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第十章 Aランク昇格編
第205話 マンドラゴラ 其の五
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ギルドでヘルガさんのお弁当を二人で食べ、この後どうするか話し合う。レクタムには選択肢は二つ──ニザヘナに移動して二回目の討伐に出かけるか、移動だけ済ませて今日はもう休むか。
ニザヘナといえば半年前はマリーと兄さんもいて、色んなスイーツを食べて盛り上がったっけ。兄さんにはときどきミャクーに行って会っているが、マリーは元気にやっているだろうか。
一応レクタム周辺の他の森に棲むまだ討伐していないBランク相当のモンスターを探すという選択肢もなくはないが、予定のルートには含めていないため選ぶべきではないだろう。
「俺としては少しでも早いペースで討伐して終盤に余裕を作りたいんですが──」
「でも今日のマンドラゴラ探しで足腰が結構疲れたんじゃないかい?」
俺が今から言おうとしていたことを的確に突いてくる。
「そうなんですよ、屈んでの作業を続けたせいでどうしても脚が重くて……」
「じゃあ討伐は明日にして今日は移動だけにしよう。自分のコンディションをしっかり把握して討伐の日程を決めるのは大事だからね? 特にコルネくんは一人なんだから常に逃げる体力を残しつつ戦わないと」
師匠には以前から口を酸っぱくしてそう言われている。ただニザヘナのモンスターはそんなに強くないと聞いていたから、ちょっとくらい疲れていても大丈夫かな、なんて考えが頭をよぎってしまった。
考える間もなく今日はこれ以上の討伐は避けるべきと即断すべきだった──そう反省していると、師匠ががさごそと鞄の中から一枚の紙を取り出す。
「ニザヘナに着いたら前行ったベリー・トトリーともう一つここに行ってみたいな……最近オープンしたらしくてさ」
ソワソワしている師匠が持っている紙には、大きな「新規オープン」という文字と美味しそうなスイーツの絵が描かれている。
ニザヘナではまたベリー・トトリーには行くんだろうなとぼんやりとは思っていたが、まさか新しいお店の情報まで事前に集めていたとは……そこまでは読めていなかった。
もし俺がマンドラゴラに手こずってここレクタムに何日もいたり、途中でやめていたりしたら、あのチラシは師匠の鞄に入ったままだったんだろうな。改めて早くマンドラゴラを見つけられてよかったと思う。
今、俺の脚は疲れが溜まってはいるが、棒になるほどではない。このままニザヘナまで飛ばして、空かせたお腹でスイーツを堪能しよう。
ニザヘナといえば半年前はマリーと兄さんもいて、色んなスイーツを食べて盛り上がったっけ。兄さんにはときどきミャクーに行って会っているが、マリーは元気にやっているだろうか。
一応レクタム周辺の他の森に棲むまだ討伐していないBランク相当のモンスターを探すという選択肢もなくはないが、予定のルートには含めていないため選ぶべきではないだろう。
「俺としては少しでも早いペースで討伐して終盤に余裕を作りたいんですが──」
「でも今日のマンドラゴラ探しで足腰が結構疲れたんじゃないかい?」
俺が今から言おうとしていたことを的確に突いてくる。
「そうなんですよ、屈んでの作業を続けたせいでどうしても脚が重くて……」
「じゃあ討伐は明日にして今日は移動だけにしよう。自分のコンディションをしっかり把握して討伐の日程を決めるのは大事だからね? 特にコルネくんは一人なんだから常に逃げる体力を残しつつ戦わないと」
師匠には以前から口を酸っぱくしてそう言われている。ただニザヘナのモンスターはそんなに強くないと聞いていたから、ちょっとくらい疲れていても大丈夫かな、なんて考えが頭をよぎってしまった。
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もし俺がマンドラゴラに手こずってここレクタムに何日もいたり、途中でやめていたりしたら、あのチラシは師匠の鞄に入ったままだったんだろうな。改めて早くマンドラゴラを見つけられてよかったと思う。
今、俺の脚は疲れが溜まってはいるが、棒になるほどではない。このままニザヘナまで飛ばして、空かせたお腹でスイーツを堪能しよう。
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