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第135話・悪魔の国との戦争12

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協会長の言うことは、ごもっともだとゼロは思う。

「ま、まあ」

「すまん、話の腰をおった。続けてくれ」

「はい、サタンが王国軍の仲間になったという事は王国軍の勝利と同義。サタンに悪魔軍へ負けた事を通達し捕虜になるよう説得してもらいました」

「捕虜になった悪魔軍はどのぐらいいるんだ?」

「正確な数は数えてませんが、結構な数がいるのではないかと」

協会長は結構とはどんな数だと腕を組んで考える。
というか、レッド、サタン、ゼロが戦うような戦場になっていたという事は、王国軍がだいぶ押し込んでいたのか?うーんと協会長は結構な数が把握できないぞと唸る。

「協会長、折り入ってお話しが」

「どうした?」

「俺のギルドメンバーにリリィという悪魔がいます」

「・・・リリィ、fortuneの新メンバーで加入していたやつだな。」

「はい、リリィは七大悪魔のトップに立つルシファーの娘です」

・・・

「ゼロ、俺はなにも聞いていない事にする。後は国王にでも話してくれ」

「いえ、協会長にも是非お力添えをいただけないかと」

「・・・ゼロ、お前はこの展開まで読み切って行動していたのか?」

「全て王国のためです」

正直言えば、王国がどうなろうとどうでもいい。ただfortuneとそれに関わったもの達を救いたい、その一心だけだ。でも協会長にはそう言っておかないと体裁がたもてないよな。
協会長は、一段と大きくため息をつく。

「はぁ、まあゼロがそういうものだとは知っているが、普通の人間には厳しいものがあるぞ」

俺がどういうものなんだよ・・・

「分かった、でなにをすればいい?」

「はい、ルシファーは人間と悪魔が手と手を取り合うべきだと言っていたそうです。
それに反発した七大悪魔がルシファーを監禁し、悪魔軍を率いてイーリス王国へ攻め込んでいるのです。なら、ルシファーの娘が率いるイーリス王国側の悪魔軍を結成し、ルシファーを悪魔の頂点に立たせる。これが王国に一番利益をもたらす戦争の終結方法だと思うのですが」

「また、壮大な夢を語り出したな。そんなこと俺の手に負えるような案件じゃないぞ」

「分かっています。このことは国王様と話したく。
ですが、事が事だけに協会長のお力添えも必要になってくると思いますのでお話しいたしました。
あと、今話したことはご内密に。周りに知られれば面倒事が増えると思います」

「まあ当然だな。じゃあ冒険者協会としては今の流れにのれるように、バックアップするような形でいいわけだな」

「はい。よろしくお願いします」

コンコンと俺と協会長がいる部屋にノックがされる。

「入れ」

協会長が入っていい許可を与える。
そこに入ってきたのはマリさんだ。

「協会長!飛燕さんが重症で運ばれてきました!」

「すぐ見に行く、ゼロもついてくるだろう?」

「もちろん行きます!」

飛燕が重症ってそこまでの相手がでてきたのか?飛燕は底知れぬ力を持っていそうだったのだが。七大悪魔とやり合った可能性があるか。
協会長とゼロは冒険者協会の医務室にかけこむ。
医師が湧きに座っており、ベッドに飛燕が寝かされている。

「容態は?」

「大丈夫です。命に別状はありません」

協会長の言葉に医師が答える。
ベッドに寝た状態で、飛燕はゼロに声を掛ける。

「ゼロ、きてくれたんだね」

「ああ、お前を追い込む敵でもいたのか?」

「いや、奥義を放った反動でこうなってるだけだから心配しないでくれ」

「そうだったのか。無事なようでよかったよ」

飛燕は辛そうにしながらも、笑顔を浮かべる。
ゼロは、飛燕の強さにはまだ先があると思いなおした。奥義がなにか分からないが、ここまでになってしまうほどの力を秘めているのだろう。最強ルーキーの中で最強と呼ばれているのは伊達ではないと。

「七大悪魔と戦ったのか?」

「いや、俺の相手は物理攻撃がほぼ効かない相手だったんだ」

それは飛燕には無理だろうな。そういった敵を任せられるものがいない場合は自分で対処するしかないから、奥義を放った。そんなところか。

「ゆっくりと休んでくれ」

飛燕は眠りにつく。
早く悪魔軍との争いは終わらせないとな。こんなことをしている場合じゃない。

「協会長、明日登城する旨を国王様へお話ししておいてもらえます?」

「分かった、しておいてやる。
色々とゼロから教えられたし、国王様とも話しを進めておく。朝でいいか?」

「お願いします」

ゼロは協会長に明日、国王様に謁見する約束をしてもらうよう通達する。
外を見ると、もうすぐ日没だから狩りに行くのは微妙か。ひとまず精算しようかな?

「マリさん精算をお願いします」

お化け屋敷の精算物をカウンターに置いていく。

「かしこまりましたって・・・あの、このアイテムってお化け屋敷ダンジョンのものですよね?」

「そ、そうですが」

「私昨日の夜にお化け屋敷ダンジョンをゼロさんに教えたんですよ。ゼロさんが間違えて今日行ってきますとか言ってましたけど、あれは冗談ですよね?夜にでも狩る方法を見つけたという事なのでしょうか?
教えてもらいませんか?」
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