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第97話・悪魔の歓迎会2

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「じゃあ次に、スキルや魔法についてだ。
もう一度確認のために聞くが、リリィは複数の人を同時に転移させることは可能か?」

「ああ、本来は1人ずつしか転移させられないが、悪魔固有スキルでクールタイムをなくして全員同時に転移魔法をかける。
そうすれば一斉に転移可能だが、最大MP的に5人が限界だ。
転移距離も魔法の射程ぐらいだと思ってくれ。
後、悪魔固有スキルは一定時間クールタイムがなくなる代わりに、その後HP回復魔法やHP回復ポーションで長い時間回復できなくなるため考慮してくれ」

「了解した。
悪魔の固有スキルは最強に近い性能だと思うが、デメリットが相当に怖いな。
HPが回復できなることを計算にいれつつ、使用することにしよう。
転移魔法は、1人転移させるだけでも戦況を変えられるから十分に使える魔法だな。
あ、あと俺にかけた隔離魔法は、対戦相手や魔法などにも使用可能か?」

リリィは、ああ~といった様子で説明してくれる。

「ああ、ゼロに使った隔離魔法アイソレイトだな。
アイソレイトを使用すれば、対戦相手だろうが魔法だろうが隔離可能だ。
ただ、私抜きで隔離すると隔離時間が非常に短くなるのが欠点なんだ。
私ごと隔離すれば結構長いこと隔離できるんだが、隔離時間が終わると隔離した場所へ現れることになる」

隔離魔法は対戦相手や魔法だけを隔離することも可能、その際は短時間しか隔離できない。
隔離時間が終われば、隔離した場所へ戻ると。
聞いただけでも凶悪すぎる魔法だな、うまく決まれば相手を分断や意表をつくことも容易いだろう。
後は攻撃魔法だな、イメージ的には通常魔法より次元魔法のほうが上のランクで圧倒的な火力がだせそうだもんな。

「リリィ、攻撃面はどうだろうか?
次元魔法というと一般的な魔法である火や水や風などの魔法より、
ランクが上なイメージなんだが」

「そうだな、一般的な魔法より次元魔法のほうが優勢になるのは間違いない。
だが、優勢なだけであって次元魔法より、一般的な魔法のほうが強大な場合は勝てないこともある。過信は禁物ということだな」

他の魔法より次元魔法は優勢になるが、圧倒的に強いという訳ではないと。

「その攻撃魔法はドラゴンのブレスのように放てる次元魔法はあるのだろうか?」

「ある、切り札的に近い」

素晴らしい!
このギルドに最強が現れてしまったかもしれない。
ギルドバトルの作戦は大幅に広がったし、奇襲、攻撃、防御、回避と全てが揃ったプレイヤーが現れたのだ。
今日は飲むぞー!

「よしよし。
リリィお前は最高だ!今日は飲もうぜー!」

リリィの頭を思わず撫でてしまう。

「あ、ああ。
よ、よろしく頼む」

リリィは照れたように俯く。

「ゼロさん!新しいギルドメンバーに馴れ馴れしくないですか!」

ルリからお叱りを受けて、しまったと思う。
どうもギルドメンバーという仲間と思ってしまい、気安くなってしまう。

「ご、ごめんリ・・・」

「そうよ、ま~たゼロは私を放っておいて!
さっきミラに言われたでしょ!」

レイナに抱き着かれる。
ちょ!レイナ、胸も当たってるし大胆すぎだぞって酔っぱらってるじゃないか。
えへへ~と言って離してくれない。

「レイナさん!そんな羨ましいことを人前でしてはダメです!」

ルリがレイナを引き剝がそうと飛んでくる。

おいおい!公衆の面前でゼロがいちゃつきだしたぞ!
制裁すべし!こんな酒場で見せつけおって、堪忍ならん!
処刑するべき!このハーレム野郎に天罰を!
酒場の男共が俺に向かって野次を飛ばしながらヒートアップしてくる。

ま、まずい!
野郎共が立ち上がりだしている、マジで俺をリンチする気だ!

「ミラさん!お代金はツケておいてもらいますか!
明日には払いにきますので!」

「ゼロさんなら信用してますから、大丈夫ですよ。
早くレイナをお持ち帰りしてください」

「「「ゼロ、てめー!!!!」」」

ミラさん!野郎共の油に火を投入しないでください!
この状況下は、生きるか死ぬかの瀬戸際ですよ!

「リリィ、ギルドマスター命令だ!
お願いします、fortuneメンバーをできるだけ遠くに転移してください。
本当に、心の底から、なんでもしますからお願いします」

俺はリリィに丁寧にかつ紳士的にお願いする。
本当に助けてという気持ちを込めてお願いする。
マジでこの人数にボコられたら、明日ギルドバトルに参加できないかもしれん!
いや俺の命が今日で尽きるかもしれん!

「ふふ、ゼロと一緒にいれば退屈なんて言葉はなくなりますわ。
リリィさんもそう思いません?」

「だな、ゼロがここまで面白いやつだとは思わなかった。
悪魔の契約!転移!」

ふっとした浮遊感があったとおもったら、酒場より少し離れた外だ。
レイナは俺の横で寝ている、お前のせいで死にそうになったんだが・・・

「ゼロさん、公衆の面前でああいうことをしてはいけません!」

お、俺がしたわけじゃないんだ。

「リリィさんの転移は物凄いですわ。
障害物も通過可能なんですのね」

「ああ、ある程度イメージできれば転移可能だ」
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