135 / 155
第135話・悪魔の国との戦争12
しおりを挟む
協会長の言うことは、ごもっともだとゼロは思う。
「ま、まあ」
「すまん、話の腰をおった。続けてくれ」
「はい、サタンが王国軍の仲間になったという事は王国軍の勝利と同義。サタンに悪魔軍へ負けた事を通達し捕虜になるよう説得してもらいました」
「捕虜になった悪魔軍はどのぐらいいるんだ?」
「正確な数は数えてませんが、結構な数がいるのではないかと」
協会長は結構とはどんな数だと腕を組んで考える。
というか、レッド、サタン、ゼロが戦うような戦場になっていたという事は、王国軍がだいぶ押し込んでいたのか?うーんと協会長は結構な数が把握できないぞと唸る。
「協会長、折り入ってお話しが」
「どうした?」
「俺のギルドメンバーにリリィという悪魔がいます」
「・・・リリィ、fortuneの新メンバーで加入していたやつだな。」
「はい、リリィは七大悪魔のトップに立つルシファーの娘です」
・・・
「ゼロ、俺はなにも聞いていない事にする。後は国王にでも話してくれ」
「いえ、協会長にも是非お力添えをいただけないかと」
「・・・ゼロ、お前はこの展開まで読み切って行動していたのか?」
「全て王国のためです」
正直言えば、王国がどうなろうとどうでもいい。ただfortuneとそれに関わったもの達を救いたい、その一心だけだ。でも協会長にはそう言っておかないと体裁がたもてないよな。
協会長は、一段と大きくため息をつく。
「はぁ、まあゼロがそういうものだとは知っているが、普通の人間には厳しいものがあるぞ」
俺がどういうものなんだよ・・・
「分かった、でなにをすればいい?」
「はい、ルシファーは人間と悪魔が手と手を取り合うべきだと言っていたそうです。
それに反発した七大悪魔がルシファーを監禁し、悪魔軍を率いてイーリス王国へ攻め込んでいるのです。なら、ルシファーの娘が率いるイーリス王国側の悪魔軍を結成し、ルシファーを悪魔の頂点に立たせる。これが王国に一番利益をもたらす戦争の終結方法だと思うのですが」
「また、壮大な夢を語り出したな。そんなこと俺の手に負えるような案件じゃないぞ」
「分かっています。このことは国王様と話したく。
ですが、事が事だけに協会長のお力添えも必要になってくると思いますのでお話しいたしました。
あと、今話したことはご内密に。周りに知られれば面倒事が増えると思います」
「まあ当然だな。じゃあ冒険者協会としては今の流れにのれるように、バックアップするような形でいいわけだな」
「はい。よろしくお願いします」
コンコンと俺と協会長がいる部屋にノックがされる。
「入れ」
協会長が入っていい許可を与える。
そこに入ってきたのはマリさんだ。
「協会長!飛燕さんが重症で運ばれてきました!」
「すぐ見に行く、ゼロもついてくるだろう?」
「もちろん行きます!」
飛燕が重症ってそこまでの相手がでてきたのか?飛燕は底知れぬ力を持っていそうだったのだが。七大悪魔とやり合った可能性があるか。
協会長とゼロは冒険者協会の医務室にかけこむ。
医師が湧きに座っており、ベッドに飛燕が寝かされている。
「容態は?」
「大丈夫です。命に別状はありません」
協会長の言葉に医師が答える。
ベッドに寝た状態で、飛燕はゼロに声を掛ける。
「ゼロ、きてくれたんだね」
「ああ、お前を追い込む敵でもいたのか?」
「いや、奥義を放った反動でこうなってるだけだから心配しないでくれ」
「そうだったのか。無事なようでよかったよ」
飛燕は辛そうにしながらも、笑顔を浮かべる。
ゼロは、飛燕の強さにはまだ先があると思いなおした。奥義がなにか分からないが、ここまでになってしまうほどの力を秘めているのだろう。最強ルーキーの中で最強と呼ばれているのは伊達ではないと。
「七大悪魔と戦ったのか?」
「いや、俺の相手は物理攻撃がほぼ効かない相手だったんだ」
それは飛燕には無理だろうな。そういった敵を任せられるものがいない場合は自分で対処するしかないから、奥義を放った。そんなところか。
「ゆっくりと休んでくれ」
飛燕は眠りにつく。
早く悪魔軍との争いは終わらせないとな。こんなことをしている場合じゃない。
「協会長、明日登城する旨を国王様へお話ししておいてもらえます?」
「分かった、しておいてやる。
色々とゼロから教えられたし、国王様とも話しを進めておく。朝でいいか?」
「お願いします」
ゼロは協会長に明日、国王様に謁見する約束をしてもらうよう通達する。
外を見ると、もうすぐ日没だから狩りに行くのは微妙か。ひとまず精算しようかな?
「マリさん精算をお願いします」
お化け屋敷の精算物をカウンターに置いていく。
「かしこまりましたって・・・あの、このアイテムってお化け屋敷ダンジョンのものですよね?」
「そ、そうですが」
「私昨日の夜にお化け屋敷ダンジョンをゼロさんに教えたんですよ。ゼロさんが間違えて今日行ってきますとか言ってましたけど、あれは冗談ですよね?夜にでも狩る方法を見つけたという事なのでしょうか?
教えてもらいませんか?」
「ま、まあ」
「すまん、話の腰をおった。続けてくれ」
「はい、サタンが王国軍の仲間になったという事は王国軍の勝利と同義。サタンに悪魔軍へ負けた事を通達し捕虜になるよう説得してもらいました」
「捕虜になった悪魔軍はどのぐらいいるんだ?」
「正確な数は数えてませんが、結構な数がいるのではないかと」
協会長は結構とはどんな数だと腕を組んで考える。
というか、レッド、サタン、ゼロが戦うような戦場になっていたという事は、王国軍がだいぶ押し込んでいたのか?うーんと協会長は結構な数が把握できないぞと唸る。
「協会長、折り入ってお話しが」
「どうした?」
「俺のギルドメンバーにリリィという悪魔がいます」
「・・・リリィ、fortuneの新メンバーで加入していたやつだな。」
「はい、リリィは七大悪魔のトップに立つルシファーの娘です」
・・・
「ゼロ、俺はなにも聞いていない事にする。後は国王にでも話してくれ」
「いえ、協会長にも是非お力添えをいただけないかと」
「・・・ゼロ、お前はこの展開まで読み切って行動していたのか?」
「全て王国のためです」
正直言えば、王国がどうなろうとどうでもいい。ただfortuneとそれに関わったもの達を救いたい、その一心だけだ。でも協会長にはそう言っておかないと体裁がたもてないよな。
協会長は、一段と大きくため息をつく。
「はぁ、まあゼロがそういうものだとは知っているが、普通の人間には厳しいものがあるぞ」
俺がどういうものなんだよ・・・
「分かった、でなにをすればいい?」
「はい、ルシファーは人間と悪魔が手と手を取り合うべきだと言っていたそうです。
それに反発した七大悪魔がルシファーを監禁し、悪魔軍を率いてイーリス王国へ攻め込んでいるのです。なら、ルシファーの娘が率いるイーリス王国側の悪魔軍を結成し、ルシファーを悪魔の頂点に立たせる。これが王国に一番利益をもたらす戦争の終結方法だと思うのですが」
「また、壮大な夢を語り出したな。そんなこと俺の手に負えるような案件じゃないぞ」
「分かっています。このことは国王様と話したく。
ですが、事が事だけに協会長のお力添えも必要になってくると思いますのでお話しいたしました。
あと、今話したことはご内密に。周りに知られれば面倒事が増えると思います」
「まあ当然だな。じゃあ冒険者協会としては今の流れにのれるように、バックアップするような形でいいわけだな」
「はい。よろしくお願いします」
コンコンと俺と協会長がいる部屋にノックがされる。
「入れ」
協会長が入っていい許可を与える。
そこに入ってきたのはマリさんだ。
「協会長!飛燕さんが重症で運ばれてきました!」
「すぐ見に行く、ゼロもついてくるだろう?」
「もちろん行きます!」
飛燕が重症ってそこまでの相手がでてきたのか?飛燕は底知れぬ力を持っていそうだったのだが。七大悪魔とやり合った可能性があるか。
協会長とゼロは冒険者協会の医務室にかけこむ。
医師が湧きに座っており、ベッドに飛燕が寝かされている。
「容態は?」
「大丈夫です。命に別状はありません」
協会長の言葉に医師が答える。
ベッドに寝た状態で、飛燕はゼロに声を掛ける。
「ゼロ、きてくれたんだね」
「ああ、お前を追い込む敵でもいたのか?」
「いや、奥義を放った反動でこうなってるだけだから心配しないでくれ」
「そうだったのか。無事なようでよかったよ」
飛燕は辛そうにしながらも、笑顔を浮かべる。
ゼロは、飛燕の強さにはまだ先があると思いなおした。奥義がなにか分からないが、ここまでになってしまうほどの力を秘めているのだろう。最強ルーキーの中で最強と呼ばれているのは伊達ではないと。
「七大悪魔と戦ったのか?」
「いや、俺の相手は物理攻撃がほぼ効かない相手だったんだ」
それは飛燕には無理だろうな。そういった敵を任せられるものがいない場合は自分で対処するしかないから、奥義を放った。そんなところか。
「ゆっくりと休んでくれ」
飛燕は眠りにつく。
早く悪魔軍との争いは終わらせないとな。こんなことをしている場合じゃない。
「協会長、明日登城する旨を国王様へお話ししておいてもらえます?」
「分かった、しておいてやる。
色々とゼロから教えられたし、国王様とも話しを進めておく。朝でいいか?」
「お願いします」
ゼロは協会長に明日、国王様に謁見する約束をしてもらうよう通達する。
外を見ると、もうすぐ日没だから狩りに行くのは微妙か。ひとまず精算しようかな?
「マリさん精算をお願いします」
お化け屋敷の精算物をカウンターに置いていく。
「かしこまりましたって・・・あの、このアイテムってお化け屋敷ダンジョンのものですよね?」
「そ、そうですが」
「私昨日の夜にお化け屋敷ダンジョンをゼロさんに教えたんですよ。ゼロさんが間違えて今日行ってきますとか言ってましたけど、あれは冗談ですよね?夜にでも狩る方法を見つけたという事なのでしょうか?
教えてもらいませんか?」
0
お気に入りに追加
115
あなたにおすすめの小説
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる