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第54話 裏切り?(4回裏)
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///|1|2|3|4|5|6|7|8|9|計
――――――――――――――――――――
高校生|3|0|7|0| |10|
中学生|0|3|2| |5|
状況:4回の表、終了
あそこでまさかインハンイ…いや、釣り球か。止めきれずに手を出してしまった。そのせいで中途半端なスイングになっちゃったな。それは別として…
「仮にも今回こっちのベンチで自軍選手が凡退したのに何でそんなに嬉しそうにニヤニヤしんの?由自」
「いや~この回もピンチを迎えたけど無失点で、それも色々挑戦した感じで凌いだから自信に繋がるだろうし、結果的にチームとっては喜ばしい事だと思って。現にかなり盛り上がってるみたいだし」
「確かに完全に調子付いた感じあるね。先輩二人を釣り球にさそって打ち取ってるから尚更そう思うよ」
「うっ…」
「返す言葉がないな」
「リードはしてるけど内容的には褒められたものじゃないし、勢いは完全に向こうが上だね。というかイジワル判定しなかったら今俺ら負けてたんじゃない?」
「くっ…」
「まあ、ぶちゃけるとこのまま高校生チームは負けてももらっても構わないんだけど」
「「「はああぁっ!?」」」
自由の素っ頓狂な発言にベンチの皆が驚きの声を上げて彼の方に振り返った。
「練習参加して僅か一週間。まだ入学すらしてない元中学生に現役高校生が負けるだなんてさぞ悔しい思いが残って嫌でも今後の練習により一層精を出すだろうからチーム的にはこっちが負けても全然OK…」
「「「んなわけあるか!ふざけんな!」」」
「ですよね~。だったらほら、みんなで円陣組んで気合い入れようか。キャプテン声掛けお願いします」
「急な上に完全に投げやりだな。ああ…まあ、あれだ。ここで負けたら『一年生相手に負けた情けない先輩』という称号が付いて回る事になるな」
「ちょっ…!」
「嫌だろうな~そんな状態でこれから先その負かされた後輩と顔を付き合わせて生活していかないといけないのって」
「ぐっ!」
「しかも相手が野球経験あるとはいえ女子3人と素人同然の先生との混合チーム相手の敗北となると…」
「ああ~嗚呼~!聞きたくない!もう聞きたくないであります!」
「ということでこれからの俺らの学園生活でな心の平穏の為に頑張ろう」
「おおーー!!」
(自分で口にしておきながら情けない発奮材料だが、普通に鼓舞するよりもこっちの方が効きだろうからな)
ある意味チームの心が一つなっていると、それを無視しているかのような発言が聞こえてきた。
「それじゃみんな頑張って下さいね」
「他人事みたいに言うな。次の回から交代してベストメンバーで行くんだろう?言い出しっぺのお前ももっと気合い入れて…」
「いや~悪いんだけど俺これからあっちベンチだから」
「「「はい?」」」
(((何言ってんだこいつ?)))
再び口にされる素っ頓狂な発言により全員只々困惑していた。
「つまりこの3回裏からあっちの選手として出るから」
「「「………はああぁっ!?」」」
「そいうわけなんでみんな頑張って」
「ちょ、なにナチュラルにあっちベンチ行こうとしてんだよ!ちゃんと説明しろよ!」
「いや~元々先生には4回までって言ってあんのよ。既にもう一杯一杯ぽいし?代わってあげないといけないから」
「そ、それは分かるけど、だからって何で交代要員として行くのがお前なんだよ?こっちもこの回終わったら交代すんだかそらその内の一人にあっちでやってもらえばいいだろう」
「他にも理由があってさ、俺じゃないと駄目な理由が。それはまあすぐに分かるだろうから。んじゃ、そゆことで」
呆然と見つめていた。そして時間が経つに連れて氷が溶けるように意識が戻っていた。そして皆が我に帰ると自由のあまりにも勝手な言動と行動に呆れて怒りがフツフツと湧き上がってきた。
「あ、あの野郎~!」
「あのやろうが自由人なのはいつもの事だが…」
「これから気合い入れて行こうとか言って円陣まで組ました張本人がこの横暴」
「開いた口が塞がらないね…流石に」
「おい、もう一回円陣組むぞ」
「え?」
部員達が自由への怒りで業を煮やしていると田中が小さな声でポツリと呟いた。
「一年の奴らに負けられねぇのは確かだが、それ以上に事前に碌な説明もせずに裏切り同然にここまで好き勝手しくさったあの俺は野郎に負けたくねぇ!」
「そうだな、少し灸を据えてやる必要があるよな?」
「おぉーし、お前ら!あの馬鹿ちんをぶっ潰すぞ!」
「「「おおーー!!」」」
結果的にこっちのチームの指揮が上がった。良かったな自由。お前の意図した結果ではないだろうけど
良く言えばチームが一つになったと言えなくもないけど…本来の方向とは別の方に気持ちが燃えてしまっている気はする。まあ、勝利向かっている事には違いないからよしとするか
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高校生|3|0|7|0| |10|
中学生|0|3|2| |5|
状況:4回の表、終了
あそこでまさかインハンイ…いや、釣り球か。止めきれずに手を出してしまった。そのせいで中途半端なスイングになっちゃったな。それは別として…
「仮にも今回こっちのベンチで自軍選手が凡退したのに何でそんなに嬉しそうにニヤニヤしんの?由自」
「いや~この回もピンチを迎えたけど無失点で、それも色々挑戦した感じで凌いだから自信に繋がるだろうし、結果的にチームとっては喜ばしい事だと思って。現にかなり盛り上がってるみたいだし」
「確かに完全に調子付いた感じあるね。先輩二人を釣り球にさそって打ち取ってるから尚更そう思うよ」
「うっ…」
「返す言葉がないな」
「リードはしてるけど内容的には褒められたものじゃないし、勢いは完全に向こうが上だね。というかイジワル判定しなかったら今俺ら負けてたんじゃない?」
「くっ…」
「まあ、ぶちゃけるとこのまま高校生チームは負けてももらっても構わないんだけど」
「「「はああぁっ!?」」」
自由の素っ頓狂な発言にベンチの皆が驚きの声を上げて彼の方に振り返った。
「練習参加して僅か一週間。まだ入学すらしてない元中学生に現役高校生が負けるだなんてさぞ悔しい思いが残って嫌でも今後の練習により一層精を出すだろうからチーム的にはこっちが負けても全然OK…」
「「「んなわけあるか!ふざけんな!」」」
「ですよね~。だったらほら、みんなで円陣組んで気合い入れようか。キャプテン声掛けお願いします」
「急な上に完全に投げやりだな。ああ…まあ、あれだ。ここで負けたら『一年生相手に負けた情けない先輩』という称号が付いて回る事になるな」
「ちょっ…!」
「嫌だろうな~そんな状態でこれから先その負かされた後輩と顔を付き合わせて生活していかないといけないのって」
「ぐっ!」
「しかも相手が野球経験あるとはいえ女子3人と素人同然の先生との混合チーム相手の敗北となると…」
「ああ~嗚呼~!聞きたくない!もう聞きたくないであります!」
「ということでこれからの俺らの学園生活でな心の平穏の為に頑張ろう」
「おおーー!!」
(自分で口にしておきながら情けない発奮材料だが、普通に鼓舞するよりもこっちの方が効きだろうからな)
ある意味チームの心が一つなっていると、それを無視しているかのような発言が聞こえてきた。
「それじゃみんな頑張って下さいね」
「他人事みたいに言うな。次の回から交代してベストメンバーで行くんだろう?言い出しっぺのお前ももっと気合い入れて…」
「いや~悪いんだけど俺これからあっちベンチだから」
「「「はい?」」」
(((何言ってんだこいつ?)))
再び口にされる素っ頓狂な発言により全員只々困惑していた。
「つまりこの3回裏からあっちの選手として出るから」
「「「………はああぁっ!?」」」
「そいうわけなんでみんな頑張って」
「ちょ、なにナチュラルにあっちベンチ行こうとしてんだよ!ちゃんと説明しろよ!」
「いや~元々先生には4回までって言ってあんのよ。既にもう一杯一杯ぽいし?代わってあげないといけないから」
「そ、それは分かるけど、だからって何で交代要員として行くのがお前なんだよ?こっちもこの回終わったら交代すんだかそらその内の一人にあっちでやってもらえばいいだろう」
「他にも理由があってさ、俺じゃないと駄目な理由が。それはまあすぐに分かるだろうから。んじゃ、そゆことで」
呆然と見つめていた。そして時間が経つに連れて氷が溶けるように意識が戻っていた。そして皆が我に帰ると自由のあまりにも勝手な言動と行動に呆れて怒りがフツフツと湧き上がってきた。
「あ、あの野郎~!」
「あのやろうが自由人なのはいつもの事だが…」
「これから気合い入れて行こうとか言って円陣まで組ました張本人がこの横暴」
「開いた口が塞がらないね…流石に」
「おい、もう一回円陣組むぞ」
「え?」
部員達が自由への怒りで業を煮やしていると田中が小さな声でポツリと呟いた。
「一年の奴らに負けられねぇのは確かだが、それ以上に事前に碌な説明もせずに裏切り同然にここまで好き勝手しくさったあの俺は野郎に負けたくねぇ!」
「そうだな、少し灸を据えてやる必要があるよな?」
「おぉーし、お前ら!あの馬鹿ちんをぶっ潰すぞ!」
「「「おおーー!!」」」
結果的にこっちのチームの指揮が上がった。良かったな自由。お前の意図した結果ではないだろうけど
良く言えばチームが一つになったと言えなくもないけど…本来の方向とは別の方に気持ちが燃えてしまっている気はする。まあ、勝利向かっている事には違いないからよしとするか
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