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第十章 Aランク昇格編
第202話 マンドラゴラ 其の二
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耳栓をして意気揚々と森に入ると、マンドラゴラの可能性がある丸い葉っぱがそこかしこに見える。マンドラゴラに似た植物「ファム」は固まって生えている雑草のように、根っこの部分が繋がっているのだろうか。
念のため事前に葉っぱの形を覚えてきたのだが、こんなにたくさんあるのなら見分ける必要もない。どうやら役に立たなさそうだ。
マンドラゴラは捕まえられないためか森の奥に多く生息しているらしいので、鍛えた魔力操作を使って地図を確認しながら一気に深いところまで入っていく。
一つ一つ調べながら奥へ向かうよりはこちらの方が断然効率はいいだろう。
しばらく行くと、森の中心部──地図を見る限りはそう思われる──に着く。最初は同業者がちらほら見えていたのだが、だんだんと減っていき、ここまで来ると周囲に人影はない。
耳栓をしているため音は明瞭には聞こえておらず、実際に人がいないかは分からない。しかし、早い時間帯にここまで来るためには俺と同じくらいの速さで移動できなければいけないので、実質的に不可能だろう。
他の冒険者がいない分、もしかしたらここならマンドラゴラが見つかるかもしれない。
さて探し始めるかと、シャベルを足元にある葉の側に突き立てると、根がプチプチと切れる感触が伝わってくる。これはマンドラゴラではなかったようだ。
分かってはいたが、そんなにすんなり見つかるわけないか──どんどん調べていこう。
* * *
コルネくんがギルドから出て行った後、他の冒険者に紛れて僕もギルドを出る。ポケットから、あらかじめラムハで購入しておいた耳栓を取り出して詰める。
僕は最初からギルドで待っているつもりはなかった。ここでなかなかマンドラゴラを見つけられず何日も使ってしまうパーティは多い。だからルール違反にならない程度にほんの少しだけ手伝おうという魂胆だ。
それと正直、生きたマンドラゴラを一度見てみたかった。
地図を回転させて指でなぞったかと思うと、コルネくんは急に走りだす。僕も気付かれないように十分に距離を取って追いかける。
耳栓をしているから音は拾われにくいはずだが、油断は禁物だ。おそらく迷わないために直線的な移動しかしないはずだから、見失うことはないだろう。
だんだんと木の密度が増していき、草の色がみな同じ見えるほど薄暗いところまで来るとコルネくんは立ち止まる。どうやらここでマンドラゴラ探しを始めるようだ。キョロキョロと周りを見渡しているが、気付かれてないだろうな。
もう少し離れて僕もマンドラゴラを探すか。聞くところによると、マンドラゴラは見つかると逃げようとし、逃げた先で他の冒険者に捕まることもあるらしい。
つまり僕がマンドラゴラを掘り当ててコルネくんの方に誘導できれば、それはコルネくんの手柄になるわけで──そこまで上手くいくとは思っていないが、逃げたマンドラゴラはまた土に潜る。ある程度マンドラゴラを彼の近くに移動させることはできるだろう。
念のため事前に葉っぱの形を覚えてきたのだが、こんなにたくさんあるのなら見分ける必要もない。どうやら役に立たなさそうだ。
マンドラゴラは捕まえられないためか森の奥に多く生息しているらしいので、鍛えた魔力操作を使って地図を確認しながら一気に深いところまで入っていく。
一つ一つ調べながら奥へ向かうよりはこちらの方が断然効率はいいだろう。
しばらく行くと、森の中心部──地図を見る限りはそう思われる──に着く。最初は同業者がちらほら見えていたのだが、だんだんと減っていき、ここまで来ると周囲に人影はない。
耳栓をしているため音は明瞭には聞こえておらず、実際に人がいないかは分からない。しかし、早い時間帯にここまで来るためには俺と同じくらいの速さで移動できなければいけないので、実質的に不可能だろう。
他の冒険者がいない分、もしかしたらここならマンドラゴラが見つかるかもしれない。
さて探し始めるかと、シャベルを足元にある葉の側に突き立てると、根がプチプチと切れる感触が伝わってくる。これはマンドラゴラではなかったようだ。
分かってはいたが、そんなにすんなり見つかるわけないか──どんどん調べていこう。
* * *
コルネくんがギルドから出て行った後、他の冒険者に紛れて僕もギルドを出る。ポケットから、あらかじめラムハで購入しておいた耳栓を取り出して詰める。
僕は最初からギルドで待っているつもりはなかった。ここでなかなかマンドラゴラを見つけられず何日も使ってしまうパーティは多い。だからルール違反にならない程度にほんの少しだけ手伝おうという魂胆だ。
それと正直、生きたマンドラゴラを一度見てみたかった。
地図を回転させて指でなぞったかと思うと、コルネくんは急に走りだす。僕も気付かれないように十分に距離を取って追いかける。
耳栓をしているから音は拾われにくいはずだが、油断は禁物だ。おそらく迷わないために直線的な移動しかしないはずだから、見失うことはないだろう。
だんだんと木の密度が増していき、草の色がみな同じ見えるほど薄暗いところまで来るとコルネくんは立ち止まる。どうやらここでマンドラゴラ探しを始めるようだ。キョロキョロと周りを見渡しているが、気付かれてないだろうな。
もう少し離れて僕もマンドラゴラを探すか。聞くところによると、マンドラゴラは見つかると逃げようとし、逃げた先で他の冒険者に捕まることもあるらしい。
つまり僕がマンドラゴラを掘り当ててコルネくんの方に誘導できれば、それはコルネくんの手柄になるわけで──そこまで上手くいくとは思っていないが、逃げたマンドラゴラはまた土に潜る。ある程度マンドラゴラを彼の近くに移動させることはできるだろう。
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