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7話 バズった! でもアキナは、それを知らない
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「アキさん! マジありがと~! ホント、スッキリしちゃいました!」
「そんな大げさよ」
×(旧:Twittew)がお祭り状態になっている頃、当人であるアキナはSNSをやっていないため状況を全く把握しておらず、予定通りダンジョンを散策していた。
ここは第一階層、石畳と多数の部屋からなる迷路状のフロアだ。トラップはあるが非常に攻略が簡単で、生息するモンスターも種類こそ多いが簡単に撃退できるものばかりだ。
「あの商人やっぱり詐欺してたんすね! 前からチョー怪しいって思ってたんすよ!」
レナは×をやっていたが、さすがにここまで大事になっているとは思っておらず、スマホを確認していなかった。
「でもアキさん、さっきの情報ってどこで知ったんですか?」
「え、え~と……そんな事を書いているブログを見たことがあるのよ」
「そうなんすね! 今度そのブログのリンク、ウチにも教えてください!」
「ど、どこだったかなあ」
このまま質問攻めされては自分が、この異世界で聖女をやっていたことを隠し切れないかも知れない。
しかし、丁度話を反らせそうなもの達が歩いてきた。
「キャア! ゴブリンよ! 恐い!」
本当は全く怖くなかったが、変な勘繰りをされないために、オーバーなリアクションをした。
「あれは大丈夫っすよ」
「え?」
「あのゴブリンたちはダンジョンの掃除とか、有料だけどウチらのガイド役とかもやってくれてるんっすよ」
「そ、そうなのね」
(あれを見返りに言う事を聞かせているのね)
ゴブリンたちは最終階層の表ボス、エンドレス・ワイバーンの鱗を首から下げている。
(あれじゃ、モンスターは勿論、魔力感知ができる人間もゴブリンたちの強さを誤解して手が出せないわね)
「でもやっぱり商人から装備をレンタルした方が良かったんじゃ……。1階層って言っても、ウチ、ケガしちゃいそうでビビってます」
「大丈夫! なにかあっても私がキッチリ守ってあげる!」
「アキさんが、どうやって守ってくれんですか?」
「ど、どうやって守るのかしら?」
魔法で結界を張れば簡単に守れる。だが、それを言っては聖女だとバレてしまうかも知れない。
(マズい! また話題をそらさなきゃ!)
ここで、アキナは雷属性の小型モンスター、エレクトロフロッグが入っている檻を指さす。
先ほどから、一定の区画を空けてこれが置かれていることが本当に気になるのだ。
「ねえあの檻はなんなの?」
「檻なんて、どこにもないじゃないっすか?」
(もしかして迷彩魔法がかけられてるの?……しまったー!)
「ああ! もしかしてアレのことですか?」
先ほどのゴブリン達が鍵の様な魔道具で迷彩魔法を解除して、エレクトロフロッグに餌をやり始めた。
ここでアキナは檻の隅にあるものがある事に気づく。
「もしかして、あれWi-Fi?」
「次元の穴から電波くるみたいで、LIVE配信をしやすく為に至るところに設置されてるんすよ。でもよく見つけられましたね! ウチ、ゴブリンが餌やってるとき以外で見たことないですよ!」
「あ、あはは……昔から視力は良いの……」
ここでアキナは空中にあるものを発見して、身構えた。
(ミニマム・ドレイク! どうしてここにいるの!?)
30cm~50cm程度の小型のドラゴン、ミニマム・ドレイク。
個体差はあるが、そこそこ強いモンスターで本来なら3階層以下にしかいないはずである。
それにも関わらず超初心者向けの1階層にいる事に、アキナは驚きを隠せなかった。
ミニマム・ドレイクは猛スピードでこちらに向かって来ている。
(今度こそ、聖女の結界を張らなきゃダメね)
慌てて結界を展開しようとした時、レナが無防備にミニマム・ドレイクに近づいていった。
「れなちゃんダメ! さが……」
「ごめ~ん。今、特に何もないんだよね~」
(え?)
「このドラゴンもここでバイトしてる感じっすね。配信者の安全考えて、上空から魔法のカメラで監視してくれたり、おカネいるけど荷物運んでくれたり、ちょっとした売店みたいな事もしてんです」
「そ、そうなのね……」
「商人がジン君をいじめて、急ピッチで進めちゃったみたいっすよ」
(ど、どうしてこうなったのかしら………)
久しぶりにきた生態系の迷宮は、何故か商業的な変容を遂げていた。
その事にアキナは、苦笑いが止まらなかった。
「そんな大げさよ」
×(旧:Twittew)がお祭り状態になっている頃、当人であるアキナはSNSをやっていないため状況を全く把握しておらず、予定通りダンジョンを散策していた。
ここは第一階層、石畳と多数の部屋からなる迷路状のフロアだ。トラップはあるが非常に攻略が簡単で、生息するモンスターも種類こそ多いが簡単に撃退できるものばかりだ。
「あの商人やっぱり詐欺してたんすね! 前からチョー怪しいって思ってたんすよ!」
レナは×をやっていたが、さすがにここまで大事になっているとは思っておらず、スマホを確認していなかった。
「でもアキさん、さっきの情報ってどこで知ったんですか?」
「え、え~と……そんな事を書いているブログを見たことがあるのよ」
「そうなんすね! 今度そのブログのリンク、ウチにも教えてください!」
「ど、どこだったかなあ」
このまま質問攻めされては自分が、この異世界で聖女をやっていたことを隠し切れないかも知れない。
しかし、丁度話を反らせそうなもの達が歩いてきた。
「キャア! ゴブリンよ! 恐い!」
本当は全く怖くなかったが、変な勘繰りをされないために、オーバーなリアクションをした。
「あれは大丈夫っすよ」
「え?」
「あのゴブリンたちはダンジョンの掃除とか、有料だけどウチらのガイド役とかもやってくれてるんっすよ」
「そ、そうなのね」
(あれを見返りに言う事を聞かせているのね)
ゴブリンたちは最終階層の表ボス、エンドレス・ワイバーンの鱗を首から下げている。
(あれじゃ、モンスターは勿論、魔力感知ができる人間もゴブリンたちの強さを誤解して手が出せないわね)
「でもやっぱり商人から装備をレンタルした方が良かったんじゃ……。1階層って言っても、ウチ、ケガしちゃいそうでビビってます」
「大丈夫! なにかあっても私がキッチリ守ってあげる!」
「アキさんが、どうやって守ってくれんですか?」
「ど、どうやって守るのかしら?」
魔法で結界を張れば簡単に守れる。だが、それを言っては聖女だとバレてしまうかも知れない。
(マズい! また話題をそらさなきゃ!)
ここで、アキナは雷属性の小型モンスター、エレクトロフロッグが入っている檻を指さす。
先ほどから、一定の区画を空けてこれが置かれていることが本当に気になるのだ。
「ねえあの檻はなんなの?」
「檻なんて、どこにもないじゃないっすか?」
(もしかして迷彩魔法がかけられてるの?……しまったー!)
「ああ! もしかしてアレのことですか?」
先ほどのゴブリン達が鍵の様な魔道具で迷彩魔法を解除して、エレクトロフロッグに餌をやり始めた。
ここでアキナは檻の隅にあるものがある事に気づく。
「もしかして、あれWi-Fi?」
「次元の穴から電波くるみたいで、LIVE配信をしやすく為に至るところに設置されてるんすよ。でもよく見つけられましたね! ウチ、ゴブリンが餌やってるとき以外で見たことないですよ!」
「あ、あはは……昔から視力は良いの……」
ここでアキナは空中にあるものを発見して、身構えた。
(ミニマム・ドレイク! どうしてここにいるの!?)
30cm~50cm程度の小型のドラゴン、ミニマム・ドレイク。
個体差はあるが、そこそこ強いモンスターで本来なら3階層以下にしかいないはずである。
それにも関わらず超初心者向けの1階層にいる事に、アキナは驚きを隠せなかった。
ミニマム・ドレイクは猛スピードでこちらに向かって来ている。
(今度こそ、聖女の結界を張らなきゃダメね)
慌てて結界を展開しようとした時、レナが無防備にミニマム・ドレイクに近づいていった。
「れなちゃんダメ! さが……」
「ごめ~ん。今、特に何もないんだよね~」
(え?)
「このドラゴンもここでバイトしてる感じっすね。配信者の安全考えて、上空から魔法のカメラで監視してくれたり、おカネいるけど荷物運んでくれたり、ちょっとした売店みたいな事もしてんです」
「そ、そうなのね……」
「商人がジン君をいじめて、急ピッチで進めちゃったみたいっすよ」
(ど、どうしてこうなったのかしら………)
久しぶりにきた生態系の迷宮は、何故か商業的な変容を遂げていた。
その事にアキナは、苦笑いが止まらなかった。
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