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第25話・カオス帝国の侵略2

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「ご心配いただき、ありがとうございます」

「すぐに冒険者協会に行きます」

「参加するのですか?」

「はい、私もイーリス王国を守るお手伝いはできるかなと」

この戦争は絶対に参加するぜ!こういうイベントは参加が絶対だ。

「いってらっしゃいませ」

「今日は、ルリさんのLV上げができないかもしれません」

「父には言っておきます」

「よろしくお願いします」

ルリさんと別れ、冒険者協会に入る。
とっても人が多い、戦争で殺気立ってる感じがするな。

「マリさんすみません、戦争と聞いたのですが」

「そうなんです。現在、カオス帝国がエアの町へ向けて侵攻しており、そこを王国軍が迎撃しています」

マリさんが戦況を説明してくれるが、ルリさんは詳細をどこで手にいれたんだろうか。

「そうなんですね、俺も参加できませんか?」

「ゼロさんも参加していただけるんですか?」

「はい、正直LVも低いのでなにができるか分かりませんが」

「ここから先、冒険者協会は一切のサポートができません。国からお願いされている指示をそのまま伝えます、Eランクの冒険者にはエアの町へ届ける補給物資の護衛をお願いします。王国の補給物資護衛馬車へお乗りください」

「ありがとうございます、行ってきます」

「ご武運を」

よし!対人戦だ!ギルドバトルより先に戦争をすることになった事にビックリだけど、個人的には是非参戦してみたい。イーリス王国を守ってみせる!

護衛用の馬車に乗り込む。
そこには数人の冒険者と王国軍の兵士がいた。
王国軍の兵士が冒険者達に説明する。

「冒険者の皆さんには、補給物資を積んだ馬車の護衛をお願いしたいです。
万が一、補給物資を狙ってカオス帝国が襲ってきた場合には迎撃をお願いします。
エアの町に補給物資を送り続けないと、戦線が維持できなくなってしまいますので」

おお、ちゃんと低LVにも戦争参加時の役割があるじゃないか。
護衛任務って事は襲ってくる可能性もあるってことだろうから、キラーウインド2つを待機させておくか、詠唱しておく。

「俺に任せとけ!カオス帝国の野郎なんかボコボコにしてやるぜ!」

元気よくほざいているが、騒ぐやつほど弱いやつが多いよな。
レンとかな。
他の冒険者達は戦争ということもあり、ピリピリしている。

まあ、現実に戦争にいくという事になったらこうなるよな。ゲームだからいいけど。
馬車に揺られて結構時間が経ったと思う。

エネミーサーチに敵が引っかかる。1人だがものすごいスピードで走ってくる。
エアの町を越えて襲ってくるとは、カオス帝国はやり手だな。
それも、Eランク冒険者なんて高ランク冒険者がきたら一瞬で全員お陀仏だろう。

「敵がきましたので、殲滅してきます」

と俺はすぐに馬車を飛び降り、走ってきている方向へ走る。

「おい!本当なのか!」

と王国軍の兵士から聞こえてくるが説明している暇はない。

爆風の杖は風を纏いだす。
敵がいる方向を見ると草原が広がっており、敵影もみえない。
だが、もう見える位置にはきているはず。
近寄ってくる。

隠蔽スキルか、アサシンか?
それが、ここまでこれた理由か。
だが、俺のエネミーサーチは風で敵を判別する。
アサシンだろうと風からは逃れられない。

さあ、キラーウインドの出番だ。
インプ戦で、目視したものを攻撃するのではなくエネミーサーチで判別した敵の位置を斬るという芸当は散々練習した。
そして、ディレイスペルでダブルキラーウインドが2つある。
あのアサシンは単独で襲撃してきたってことは手練れだろうから、ダブルキラーウインド1撃ではなんらかのスキルで避ける可能性も考慮して攻撃する。
さあ、狩りを始めよう。

俺の初手はキラーウインド6回でアサシン周辺を斬る。逃がさない!
見えてはいないが、すごいスピードで突っ込んでくるのは見えている!
くらえ!

「ダブルキラーウインド!」

ディレイスペルを含めたキラーウインドの計6回がアサシン周辺を無作為に斬る。

「がはっ!!!」

爆風が、アサシンをエグいぐらいに胴体を斬った。致命傷だろう。

但し、アサシンの動きはおかしかった。
俺のキラーウインドは指定した場所を斬るはずなのに、それを避けるスキルかなにかで避けたとしか思えない動きだった。
俺は相手の位置を中心に斬ったので、ずたずたにできるはずだったが胴体を斬ることしかできなかったのだ。世の中には色々なスキルがあるのだろう。
倒れている敵に近寄る。虫の息だ。

「ぐ、なぜだ。俺の直感スキルは見えない魔法だろうと予測し、避けれたはずだ・・・何故・・・」

息を引き取る。
アサシンという職業もやはりあるのか。
これはいい情報だ。
そして、キラーウインドは対人戦で猛威をふるうな。指定した場所を斬ることで、避けるのは不可能に近いし、ディレイスペル込みなら高火力にもなりうる。

「おーい!大丈夫かー?」

馬車にいた王国軍の兵士が遠くから走ってくる。

「大丈夫です。この倒れているのがカオス帝国のアサシンです」

「よく倒せたな。ここまで単独で攻め込んでくるってことは、そうとうに高LVだったかもしれないのに」

「火力と範囲攻撃には自信のある風魔法なので」

「風魔法は低火力で有名だが、そこまで強いものなのだな」
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