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第四章 初めての単独討伐クエスト編
第63話 討伐クエスト 其の三
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俺が受けた討伐クエストはコボルトのものだった。職人からの依頼で、コボルトの皮が必要だそうだ。コボルトは上半身がウルフ、下半身が人間のようになっていて、二足歩行をするモンスターだ。
二足歩行をするということは、森の中でも見つけやすいのではないかと思ったのだ。それと討伐するのが一体だけ、というのがとてもいい。
受付の人は冒険者証を見て、一人のパーティということに少し驚いたようだが、すんなり受諾してもらえた。やはりここにはたくさん冒険者が来るから、そういうことにも慣れているのだろうか。
ギルドでもらっておいた地図を見ながらコボルトの目撃場所へと向かう。地図を見る限り、森の入り口に近いところらしいのだが──初めて来た土地ゆえに、地図を見てどのくらい進めば着くのかがさっぱりだ。
そもそもの地図がざっくりとしか描かれていないことも、混乱する一因となっている。仕方ないか、森の地図を作るのは難しいからな。
よく分からないまま、森の外が見える範囲であたりを見回しながらうろうろしてみる。見た感じはいないと思うのだが……もう少し奥に進んでみるか。
ここにも見たことのないモンスターが少しいるなあ、と思いながら歩いているとウルフのような頭が見えた。
目視で確認してからすぐに、その場で屈み、低木の陰に身を隠す。相手に気付かれないよう気を付けながら、そっと顔だけを出してもう一度確認する。
(……頭の位置が高い、やはりウルフではなく、コボルトで間違いない。)
コボルトは炎と雷系統の魔法に弱いのだが、今回は雷の魔法を使おう。コボルトが火だるまになってしまうとまずい。
気付かれると逃げられるかもしれないので、逃げられる前に仕留める。立ち上がって、走っている間に剣に魔法を纏わせて、斬る──この流れで行こう。
待っていると、コボルトが足元の何かに気を取られる。俺は勢いよく立ち上がり、獣道を利用してコボルトに近づく。もちろん師匠仕込みの魔力操作も同時に行い、スピードを上げる。
コボルトは下を向いていたせいで、一瞬気付くのが遅れたようだ。途中で逃げ出そうとするが、もう遅い──俺はすでに半分も距離を詰めている。
(今から走り始めても初速は遅いはず──これはもらった……ッ!)
構えた剣を刃が垂直に入るように、背中に振り下ろす。途端に、コボルトは痙攣してドサッと崩れ落ちた。きっと雷の魔法に痺れたのだろう。
近くまで寄って傷口を見ると、思ったよりかなり深く、バッサリいっているようだった。ダグさんの剣を使い始めてから剣の腕がよくなったのではないかと錯覚するほど、やはり切れ味がいい。
力を入れなくても刃が鋭いためか大抵のものはスパッと切れてしまう。鞘にしまうときに一度失敗して痛い目を見た。
魔法に関しても剣にすんなり伝わるというか──なんというか、こう……体から出たものがそのまま剣に伝わっているような感覚がある。
まるで剣が体の一部のようというか、魔法を纏っているのが自然に思うというか──上手く言葉で表せないけど、滑らかに剣に纏わせることができるようになった。
初めてだから手間取るかと思っていたが、これは案外早く帰れそうだ。額に浮き出た汗を手で拭う。
二足歩行をするということは、森の中でも見つけやすいのではないかと思ったのだ。それと討伐するのが一体だけ、というのがとてもいい。
受付の人は冒険者証を見て、一人のパーティということに少し驚いたようだが、すんなり受諾してもらえた。やはりここにはたくさん冒険者が来るから、そういうことにも慣れているのだろうか。
ギルドでもらっておいた地図を見ながらコボルトの目撃場所へと向かう。地図を見る限り、森の入り口に近いところらしいのだが──初めて来た土地ゆえに、地図を見てどのくらい進めば着くのかがさっぱりだ。
そもそもの地図がざっくりとしか描かれていないことも、混乱する一因となっている。仕方ないか、森の地図を作るのは難しいからな。
よく分からないまま、森の外が見える範囲であたりを見回しながらうろうろしてみる。見た感じはいないと思うのだが……もう少し奥に進んでみるか。
ここにも見たことのないモンスターが少しいるなあ、と思いながら歩いているとウルフのような頭が見えた。
目視で確認してからすぐに、その場で屈み、低木の陰に身を隠す。相手に気付かれないよう気を付けながら、そっと顔だけを出してもう一度確認する。
(……頭の位置が高い、やはりウルフではなく、コボルトで間違いない。)
コボルトは炎と雷系統の魔法に弱いのだが、今回は雷の魔法を使おう。コボルトが火だるまになってしまうとまずい。
気付かれると逃げられるかもしれないので、逃げられる前に仕留める。立ち上がって、走っている間に剣に魔法を纏わせて、斬る──この流れで行こう。
待っていると、コボルトが足元の何かに気を取られる。俺は勢いよく立ち上がり、獣道を利用してコボルトに近づく。もちろん師匠仕込みの魔力操作も同時に行い、スピードを上げる。
コボルトは下を向いていたせいで、一瞬気付くのが遅れたようだ。途中で逃げ出そうとするが、もう遅い──俺はすでに半分も距離を詰めている。
(今から走り始めても初速は遅いはず──これはもらった……ッ!)
構えた剣を刃が垂直に入るように、背中に振り下ろす。途端に、コボルトは痙攣してドサッと崩れ落ちた。きっと雷の魔法に痺れたのだろう。
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まるで剣が体の一部のようというか、魔法を纏っているのが自然に思うというか──上手く言葉で表せないけど、滑らかに剣に纏わせることができるようになった。
初めてだから手間取るかと思っていたが、これは案外早く帰れそうだ。額に浮き出た汗を手で拭う。
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