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第27話・カオス帝国の侵略4

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「ああ、補給部隊の護衛についてエアまで来たら戦況がおもわしくないっていうのを聞いて、最前線の役に立とうかなと」

「悪いことは言わないわ、帰りなさい。あそこで戦っているのはLV40以上の猛者ばかりよ」

「ごめん、帰ることはできない。俺は引くわけにはいかない」

俺の大切な人が住むイーリス王国を守る大義名分もあるし、大規模戦闘に参加できるなら参加したい!
レイナに睨まれるが引かないぞ!

「・・・はぁ、分かったわ。でも絶対に無理しないでね、ゼロに死んでほしくない」

「ありがとう。俺は無理をする気はないけどレイナは大丈夫なのか。Eランク前衛職では最前線は過酷じゃないのか?」

「ええ、でも私も引くことはできないのよ。命に代えてもやらなくてはならないの」

並々ならぬ決意があるのは分かる。だが、最前線で戦うのは無茶だ。
ここで止めれるなら止めたいが、俺の技量ではケガをさせずに気絶させるのは無理だ。

「分かった、だが約束してくれ。必ず生きて一緒に帰ると。死ぬつもりなら、ここで俺がレイナを止める」

「ふふ、私は死ぬつもりはないから大丈夫よ」

「分かった、だが戦争の最前線は魔法や矢など遠距離職からの攻撃が飛び交う場所だ。そこへ低LVの剣士が出ていったところで死ぬだけになる。必ず、最前線配属は避けて別のかたちで貢献してくれ。それがレイナにできる戦争の活躍方法だ」

「私が最前線で戦っても意味のないことくらい分かってるわ、大丈夫よ。心配してくれてありがとう」

「ああ」

レイナはどこか優し気な笑みを浮かべる。
こういう笑顔をするキャラクターは死ぬと相場が決まっている、それは必ず阻止して見せる!

レイナと最前線へ行くと王国軍が後退しながら凌いでいる姿が見受けられる。爆発や雷、氷や矢の雨など最前線は激しい戦いが起こっている。
王国軍指揮官らしき人のところへ行くと、配属先を任命された。
俺の役割は最前線の後衛ポジションで魔法を放ちつづけること。
そうそう!魔法使いはここが最高のポジションだ、当然前衛が崩れれば死ぬ事は必須だけど、前衛職も王国軍精鋭だろうし問題ないだろうと思っている。

懸念は別の配属先になったレイナだ。
正直あの遠距離攻撃の雨の中に立てば一瞬で死んでしまう。そんなことを許すつもりはないがどこに配属になったのだろうか。

「お前、冒険者か!助かった、カオス帝国軍前衛へ向けて魔法を放ってくれ。当たらなくても牽制になるからな。」

王国軍最前線後衛ポジションにいた魔法使い精鋭っぽい人に声をかけられる。

「一つ聞きます、殺していいんですね?」

「ああ。戦争はやるか、やられるかだ」

っし!牽制でもいいなんて言われるから時間稼ぎをしている可能性も?と思ったのだが倒してしまっていいらしい。
ダブルキラーウインド2つは待機済みだ。

爆風の杖が風を纏いだす。
エネミーサーチで敵影把握。目に見えないアサシンが何人もいて要所要所で静かに暗殺しているようだ。俺の獲物は硬い相手じゃなく、紙装甲の潜んでるやつだ。

「では、俺参戦!初手ダブルキラーウインド!」

「ガッ!」「ギィッ!」

最前線で姿を隠しながら移動しているアサシン2人を風で斬りつける。攻撃をくらった事で姿を現して2人倒れた。
目視できない場所指定の攻撃魔法のため、スキル以外で避けるのは不可能だろう。
爆風の杖というユニーク一歩手前の火力をもつ武器から繰り出される斬撃を紙装甲が耐えきれるはずもない。致命傷だ。そこを前衛にいた剣士が斬りつけて止めを刺す。

楽っしいー!!!!!!
そうだよ!対人戦ってこういうもんなんだよ!役割分担して、協力して全力で目の前の敵を倒す!
MMO時代のギルドバトルの記憶が蘇る、最高の思い出が。
攻撃したいがキラーウインドのクールタイムが邪魔だ!他にも隠れているアサシンはいるが、通常魔法では避けられるだろう。
なら、もういいか。

爆風の杖がいつもより激しい風を纏いだす。
「ディレイスペル起動。キラーウインドsix」

待機していたダブルキラーウインド3つが起動する。

「ぐふッ」「ギッ!」「「「「ッ!!!」」」」

6人のアサシンが風にぶった斬られ姿を現して、悶絶している。
速攻で全員を王国軍兵士がとどめをさした。
8人連続KILL!!!

「ふははは!どっかのバカが景気よく倒しまくっているらしい。それも同時にアサシン6人をやりやがった。あんな目立ち方されたら俺がもっと目立つしかねえな!」

赤い髪に上半身裸で大剣を持った男が息を全力で吸って全力で吠える。
「この俺が!虹の赤バーサーカーだー!!!お前ら全員血祭りだーーーーー!!」

ブワッと赤い闘気が一帯にあふれると同時に、カオス帝国軍が一気に吹っ飛び舞い上がる。

「ふはははははは!雑魚が!どいつもこいつもいきがりやがって死にやがれ!」

「バーサーカー!やっちまってくれ!」
「待ってたぜ!カオス帝国軍なんてぶっ殺してくれ!」
「カオス帝国びびってるぜ!」

「はあ、強者がいないからつまんねと言って適当に戦って苦戦していたのに、強者にあてられて戦場で大暴れって本当に王国軍最強部隊「虹」ですか・・・」
青い髪をした青年は一言愚痴り、戦線から撤退していく。
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