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第八章 新しいメニューと緊急クエスト編
第161話 オーガ討伐を終えて 其の二
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オーガ討伐の報告から時間が経ってないのだから準備する時間があるはずもない。薄々分かってはいたが、ご馳走なんてものがすぐに出てくるはずがなかった。
村長に連れてこられた建物では、村の人たちが食材を持ち寄ってきて今から作ろうというところだった。
冒険者たちが落胆している素振りを見せまいと、無理やり盛り上がっているそばで、「呼んでくるのは後でって言ったじゃないですか」と村長が村人たちに詰め寄られている。
持ち寄られた食材は、数十人という冒険者が飲み食いするには到底足りない量だった。ヴィレアという村はそんなに豊かとは聞かないし、この食材だって今日だったり明日だったり自分たちが食べる予定だったものなのだろう。
見かねた一人の冒険者が「俺、ギルドから肉買ってくる!」と言って飛び出していく。俺も俺もと他の冒険者も続き、もちろん僕も一緒にギルドに向かう。
冒険者ギルドの業務は、基本的には「素材がほしい」や「この日だけ店を手伝ってほしい」といった外部からの依頼をクエストという形で冒険者に委託することだ。
それに加えて繁殖力の強いモンスターを一定数狩ることで、モンスターが増えすぎるのを防ぐという役割も担っている。
素材の必要ない討伐クエストがこれにあたり、こういったクエストは外部からの依頼ではなく冒険者ギルドからのクエストとして出ているというわけだ。
他にも討伐クエストに付随するものとして、素材の買い取りを行っている。買い取った素材は依頼者に売るのだが、肉を捌いたり毛皮を剥いだりする設備は当然としてそれまで保管しておく設備も必要になる。
そのためギルドには常に低温に保たれている倉庫があり、モンスターの肉や素材がまとめて保管されているのだ。
倉庫に保管されているものは基本的に全て依頼者に渡すものなのだが、例外も存在する。モンスターが襲ってきたので倒した、などの理由でクエストに上がっていないモンスターを倒した場合の素材だ。
そういったものは、冒険者ギルドから依頼者にいらないかと持ち掛けて売っているらしいと聞いたことがある。
だから買い手がまだついていないそういった肉を買ってくるということなのだろう。
「昨日、買い取ってもらったウルフの肉はまだあるかい? あったら買い戻したいんだけども」
ギルドで一番に駆けてきた冒険者が素材担当の職員に訊く。なるほど、あてがあったのか。
「ありますよ。ただ解体料も加わるので、買い取った値段よりは少し高くなりますが、それでもいいですか?」
「ああ、今必要なんだ」
「今──ああ、分かりました。持ってくるので待っててください」
今と聞いてピンときた様子のギルド職員の男はそう告げて奥へと消えていき、しばらくすると大きな肉塊を持って再び現れる。
「これと同じ大きさのものがもう六つほどありますので、落とさないように一人一つずつ運んでください」
次々と運ばれてくる肉塊を手渡された冒険者たちはそのままギルドを出ていった。残された僕たちは、十分すぎる量の肉が運ばれていくのを見て、手ぶらで戻った。
村長に連れてこられた建物では、村の人たちが食材を持ち寄ってきて今から作ろうというところだった。
冒険者たちが落胆している素振りを見せまいと、無理やり盛り上がっているそばで、「呼んでくるのは後でって言ったじゃないですか」と村長が村人たちに詰め寄られている。
持ち寄られた食材は、数十人という冒険者が飲み食いするには到底足りない量だった。ヴィレアという村はそんなに豊かとは聞かないし、この食材だって今日だったり明日だったり自分たちが食べる予定だったものなのだろう。
見かねた一人の冒険者が「俺、ギルドから肉買ってくる!」と言って飛び出していく。俺も俺もと他の冒険者も続き、もちろん僕も一緒にギルドに向かう。
冒険者ギルドの業務は、基本的には「素材がほしい」や「この日だけ店を手伝ってほしい」といった外部からの依頼をクエストという形で冒険者に委託することだ。
それに加えて繁殖力の強いモンスターを一定数狩ることで、モンスターが増えすぎるのを防ぐという役割も担っている。
素材の必要ない討伐クエストがこれにあたり、こういったクエストは外部からの依頼ではなく冒険者ギルドからのクエストとして出ているというわけだ。
他にも討伐クエストに付随するものとして、素材の買い取りを行っている。買い取った素材は依頼者に売るのだが、肉を捌いたり毛皮を剥いだりする設備は当然としてそれまで保管しておく設備も必要になる。
そのためギルドには常に低温に保たれている倉庫があり、モンスターの肉や素材がまとめて保管されているのだ。
倉庫に保管されているものは基本的に全て依頼者に渡すものなのだが、例外も存在する。モンスターが襲ってきたので倒した、などの理由でクエストに上がっていないモンスターを倒した場合の素材だ。
そういったものは、冒険者ギルドから依頼者にいらないかと持ち掛けて売っているらしいと聞いたことがある。
だから買い手がまだついていないそういった肉を買ってくるということなのだろう。
「昨日、買い取ってもらったウルフの肉はまだあるかい? あったら買い戻したいんだけども」
ギルドで一番に駆けてきた冒険者が素材担当の職員に訊く。なるほど、あてがあったのか。
「ありますよ。ただ解体料も加わるので、買い取った値段よりは少し高くなりますが、それでもいいですか?」
「ああ、今必要なんだ」
「今──ああ、分かりました。持ってくるので待っててください」
今と聞いてピンときた様子のギルド職員の男はそう告げて奥へと消えていき、しばらくすると大きな肉塊を持って再び現れる。
「これと同じ大きさのものがもう六つほどありますので、落とさないように一人一つずつ運んでください」
次々と運ばれてくる肉塊を手渡された冒険者たちはそのままギルドを出ていった。残された僕たちは、十分すぎる量の肉が運ばれていくのを見て、手ぶらで戻った。
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