手加減が上手ではないから。
兄上は治癒魔法が使えるから万が一僕が死にそうになっても治せるしね。
「剣術がお気に召さなかったなら魔術はどうです?殿…ジュリアスも魔法が使えるみたいだし。」
「魔術かぁ…あまり得意ではないんだよ。
誰かに習ったわけじゃないから。」
それならなおのことと、魔術の授業の見学につれてこられた。
属性ごとに別れて訓練しているようだ。
「僕は「火」なのですがジュリアスは?」
「僕はわからない。帝国では属性別に分けたりしないから。」
指導者らしき老人がこちらに気づいた。
「これはこれは、帝国の皇子様。ようこそおいで下さいました。」
「先生、僕は生徒なのでそのように畏まらないで下さい。」
「いやいや、私共魔法使いにとって帝国の皇族は神にも等しい存在ですから。」
大袈裟だな。確かに昔の人にしたらそうかもしれないけど。
だけどミシェルが、
「そうなんですか?ぜひ見せてもらいたいです。」
期待されてしまったようだ。
「僕は一族の中でも落ちこぼれなんです。
使える魔法にもばらつきがあって。」
だが他の生徒まで集まってきてしまった。
「では水で…。」
空中に水で魚を作り出し泳がせる。
パンッ!と弾けさせると小魚の魚群に変化させ宙を舞わせた。
日の光を反射させ虹色に輝かせる。
僕の好きな魔法だ。
女生徒達はため息まじりにうっとり見てくれた。先生も満足げに眺めておられる。
そう、水で形を作るのは難しいのだ。
だがまたしても上級生らしき男子生徒が、
「はっ、軟弱な女が好きそうな魔術だな。」
やはりそうきたか。
なので、その水を氷の槍に変化させて目の前の地面に突き刺してやった。
「これならお気に召されますか?」
「いっ、いや…まあ。」
僕は帝国では落ちこぼれだけれど、他国の学生に侮られるほどではない。
「いやはや素晴らしい。
良いものを見せていただきました。」
老先生に喜んでいただけて良かった。
「皆、聞きなさい。
我々ストラディアの魔法使いは帝国から魔術を習いました。
ストラディアでは授業などで教えますが、帝国では学門ではなく、日常で親から子に教えます。
なので、属性などは決まっていません。
混合魔法なども容易く使えてしまえます。
ジュリアス殿下は謙遜して落ちこぼれなどと言ったわけではありません。
それだけ帝国の皇族は桁違いに魔術を扱うのに長けているのです。」
その通りだ。
だから他国は帝国に従うしかないのだ。
だからといって帝国が他国を虐げている訳ではない。平和の為に世界を統一したのだ。
でも近頃の一部の若い世代は帝国に不満があるようだ。
0
お気に入りに追加
131
あなたにおすすめの小説
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
僕は肉便器 ~皮をめくってなかをさわって~ 【童貞新入社員はこうして開発されました】
ヤミイ
BL
新入社員として、とある企業に就職した僕。希望に胸を膨らませる僕だったが、あろうことか、教育係として目の前に現れたのは、1年前、野外で僕を襲い、官能の淵に引きずり込んだあの男だった。そして始まる、毎日のように夜のオフィスで淫獣に弄ばれる、僕の爛れた日々…。
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
少年はメスにもなる
碧碧
BL
「少年はオスになる」の続編です。単体でも読めます。
監禁された少年が前立腺と尿道の開発をされるお話。
フラット貞操帯、媚薬、焦らし(ほんのり)、小スカ、大スカ(ほんのり)、腸内洗浄、メスイキ、エネマグラ、連続絶頂、前立腺責め、尿道責め、亀頭責め(ほんのり)、プロステートチップ、攻めに媚薬、攻めの射精我慢、攻め喘ぎ(押し殺し系)、見られながらの性行為などがあります。
挿入ありです。本編では調教師×ショタ、調教師×ショタ×モブショタの3Pもありますので閲覧ご注意ください。
番外編では全て小スカでの絶頂があり、とにかくラブラブ甘々恋人セックスしています。堅物おじさん調教師がすっかり溺愛攻めとなりました。
早熟→恋人セックス。受けに煽られる攻め。受けが飲精します。
成熟→調教プレイ。乳首責めや射精我慢、オナホ腰振り、オナホに入れながらセックスなど。攻めが受けの前で自慰、飲精、攻めフェラもあります。
完熟(前編)→3年後と10年後の話。乳首責め、甘イキ、攻めが受けの中で潮吹き、攻めに手コキ、飲精など。
完熟(後編)→ほぼエロのみ。15年後の話。調教プレイ。乳首責め、射精我慢、甘イキ、脳イキ、キスイキ、亀頭責め、ローションガーゼ、オナホ、オナホコキ、潮吹き、睡姦、連続絶頂、メスイキなど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる