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第七章 里帰りと収穫祭編
第135話 収穫祭当日 其の三
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串焼きをペロリと食べたヘルガさんは、すでに準備を済ませていたようで、すぐに出かけていった。
師匠が自室に籠っているので、俺も買ったものを整理する。といっても、俺は特に整理が必要なほど多くは買っていない。
保存のきく甘味に、みんなでやるためのゲーム──どれも今すぐには楽しめないものばかりだ。
外からは賑やかに人々が騒ぐ声が聞こえる。俺はいてもたってもいられなくなり、師匠に「お祭りに行ってくる」と告げ、また道場を出た。
外に出ると、ステージが始まったからか人がさっきよりも増えているのが分かる。
ステージか──やはりこの祭りの華であるステージを一度は見に行かないとな。こんなに大きな祭りのステージなのだ、きっととても楽しいものに違いない。
それに俺たち以外の出演者が、一体どんなことをするのかも気になる。
そう思い、俺はステージを目指して歩く。ステージの設置されている広場は街の中央にあり、そのあたりは人でごった返しているだろう。
人波に流されて進むのは大変かもしれないが、それでもステージを見に行きたい──いや、行くしかないのだ。
ステージのある広場に近づくにつれて、周りがどんどん賑やかになっていくのが分かる。やはり出しものをやっているステージの周辺には人が集まってくるのだろう。
広場の近くの通りですらこの人の多さだから、この調子だと広場は人で埋め尽くされていて、ステージが豆粒に見えるような距離からしか見られないかもしれない。
そう考えながら、通りを歩いていると前方の人混みの中に見知った顔をみつける。
あれは──ジャンじゃないか。そして隣にいるのは領主様だ。ステージを見た帰りなのか、ジャンは誰かに肩車されたまま移動しているようだ。
関わりたくない──真っ先に頭に浮かんだのはその言葉だった。ジャンからはきっとまた自慢話を聞かされるし、領主様からは「息子を放ってパーティを抜けおって」とお咎めがあるかもしれない。
引き返して、違う通りから広場に向かおう。そう思ったが、人の流れに半ば押されている状態で、急に向きを変えるのは難しい。
ここは気付かれないようにすれ違ってしまおう。向きを変えられないのは向こうも同じはず──すれ違ってさえしまえば、こちらに気付かれる心配はない。
なるべく顔を見せないように、ジャンとは反対側を眺めているふりをして──
「あっ、コルネだ! 何でここに!?」
「コルネ……というとジャンが入ったパーティの──」
──駄目でした。
師匠が自室に籠っているので、俺も買ったものを整理する。といっても、俺は特に整理が必要なほど多くは買っていない。
保存のきく甘味に、みんなでやるためのゲーム──どれも今すぐには楽しめないものばかりだ。
外からは賑やかに人々が騒ぐ声が聞こえる。俺はいてもたってもいられなくなり、師匠に「お祭りに行ってくる」と告げ、また道場を出た。
外に出ると、ステージが始まったからか人がさっきよりも増えているのが分かる。
ステージか──やはりこの祭りの華であるステージを一度は見に行かないとな。こんなに大きな祭りのステージなのだ、きっととても楽しいものに違いない。
それに俺たち以外の出演者が、一体どんなことをするのかも気になる。
そう思い、俺はステージを目指して歩く。ステージの設置されている広場は街の中央にあり、そのあたりは人でごった返しているだろう。
人波に流されて進むのは大変かもしれないが、それでもステージを見に行きたい──いや、行くしかないのだ。
ステージのある広場に近づくにつれて、周りがどんどん賑やかになっていくのが分かる。やはり出しものをやっているステージの周辺には人が集まってくるのだろう。
広場の近くの通りですらこの人の多さだから、この調子だと広場は人で埋め尽くされていて、ステージが豆粒に見えるような距離からしか見られないかもしれない。
そう考えながら、通りを歩いていると前方の人混みの中に見知った顔をみつける。
あれは──ジャンじゃないか。そして隣にいるのは領主様だ。ステージを見た帰りなのか、ジャンは誰かに肩車されたまま移動しているようだ。
関わりたくない──真っ先に頭に浮かんだのはその言葉だった。ジャンからはきっとまた自慢話を聞かされるし、領主様からは「息子を放ってパーティを抜けおって」とお咎めがあるかもしれない。
引き返して、違う通りから広場に向かおう。そう思ったが、人の流れに半ば押されている状態で、急に向きを変えるのは難しい。
ここは気付かれないようにすれ違ってしまおう。向きを変えられないのは向こうも同じはず──すれ違ってさえしまえば、こちらに気付かれる心配はない。
なるべく顔を見せないように、ジャンとは反対側を眺めているふりをして──
「あっ、コルネだ! 何でここに!?」
「コルネ……というとジャンが入ったパーティの──」
──駄目でした。
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