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第151話・悪魔の国との戦争18
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-レイナside-
ゼロが第1戦場へ向かった後の話。
レイナはゼロに忘れられたことへの怒りが止まない。プリプリ怒っているのを見かねて、シルが声を掛けに来る。
「レイナ様、ゼロ様はリリィと悪魔の国を考えて行動してくださってます。国同士の仲裁を個人が行うのは至難の業です。ですが、ゼロ様はそれをしようと果敢に挑んでくださってます。それは、私やリリィのためでもあるのです。私からもゼロ様をお許しいただきたく思います」
「・・・分かったわ、シルさんに免じて許してあげる。けど、ひどくない?」
「レイナ様がお怒りなのは承知しております」
「ごめんね、シルさんに当たってもしょうがないのにね」
レイナとしては、ゼロに忘れられた悲しみが大きかったために愚痴ってしまうのだった。レイナの話に区切りがつきそうだったので、リリィが仕切る。
「ゼロも第1戦場に向かったことだし、私達も悪魔の国奪還に向けて動こう」
リリィの言葉に全員が同意し、次の町へ向かうことになった。リリィが町を説得したとしても、その町から徴兵する気はない。行軍できるほどの物資を持ち合わせていないし、統制がとれないと踏んでいる。なので、町には寝床や食事などの支援をしていただけるようにお願いしている。すでにリリィのところへ、十分すぎるぐらい貢物がきているのだが。
リリィ達はゼロの言うとおりに王国と悪魔の国の国境に近い町から順に説得して回る。下手に中心地へ説得しにいって、七大悪魔が攻撃を仕掛けてくる可能性があるというのは皆も思うところだ。
「敵襲!!!」
本日二つ目の町を説得し終わり、三つ目の町へ移動中に周囲を警戒していた悪魔が大きな声で敵襲と叫ぶ。
リリィ、レイナ、シル、サタンはすぐに叫んだ悪魔の元へ行く。
「向こうのほうから砂煙が見えます」
リリィが皆に話し掛ける。
「もし七大悪魔が攻め込んできた場合、悪魔軍で迎え撃っても無駄死にするだけだ。ゼロからは王国軍と合流するのを優先し即時撤退と言われているが、周辺の町や撤退中に後ろを攻撃される可能性がある。その点から言っても私、シル、レイナ、サタンで迎え撃つべきではないだろうか。他の悪魔軍は下げておいて、バックアップをしてもらう方向で」
「いいのではないか。この4人なら万が一危ない状況になっても、逃げることは可能だろう」
リリィの提案にサタンが賛同する。レイナとシルも問題ないようなので、サタンが悪魔軍を下げさせる。
「さて、誰がくるだろうな」
「リリィ、七大悪魔だとしたらリリィにも容赦なく攻撃してくるでしょう。油断なさらぬように」
「分かってる。シルは本当に心配症だな」
リリィとシルが話しをしている間、レイナは魔法剣士になって手にいれたスキル雷の雫を発動させ、自分へエンチャントする。
レイナの身体に雷が纏う。雷を纏ったことにより移動速度、攻撃速度、攻撃力が格段に上がる。
「敵は七大悪魔レヴィアタン様です。私はこれで失礼します」
空中から敵を確認していた悪魔がサタンへ報告し、下がっていく。
「レヴィアタンか。接近戦に持ち込めれば超広範囲魔法を止めれるだろうが、間に合わんな。超広範囲魔法を放たれた場合、我ら4人以外の悪魔軍は全滅してしまうぞ」
「そうだな、なんとかしたいがレヴィアタンの大津波は防げないな」
リリィもレヴィアタンの脅威を知っているからか、諦めたような声で言う。
「私がいくわ。雷エンチャントの私なら、レヴィアタンの魔法を止めれるかもしれない」
「レイナ、相手は七大悪魔だぞ。それもレヴィアタンをなんとかできたとしても、残った悪魔軍を相手にしないといけない。大丈夫なのか?」
「任せて、雷エンチャント状態ならゼロと同じように戦えるわ」
「・・・分かった、レイナに任せる」
レイナの決意に満ちた目を見て、信用し任せることにした。
リリィはレイナがレヴィアタンの魔法を阻止し、生きて帰ってくることが可能だという確信があるのだろうと思ったが、レイナの決意はそういう決意ではない。
レイナが決意している事は、ゼロのためにレヴィアタンの魔法を止めること。それだけだ。
リリィが率いている悪魔軍が倒れれば、リリィの求心力が下がり、ゼロの計画に支障がでる。それをさせないことが私の役目だ。本当は怖い、悪魔に囲まれて戦うなんて無理だと思う。でもやるしかないんだ。
「行ってくるわ」
「レイナ様、この腕輪を付けてください。着けて5秒間だけ相手から見えなくなります」
シルがレイナに腕輪を渡す。
そこへサタンが申し出る。
「我がレイナを投げよう。しっかり意識を保てよ。」
「え、なんで投げることになっているの?」
「レイナの移動術より、我が投げたほうが早いに決まっているからだろう」
レイナはサタンに足を掴まれて宙吊りにされる。
「嘘でしょ!悪魔軍に囲まれるより怖いんだけど!!!」
「しっかりと気を持つんだぞ」
「キャーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
サタンは全力で振りかぶってレイナをレヴィアタンに向かって投げる。凄まじい速度でレイナは飛んでいく。
ゼロが第1戦場へ向かった後の話。
レイナはゼロに忘れられたことへの怒りが止まない。プリプリ怒っているのを見かねて、シルが声を掛けに来る。
「レイナ様、ゼロ様はリリィと悪魔の国を考えて行動してくださってます。国同士の仲裁を個人が行うのは至難の業です。ですが、ゼロ様はそれをしようと果敢に挑んでくださってます。それは、私やリリィのためでもあるのです。私からもゼロ様をお許しいただきたく思います」
「・・・分かったわ、シルさんに免じて許してあげる。けど、ひどくない?」
「レイナ様がお怒りなのは承知しております」
「ごめんね、シルさんに当たってもしょうがないのにね」
レイナとしては、ゼロに忘れられた悲しみが大きかったために愚痴ってしまうのだった。レイナの話に区切りがつきそうだったので、リリィが仕切る。
「ゼロも第1戦場に向かったことだし、私達も悪魔の国奪還に向けて動こう」
リリィの言葉に全員が同意し、次の町へ向かうことになった。リリィが町を説得したとしても、その町から徴兵する気はない。行軍できるほどの物資を持ち合わせていないし、統制がとれないと踏んでいる。なので、町には寝床や食事などの支援をしていただけるようにお願いしている。すでにリリィのところへ、十分すぎるぐらい貢物がきているのだが。
リリィ達はゼロの言うとおりに王国と悪魔の国の国境に近い町から順に説得して回る。下手に中心地へ説得しにいって、七大悪魔が攻撃を仕掛けてくる可能性があるというのは皆も思うところだ。
「敵襲!!!」
本日二つ目の町を説得し終わり、三つ目の町へ移動中に周囲を警戒していた悪魔が大きな声で敵襲と叫ぶ。
リリィ、レイナ、シル、サタンはすぐに叫んだ悪魔の元へ行く。
「向こうのほうから砂煙が見えます」
リリィが皆に話し掛ける。
「もし七大悪魔が攻め込んできた場合、悪魔軍で迎え撃っても無駄死にするだけだ。ゼロからは王国軍と合流するのを優先し即時撤退と言われているが、周辺の町や撤退中に後ろを攻撃される可能性がある。その点から言っても私、シル、レイナ、サタンで迎え撃つべきではないだろうか。他の悪魔軍は下げておいて、バックアップをしてもらう方向で」
「いいのではないか。この4人なら万が一危ない状況になっても、逃げることは可能だろう」
リリィの提案にサタンが賛同する。レイナとシルも問題ないようなので、サタンが悪魔軍を下げさせる。
「さて、誰がくるだろうな」
「リリィ、七大悪魔だとしたらリリィにも容赦なく攻撃してくるでしょう。油断なさらぬように」
「分かってる。シルは本当に心配症だな」
リリィとシルが話しをしている間、レイナは魔法剣士になって手にいれたスキル雷の雫を発動させ、自分へエンチャントする。
レイナの身体に雷が纏う。雷を纏ったことにより移動速度、攻撃速度、攻撃力が格段に上がる。
「敵は七大悪魔レヴィアタン様です。私はこれで失礼します」
空中から敵を確認していた悪魔がサタンへ報告し、下がっていく。
「レヴィアタンか。接近戦に持ち込めれば超広範囲魔法を止めれるだろうが、間に合わんな。超広範囲魔法を放たれた場合、我ら4人以外の悪魔軍は全滅してしまうぞ」
「そうだな、なんとかしたいがレヴィアタンの大津波は防げないな」
リリィもレヴィアタンの脅威を知っているからか、諦めたような声で言う。
「私がいくわ。雷エンチャントの私なら、レヴィアタンの魔法を止めれるかもしれない」
「レイナ、相手は七大悪魔だぞ。それもレヴィアタンをなんとかできたとしても、残った悪魔軍を相手にしないといけない。大丈夫なのか?」
「任せて、雷エンチャント状態ならゼロと同じように戦えるわ」
「・・・分かった、レイナに任せる」
レイナの決意に満ちた目を見て、信用し任せることにした。
リリィはレイナがレヴィアタンの魔法を阻止し、生きて帰ってくることが可能だという確信があるのだろうと思ったが、レイナの決意はそういう決意ではない。
レイナが決意している事は、ゼロのためにレヴィアタンの魔法を止めること。それだけだ。
リリィが率いている悪魔軍が倒れれば、リリィの求心力が下がり、ゼロの計画に支障がでる。それをさせないことが私の役目だ。本当は怖い、悪魔に囲まれて戦うなんて無理だと思う。でもやるしかないんだ。
「行ってくるわ」
「レイナ様、この腕輪を付けてください。着けて5秒間だけ相手から見えなくなります」
シルがレイナに腕輪を渡す。
そこへサタンが申し出る。
「我がレイナを投げよう。しっかり意識を保てよ。」
「え、なんで投げることになっているの?」
「レイナの移動術より、我が投げたほうが早いに決まっているからだろう」
レイナはサタンに足を掴まれて宙吊りにされる。
「嘘でしょ!悪魔軍に囲まれるより怖いんだけど!!!」
「しっかりと気を持つんだぞ」
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