123 / 328
第七章 里帰りと収穫祭編
第119話 演出プラン
しおりを挟む
一度孤児院を出て、子どもたちにどう魔法剣を見せるかプランを練る。ただ出来る魔法剣をパッパッと切り替えるのではなく、子どもたちに楽しんでもらえるように魔法剣を見せるべきだろう。
まず何の魔法剣を見せるかだが、炎の魔法剣は絶対に見せたい。俺の原点でもある上に、やはり俺が使えるどの魔法剣よりも見映えがいい。夜闇に煌々と輝く炎は何といっても幻想的だ。
暗くなった外で見せることを考えれば、光るものが映えるのは間違いない。そうなると、候補として上がるのは雷と光だ。
雷は、炎とはまた違った趣がありよさそうだが、光はなぁ……まだあんまり得意ではないのだ。
魔法としての「ブライト」は実際にモンスターの目くらましに使えるほど上達したのだが、魔法剣で使うと薄っすらと剣が光る程度なのだ。
実戦では、ブライトが使えれば光の魔法剣として使う必要がないので、纏わせる練習をあまりしようという気が起きず、ブライトの習得からは時間が経った今でも魔法剣では使えていないのが現状だ。
薄っすらと光る程度だからこそ、直視できるため披露することはできそうだが……これを他の人に見せるのは、自分の未熟さをさらけ出してしまっているようで気が進まない。
しかしその意地のようなものだけで、選択肢から外してしまうのは……とりあえず試してみて、それから考えるか。
村の真ん中で剣を抜くのはまずいので、俺はギルド近くの山まで歩き、ついでに宿を取ってくることにした。
「これはなかなか……」
背の高い木々で覆われた薄暗い場所で試してみたところ、光の魔法剣は思ったより綺麗だった。ポゥと仄かに光っている剣は、儚げで魅力的だった。
昼間にしか使ったことがなかったから、こんなに綺麗だとは知らなかった。帰ったら師匠にも見せようかな。
この光の魔法剣も使うとして、他の水、風、土、氷の魔法剣は──暗いとあまり魅力が伝わらないだろう。土は見た目が地味だし、風は見ただけでは分かりづらい。水と氷は──特に氷は綺麗なのだが、やはり暗いところだと難しいだろう。
だから魔法剣の種類は火、雷、光の三つに絞るとして……順番は光、雷、火の順で──暗闇からぽぅっと仄かに光の魔法剣が現れ、そこから青白い雷に変化し、最後は燃え盛る炎で締める。
これを普段やっている型稽古の動きと組み合わせれば──うん、なかなかいいんじゃないだろうか。
まず何の魔法剣を見せるかだが、炎の魔法剣は絶対に見せたい。俺の原点でもある上に、やはり俺が使えるどの魔法剣よりも見映えがいい。夜闇に煌々と輝く炎は何といっても幻想的だ。
暗くなった外で見せることを考えれば、光るものが映えるのは間違いない。そうなると、候補として上がるのは雷と光だ。
雷は、炎とはまた違った趣がありよさそうだが、光はなぁ……まだあんまり得意ではないのだ。
魔法としての「ブライト」は実際にモンスターの目くらましに使えるほど上達したのだが、魔法剣で使うと薄っすらと剣が光る程度なのだ。
実戦では、ブライトが使えれば光の魔法剣として使う必要がないので、纏わせる練習をあまりしようという気が起きず、ブライトの習得からは時間が経った今でも魔法剣では使えていないのが現状だ。
薄っすらと光る程度だからこそ、直視できるため披露することはできそうだが……これを他の人に見せるのは、自分の未熟さをさらけ出してしまっているようで気が進まない。
しかしその意地のようなものだけで、選択肢から外してしまうのは……とりあえず試してみて、それから考えるか。
村の真ん中で剣を抜くのはまずいので、俺はギルド近くの山まで歩き、ついでに宿を取ってくることにした。
「これはなかなか……」
背の高い木々で覆われた薄暗い場所で試してみたところ、光の魔法剣は思ったより綺麗だった。ポゥと仄かに光っている剣は、儚げで魅力的だった。
昼間にしか使ったことがなかったから、こんなに綺麗だとは知らなかった。帰ったら師匠にも見せようかな。
この光の魔法剣も使うとして、他の水、風、土、氷の魔法剣は──暗いとあまり魅力が伝わらないだろう。土は見た目が地味だし、風は見ただけでは分かりづらい。水と氷は──特に氷は綺麗なのだが、やはり暗いところだと難しいだろう。
だから魔法剣の種類は火、雷、光の三つに絞るとして……順番は光、雷、火の順で──暗闇からぽぅっと仄かに光の魔法剣が現れ、そこから青白い雷に変化し、最後は燃え盛る炎で締める。
これを普段やっている型稽古の動きと組み合わせれば──うん、なかなかいいんじゃないだろうか。
0
お気に入りに追加
232
あなたにおすすめの小説

職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。

S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる