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第1章 異世界転生編
74話 最早叫ばずにはいられない
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スキル。それらは一般的には日々の教育や訓練を通して会得した能力のことを指す。ゲームなどではストーリーを進める際にモンスターとの戦闘で、アイテムの探索で、様々な依頼を達成する為、用いているれば重宝するものである。
勿論所持しているスキルが有益かそうでないかは所持者の力量や状況などによっても異なり、需要度はそれぞれである。大きな危険をスキルも存在するが、その場合は大抵ハイリスク故にそれなりのリターンも存在する。
そのため通常取得しているだけで害のあるスキルというのはかなり珍しく、レアと言えばレアではあるが当然嬉しい類の物では断じてない。
美点とは誰しもが持つ優れた部分。欠点とは誰しもが持ちうる不適合な部分である。しかしこれを類義語とされている一般的メリット・デメリットに置き換えるとメリットが利益、利点。デメリットであれば不利益、損失。或いはそれぞれプラス・マイナス要素として認識することの方が多いように感じられる。
そしてゲーム内で言えばデメリットとはメリット強すぎるが故に反動として発生する類の物が多いように感じられる。なかには呪いのような敵から付与された事によるものや、そういった効果の道具を装備してしまった事により追加されてしまうデメリットしかもたらさない呪縛は存在する。
しかしあくまでそういった類の物は対象者に呪い・不幸を与える為に存在しているのだから当然と言える。しかし本来所持者に優勢に働くもの基本とするスキルが自分に不利益しかもたらさないなどたまったものではなく、これから冒険者となろうとしていた大河にとっても看過できる問題ではなかった。
しかもそれが何者かの首悪によってこういった事態が引き起こされているのは明白だったため大河は怒りを通り越した殺意のような何かを神に対して感じていた。
「やれやれ、浅はかなお主には理解できんかもしれんがのう、あのスキルはその気になれば隕石を落したり津波を起したりして国を亡ぼすことも可能とするほどのスキルなんじゃぞ?」
知ってるわ!この間それに巻き込まれて死にそうになったわ!!
「何じゃ知っとるなら話が早い。つまりそのスキル一つあればどれだけ制限をかけられ縛られようとも実質無敵という事じゃ」
それはあのクソスキルを意のままに自由自在に発動できたらと言うのが前提の話だろうが!あれの成功確率分かってんのかお前は!?
「制作した本人が気づいてないわけないじゃろうが。よほど脳の容量が足りていないんじゃなお主は」
こ、こいつ…
「それにあのスキルは100%で発動できる方法があるのじゃ」
はぁ!?それ超重要な情報じゃねーか!?俺知らされてないんですど!?
「そりゃ言っとらんからのう」
何で今までそんな重要な事今まで教えてくれなかったんですかね、この野郎!
「序盤からそんなことを教えていたら面白くないじゃろうが」
教えられてなかったせいで何度も死にかけたんだが。主にあんたのミスのせいで!
「それで方法なんじゃがな…」
スルーかよ
「『偉大なるゼウス様、どうか愚かなる私めにどうぞご慈悲を』と言えば確率が上がるようになっとるんじゃ」
ゼウス…それがあんたの名前か
「そうじゃ。無礼極まる貴様にスペシャルなアドバイスだけでなく我が高貴な真名を教えてやったんじゃ。有り難く思いワシに頭を垂れて祈りを捧げるがいい。さすればこれまでの事も水に流してやらんこともないぞ」
元が神様とはいえあれだけ俺に大迷惑を被っておいてどうしてこんなに上から目線で話せるのだろうか?
「ほら早くせい。ぐずぐずしとったらワシの気分が変わって確率が上がらなくなるぞ」
俺がこの世界で生き残れるかどうかの唯一の手段を気分一つでコロッと変えんなよ。というかあんたのさじ加減一つかよ。とはいえ頭を垂れ…お願いすることによって願いが叶うか…
大河は迷った。目の前の諸悪の根源によって最早冒険者など到底不可能と言えるレベルの誓約をこれでもかといういくらい付けられてるとはいえ頼めば結果的にそれらを解除出来るかもしれないのだ。これからの事を思うと是が非でも取り払っておきたいスキルの数々であるし、頼み込む相手が普通の者であればすぐにでも頼み込んで解除してもらうことに最善を尽くしただろう。
しかしさっきも言った通りもとはと言えばこの神のせいでこのような事になっているにも関わらずその神に頭を下げて頼みこまねばならないなど当然納得がいくわけがない。
しかもこれまでこの神の失態に次ぐ失態により散々煮え湯を飲まされてきたいるのである。それを思うとこれから先の為に一時の屈辱に耐えてでも頼み込むべきと頭では理解していても精神的に耐えがたいものがあった。
一回…そう一回だけだ。地に頭を付けて懇願する恥辱に耐えるのたった一回だけだ。それ以降は普通に一般的冒険者と同じように制限なくこの世界と冒険を謳歌出来るんだ。だから今だけ、今この一瞬だけなんとか心を鬼にして耐えるんだ。
爪が指に食い込むほど強く握りしめ、口元から血が垂れ流れるくらい唇を噛みしめ、体をわなわなと震わせながらもこみ上げる怒りを必死で抑えながら何度も何度も自己暗示を繰り返すことで本来行えない頼み事を可能にしようと涙ぐましい努力を行っていた。
「ひ、一つ確認させてくれ」
「なんじゃ?さっさと言うてみい」
「あんたがさっき言った通りに懇願したら必ず成功するんだよな」
「そうじゃ。お主が頭を垂れて心から平伏しワシに懇願するのなら成功するように手を貸そう」
決心しく口を開こうとしたその時、神の方から
「じゃがその為には大体1万回近く懇願せねばならんがのう」
は?
神ゼウスの言葉を聞いた瞬間怒りと理性の狭間で一杯一杯となっていた大河の脳内は一瞬で真っ白になった。
「1回ワシを崇めたてる度に次に発動する際にのみ00.1%確率が上昇するからのう。普通に行えば0.01%よりも確率はかなり低いのでそれを100%にもっていくとなると結果的に約1万回くらいは必要になるという事じゃ。こんなに優しく丁寧に説明してやるなど我ながら善意塊じゃのうワシは。あはははははははは!」
'"ブチッ…ブチブチブチ! ブッッチ!!!,,
切れていた。ほんの僅か残っていた今にもはち切れてしまいそうなロープよりもか細くなっていた理性を保っていた線《精神》は神の騙し討ちと感じ取れる返答によって瞬く間に光の速さで真っ二つとなった。そしてそのまま無意識に大きく深呼吸をした
「おい、いつまで黙っておる気じゃ?なんとか言ったら「アアアアアアアアアアアア―!!」な、何じゃ突然!」
そして前回の混乱を極めた状況に加えて絶望的状況による諦めによって崩れそうな心を保つ為に防衛本能として頭お花畑状態になった時とは違い今回は只々怒りによる拒絶反応が表れた。
大河は心の中に留める事を忘れ自分が今何処いるのわかも忘れて溜め込んだ毒素《怒り》を吐き出さんと全力で獣にも似たけたたましい叫び声を上げ続けた。
「貴様まさか不服なのか。じゃがその程度の事で事実上夢をかなえたり目的達成できるのじゃぞ。このくらい安いものだと「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアー!!」ああもう五月蠅くて敵わんわい。いい加減静まらんか」
色々と憎たらしくもあるが今回ばかりは神のいう事にも一理あった。確かに1000回も懇願せねばならないが裏を返すとたった1000回で意図的に発動が可能となる。つまりそれはどんな願いであれ叶えられえるということでもある。そう考えるとある意味大河の行いを『せっかくのチャンスを怒りで棒に振る愚か者』とののしるやからもいるかもしれない。
しかし大河にとっては成功するしない云々の話はもう脳からはじき出されていた。これまでの積もり積もった怒りがもうこれ以上抑えられないといわんばかりに爆発し人が周りに居ることも忘れ、制止する声も耳に届かず、感情のままに奇声を上げ続けていた。
勿論所持しているスキルが有益かそうでないかは所持者の力量や状況などによっても異なり、需要度はそれぞれである。大きな危険をスキルも存在するが、その場合は大抵ハイリスク故にそれなりのリターンも存在する。
そのため通常取得しているだけで害のあるスキルというのはかなり珍しく、レアと言えばレアではあるが当然嬉しい類の物では断じてない。
美点とは誰しもが持つ優れた部分。欠点とは誰しもが持ちうる不適合な部分である。しかしこれを類義語とされている一般的メリット・デメリットに置き換えるとメリットが利益、利点。デメリットであれば不利益、損失。或いはそれぞれプラス・マイナス要素として認識することの方が多いように感じられる。
そしてゲーム内で言えばデメリットとはメリット強すぎるが故に反動として発生する類の物が多いように感じられる。なかには呪いのような敵から付与された事によるものや、そういった効果の道具を装備してしまった事により追加されてしまうデメリットしかもたらさない呪縛は存在する。
しかしあくまでそういった類の物は対象者に呪い・不幸を与える為に存在しているのだから当然と言える。しかし本来所持者に優勢に働くもの基本とするスキルが自分に不利益しかもたらさないなどたまったものではなく、これから冒険者となろうとしていた大河にとっても看過できる問題ではなかった。
しかもそれが何者かの首悪によってこういった事態が引き起こされているのは明白だったため大河は怒りを通り越した殺意のような何かを神に対して感じていた。
「やれやれ、浅はかなお主には理解できんかもしれんがのう、あのスキルはその気になれば隕石を落したり津波を起したりして国を亡ぼすことも可能とするほどのスキルなんじゃぞ?」
知ってるわ!この間それに巻き込まれて死にそうになったわ!!
「何じゃ知っとるなら話が早い。つまりそのスキル一つあればどれだけ制限をかけられ縛られようとも実質無敵という事じゃ」
それはあのクソスキルを意のままに自由自在に発動できたらと言うのが前提の話だろうが!あれの成功確率分かってんのかお前は!?
「制作した本人が気づいてないわけないじゃろうが。よほど脳の容量が足りていないんじゃなお主は」
こ、こいつ…
「それにあのスキルは100%で発動できる方法があるのじゃ」
はぁ!?それ超重要な情報じゃねーか!?俺知らされてないんですど!?
「そりゃ言っとらんからのう」
何で今までそんな重要な事今まで教えてくれなかったんですかね、この野郎!
「序盤からそんなことを教えていたら面白くないじゃろうが」
教えられてなかったせいで何度も死にかけたんだが。主にあんたのミスのせいで!
「それで方法なんじゃがな…」
スルーかよ
「『偉大なるゼウス様、どうか愚かなる私めにどうぞご慈悲を』と言えば確率が上がるようになっとるんじゃ」
ゼウス…それがあんたの名前か
「そうじゃ。無礼極まる貴様にスペシャルなアドバイスだけでなく我が高貴な真名を教えてやったんじゃ。有り難く思いワシに頭を垂れて祈りを捧げるがいい。さすればこれまでの事も水に流してやらんこともないぞ」
元が神様とはいえあれだけ俺に大迷惑を被っておいてどうしてこんなに上から目線で話せるのだろうか?
「ほら早くせい。ぐずぐずしとったらワシの気分が変わって確率が上がらなくなるぞ」
俺がこの世界で生き残れるかどうかの唯一の手段を気分一つでコロッと変えんなよ。というかあんたのさじ加減一つかよ。とはいえ頭を垂れ…お願いすることによって願いが叶うか…
大河は迷った。目の前の諸悪の根源によって最早冒険者など到底不可能と言えるレベルの誓約をこれでもかといういくらい付けられてるとはいえ頼めば結果的にそれらを解除出来るかもしれないのだ。これからの事を思うと是が非でも取り払っておきたいスキルの数々であるし、頼み込む相手が普通の者であればすぐにでも頼み込んで解除してもらうことに最善を尽くしただろう。
しかしさっきも言った通りもとはと言えばこの神のせいでこのような事になっているにも関わらずその神に頭を下げて頼みこまねばならないなど当然納得がいくわけがない。
しかもこれまでこの神の失態に次ぐ失態により散々煮え湯を飲まされてきたいるのである。それを思うとこれから先の為に一時の屈辱に耐えてでも頼み込むべきと頭では理解していても精神的に耐えがたいものがあった。
一回…そう一回だけだ。地に頭を付けて懇願する恥辱に耐えるのたった一回だけだ。それ以降は普通に一般的冒険者と同じように制限なくこの世界と冒険を謳歌出来るんだ。だから今だけ、今この一瞬だけなんとか心を鬼にして耐えるんだ。
爪が指に食い込むほど強く握りしめ、口元から血が垂れ流れるくらい唇を噛みしめ、体をわなわなと震わせながらもこみ上げる怒りを必死で抑えながら何度も何度も自己暗示を繰り返すことで本来行えない頼み事を可能にしようと涙ぐましい努力を行っていた。
「ひ、一つ確認させてくれ」
「なんじゃ?さっさと言うてみい」
「あんたがさっき言った通りに懇願したら必ず成功するんだよな」
「そうじゃ。お主が頭を垂れて心から平伏しワシに懇願するのなら成功するように手を貸そう」
決心しく口を開こうとしたその時、神の方から
「じゃがその為には大体1万回近く懇願せねばならんがのう」
は?
神ゼウスの言葉を聞いた瞬間怒りと理性の狭間で一杯一杯となっていた大河の脳内は一瞬で真っ白になった。
「1回ワシを崇めたてる度に次に発動する際にのみ00.1%確率が上昇するからのう。普通に行えば0.01%よりも確率はかなり低いのでそれを100%にもっていくとなると結果的に約1万回くらいは必要になるという事じゃ。こんなに優しく丁寧に説明してやるなど我ながら善意塊じゃのうワシは。あはははははははは!」
'"ブチッ…ブチブチブチ! ブッッチ!!!,,
切れていた。ほんの僅か残っていた今にもはち切れてしまいそうなロープよりもか細くなっていた理性を保っていた線《精神》は神の騙し討ちと感じ取れる返答によって瞬く間に光の速さで真っ二つとなった。そしてそのまま無意識に大きく深呼吸をした
「おい、いつまで黙っておる気じゃ?なんとか言ったら「アアアアアアアアアアアア―!!」な、何じゃ突然!」
そして前回の混乱を極めた状況に加えて絶望的状況による諦めによって崩れそうな心を保つ為に防衛本能として頭お花畑状態になった時とは違い今回は只々怒りによる拒絶反応が表れた。
大河は心の中に留める事を忘れ自分が今何処いるのわかも忘れて溜め込んだ毒素《怒り》を吐き出さんと全力で獣にも似たけたたましい叫び声を上げ続けた。
「貴様まさか不服なのか。じゃがその程度の事で事実上夢をかなえたり目的達成できるのじゃぞ。このくらい安いものだと「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアー!!」ああもう五月蠅くて敵わんわい。いい加減静まらんか」
色々と憎たらしくもあるが今回ばかりは神のいう事にも一理あった。確かに1000回も懇願せねばならないが裏を返すとたった1000回で意図的に発動が可能となる。つまりそれはどんな願いであれ叶えられえるということでもある。そう考えるとある意味大河の行いを『せっかくのチャンスを怒りで棒に振る愚か者』とののしるやからもいるかもしれない。
しかし大河にとっては成功するしない云々の話はもう脳からはじき出されていた。これまでの積もり積もった怒りがもうこれ以上抑えられないといわんばかりに爆発し人が周りに居ることも忘れ、制止する声も耳に届かず、感情のままに奇声を上げ続けていた。
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