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第四章 初めての単独討伐クエスト編
第70話 兄さんとの再会
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Bランクに上がってからもギルドに足を運んでいたのだが、ある日受付嬢にこう告げられてしまう。クエストを受ける頻度を落としてもらえませんか、と。
聞けば、冒険者は通常、毎日は討伐クエストを受けないらしいのだ。割とショックだった。
昔、四人パーティでクエストを受けていたときは、討伐以外がほとんどだったから、正直討伐クエストに関しては疎いのだ。てっきり自分たち以外は討伐クエストをたくさん受けているのだと思っていた。
今まで気付かなかったのは、他の冒険者とあまり話さなかったというのもあるだろう。いつもなるべく早く帰るために、報酬を受け取ったらすぐにギルドを出ていたから、片手で数えられるほどしか話した記憶がない。
今思えば、「頑張るねぇ」だとか「すごい体力だ」だとか言われていたのはこのことも含まれていたのかもしれない。てっきり一人でモンスターを運んでいるからだと思っていた。
俺が毎日討伐クエストを受けたことで何が起こったかというと、クエストが減ってしまったせいでこの村を離れる冒険者が出てきたらしい。
冒険者パーティにもいろいろある。大物を狩るのが得意なパーティや、小さいモンスターをたくさん狩るのが得意なパーティ──それに、討伐が得意ではないパーティ。最後のタイプは討伐クエストが多いこの村にはほとんどいないが。
クエストの数が減れば、種類も減る。俺は討伐数が少なめのものを好んで受けていたので、おそらく村を離れたパーティというのは大物を狩っていたところだろう。
ギルドとしてはクエストが達成されればいいらしいのだが、村から冒険者が離れてしまうと、村に落ちるお金が減ってしまうのだ。
言われるまで気付かなかった自分を浅慮だったと思うし、村の人にも申し訳なく思う。
その日を境に何日かに一回にペースを落とすと、それから日に日に人が増えていっているような気がして本当に悪いことをしたと改めて思った。
スローペースになってからしばらく経ったある日、ギルドに入るとそこには懐かしい顔がぽつんと座っていた。
「久しぶり、コルネ」
そう言って、白い歯を見せ笑うアルノ兄さんは変わっていなかった。アルノ兄さんはBランクパーティ「教会の烏」のメンバーであり、俺の面倒をよく見てくれた兄のような存在だ。
時間のあるときに剣の稽古をつけてもらっていたのだが、一年ほど前からミャクー村には戻ってきておらず、それっきりだ。
Bランクパーティだから危険なクエストを受けているのかもしれないと思い、以前から心配していたのだ。まさかこんなところで会えるとは思っていなかった。
「兄さんも久しぶり……元気そうだね」
「ああ、コルネも元気そうだな。身長も伸びたようだし」
あまり自分では分からないが、一年前に比べれば伸びているのだろう。
「それで、兄さんはなぜこのヴィレアに?」
「流れてきた冒険者から聞いたんだ。ヴィレアに討伐クエストを毎日やるイカ──すごい冒険者がいるって。名前が一緒だったから、もしやと思ったけど本当だったとはね」
兄さんが今「イカれた冒険者」と言いかけた気がしたが、気のせいだと思いたい。俺も最近自覚したのだから、もうそんな噂は立たないだろう。
そういえば、他のパーティメンバーはここにはいないのだろうか。
「兄さん、他のパーティメンバーはここにはいないの?」
「パーティメンバー」という言葉を聞いた兄さんの顔にサッと翳が差す。触れてはいけないことに触れてしまったという気がしたが、もう遅かった。
兄さんは俯きながら、口を開く。
「実は──」
聞けば、冒険者は通常、毎日は討伐クエストを受けないらしいのだ。割とショックだった。
昔、四人パーティでクエストを受けていたときは、討伐以外がほとんどだったから、正直討伐クエストに関しては疎いのだ。てっきり自分たち以外は討伐クエストをたくさん受けているのだと思っていた。
今まで気付かなかったのは、他の冒険者とあまり話さなかったというのもあるだろう。いつもなるべく早く帰るために、報酬を受け取ったらすぐにギルドを出ていたから、片手で数えられるほどしか話した記憶がない。
今思えば、「頑張るねぇ」だとか「すごい体力だ」だとか言われていたのはこのことも含まれていたのかもしれない。てっきり一人でモンスターを運んでいるからだと思っていた。
俺が毎日討伐クエストを受けたことで何が起こったかというと、クエストが減ってしまったせいでこの村を離れる冒険者が出てきたらしい。
冒険者パーティにもいろいろある。大物を狩るのが得意なパーティや、小さいモンスターをたくさん狩るのが得意なパーティ──それに、討伐が得意ではないパーティ。最後のタイプは討伐クエストが多いこの村にはほとんどいないが。
クエストの数が減れば、種類も減る。俺は討伐数が少なめのものを好んで受けていたので、おそらく村を離れたパーティというのは大物を狩っていたところだろう。
ギルドとしてはクエストが達成されればいいらしいのだが、村から冒険者が離れてしまうと、村に落ちるお金が減ってしまうのだ。
言われるまで気付かなかった自分を浅慮だったと思うし、村の人にも申し訳なく思う。
その日を境に何日かに一回にペースを落とすと、それから日に日に人が増えていっているような気がして本当に悪いことをしたと改めて思った。
スローペースになってからしばらく経ったある日、ギルドに入るとそこには懐かしい顔がぽつんと座っていた。
「久しぶり、コルネ」
そう言って、白い歯を見せ笑うアルノ兄さんは変わっていなかった。アルノ兄さんはBランクパーティ「教会の烏」のメンバーであり、俺の面倒をよく見てくれた兄のような存在だ。
時間のあるときに剣の稽古をつけてもらっていたのだが、一年ほど前からミャクー村には戻ってきておらず、それっきりだ。
Bランクパーティだから危険なクエストを受けているのかもしれないと思い、以前から心配していたのだ。まさかこんなところで会えるとは思っていなかった。
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「ああ、コルネも元気そうだな。身長も伸びたようだし」
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「兄さん、他のパーティメンバーはここにはいないの?」
「パーティメンバー」という言葉を聞いた兄さんの顔にサッと翳が差す。触れてはいけないことに触れてしまったという気がしたが、もう遅かった。
兄さんは俯きながら、口を開く。
「実は──」
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