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第2章 後編
第七話 ~北島永久の逆襲・体育祭では彼女の本気を味わいました~ ⑥
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第七話 ~北島永久の逆襲・体育祭では彼女の本気を味わいました~ ⑥
こうして始まった、第五十回海皇高校体育祭。
まず最初の種目は凛音の出場する、女子50m走だった。
『さぁ、始まりました!!まず最初の種目は女子50m走になります!!ここでは運動部の快速自慢達がしのぎを削る場所になります!!桜井くん、見所は何処ですかね?』
そう言って話を振ってくれた三郷先輩に、俺は言葉を返した。
『そうですね。本来でしたら陸上部の独壇場。とも言えるかもしれませんが、50mという短い距離ですからね。サッカー部やバスケ部の選手にも十分にチャンスはあります。本職を倒す活躍を期待したいです』
と無難なコメントを言えたと思った。
このコメントにはバスケ部の凛音もニヤリと笑って頷いていた。
だが、このコメントには三郷先輩から『ダメ出し』が入った。
『そうじゃないよね、桜井くん!!君が見ているポイントはそんな所じゃないはずだよ!!』
『…………え?』
三郷先輩はそう言うと、ニヤリと笑って言葉を続けてきた。
『女子短距離走の見所は、女子選手の揺れるおっぱいじゃないか!!……まぁ残念ながら、今回の走者の南野さんには期待出来ない部分だけど』
ば、馬鹿なことを言ってるんじゃないわよ!!
なんて凛音の声が聞こえてきた。
女子からは冷めた視線が送り付けられ、男子からは同意を求める視線が送り付けられた。
……どんなコメントをしてもダメージを受けるのはわかってる。
だったら本音を話した方が良さそうだな。
『そうですね。俺も男ですからそう言う部分に惹かれる気持ちは十分に理解出来ますよ。えっちなことを考えることは決して悪いことではないと思います!!』
俺のその言葉に男子からは歓声があがった。
女子からは冷たい視線が増えたけど……
い、良いんだ。永久さんだけに好かれてれば……
永久さんは苦笑いをしていたけど……
『おぉっと!!ここで桜井くんから意外な発言が出てきましたね!!もっと紳士的な発言が出ると思ってましたが』
『三郷先輩。そろそろレースが始まりますよ。おっぱい談義は終わりにして、実況に戻りましょう』
位置について……
よーい……
ドン!!
ビストルが撃ち鳴らされて、女子50m走がスタートした。
一年生の凛音は第1レースだった。
陸上部の短距離走をしている猛者やサッカー部のFWを蹴散らして、彼女は1位でゴールテープを切った。
凛音は放送席の俺に向けて笑顔でピースをしていた。
『流石は南野凛音選手です!!本職の陸上部やサッカー部のFWを蹴散らして、見事1位に輝きました!!』
『コート上の小悪魔は伊達じゃないですね』
と俺がからかうようにそう言うと、凛音が笑顔から一転して、怒ったような顔に変わった。
『コート上の小悪魔』なんて言われるのは相当嫌なんだろうな。
そして、残った二年生と三年生のレースも無事に終え、次は男子100m走の種目になった。
つまり、俺の出番だ。
『さぁ、次は男子100m走の種目になります!!放送席の桜井くんの出番ですね!!』
『そうですね。帰宅部の意地を見せてやりますよ!!』
俺はそう言ってグラウンドの中へと足を踏み入れる。
すると、さっきの俺の発言に賛同してくれた男子たちからは、応援の言葉がいっぱい投げかけられた。
永久さんという彼女がいるのに、凛音とも幼馴染で仲が良い。
そんな状況の俺に、男子生徒からは少なからず『やっかみ』みたいなものが少なくなかった。
それが少しだけど緩和されたような気がした。
100m走のスタート位置に到着すると、陸上部に所属する同級生から声を掛けられた。
「なぁ、桜井。さっきの三郷先輩の言葉だけど、俺からお前に本当の女子の短距離走の見どころを教えてやるよ」
本当の見どころ?一体なんだって言うんだ……
「気になるな。教えてくれよ」
俺がそう言うと、彼はニヤリと笑って答えた。
「陸上部のユニフォームは腕の周りがかなりルーズなんだ。そこから見えるチラリズムこそ至高だと言えるな!!」
「最高かよ、陸上部!!」
今度からそれを確認していかないとな!!
俺は彼と固く握手を交わした。
彼とは仲良くなれそうな気がした。
「名前を教えてくれないか?君とは仲良くなれそうだ」
俺の言葉に、彼は笑って答えてくれた。
「俺の名前は石崎(いしざき)だ。ちなみに生徒会長の桐崎先輩と同じクラスには兄が居る」
「そうなのか。兄弟揃って入学するとは仲がいいんだな」
桐崎さんといい、流といい。結構似たようなケースは少なくないんだな。
美鈴も来年はここを受けるそうだしな。
「まぁな。兄弟仲は悪くないぜ!!さぁ無駄話はこのくらいにして、真剣勝負と行こうじゃないか、桜井!!」
「了解だ、石崎!!帰宅部の力を見せてやるよ!!」
こうして始まった、俺と石崎の真剣勝負。
位置について……
よーい……
ドン!!
「よっしゃあ!!俺の勝ちだな!!」
「くっそ!!やっぱり陸上部は速いな!!」
本職の石崎はかなり早く、残念ながら俺は彼に負けての2位になってしまった。
「だけどかなりギリギリだったな……これで帰宅部……いや生徒会か。勿体ないぞ」
「あはは。生徒会にプラスして部活までやったら彼女との時間が無くなっちまうからな!!」
俺がそう言うと、石崎は笑いながら俺の胸に拳を当てる。
そして、
「リア充爆発しろ!!」
と言ってきた。
短距離走は2位だったけど、友達が一人増えたから良かったな。
なんて思いながら、俺は敗北を謝罪する為に自分のクラスへと足を運んだ。
こうして始まった、第五十回海皇高校体育祭。
まず最初の種目は凛音の出場する、女子50m走だった。
『さぁ、始まりました!!まず最初の種目は女子50m走になります!!ここでは運動部の快速自慢達がしのぎを削る場所になります!!桜井くん、見所は何処ですかね?』
そう言って話を振ってくれた三郷先輩に、俺は言葉を返した。
『そうですね。本来でしたら陸上部の独壇場。とも言えるかもしれませんが、50mという短い距離ですからね。サッカー部やバスケ部の選手にも十分にチャンスはあります。本職を倒す活躍を期待したいです』
と無難なコメントを言えたと思った。
このコメントにはバスケ部の凛音もニヤリと笑って頷いていた。
だが、このコメントには三郷先輩から『ダメ出し』が入った。
『そうじゃないよね、桜井くん!!君が見ているポイントはそんな所じゃないはずだよ!!』
『…………え?』
三郷先輩はそう言うと、ニヤリと笑って言葉を続けてきた。
『女子短距離走の見所は、女子選手の揺れるおっぱいじゃないか!!……まぁ残念ながら、今回の走者の南野さんには期待出来ない部分だけど』
ば、馬鹿なことを言ってるんじゃないわよ!!
なんて凛音の声が聞こえてきた。
女子からは冷めた視線が送り付けられ、男子からは同意を求める視線が送り付けられた。
……どんなコメントをしてもダメージを受けるのはわかってる。
だったら本音を話した方が良さそうだな。
『そうですね。俺も男ですからそう言う部分に惹かれる気持ちは十分に理解出来ますよ。えっちなことを考えることは決して悪いことではないと思います!!』
俺のその言葉に男子からは歓声があがった。
女子からは冷たい視線が増えたけど……
い、良いんだ。永久さんだけに好かれてれば……
永久さんは苦笑いをしていたけど……
『おぉっと!!ここで桜井くんから意外な発言が出てきましたね!!もっと紳士的な発言が出ると思ってましたが』
『三郷先輩。そろそろレースが始まりますよ。おっぱい談義は終わりにして、実況に戻りましょう』
位置について……
よーい……
ドン!!
ビストルが撃ち鳴らされて、女子50m走がスタートした。
一年生の凛音は第1レースだった。
陸上部の短距離走をしている猛者やサッカー部のFWを蹴散らして、彼女は1位でゴールテープを切った。
凛音は放送席の俺に向けて笑顔でピースをしていた。
『流石は南野凛音選手です!!本職の陸上部やサッカー部のFWを蹴散らして、見事1位に輝きました!!』
『コート上の小悪魔は伊達じゃないですね』
と俺がからかうようにそう言うと、凛音が笑顔から一転して、怒ったような顔に変わった。
『コート上の小悪魔』なんて言われるのは相当嫌なんだろうな。
そして、残った二年生と三年生のレースも無事に終え、次は男子100m走の種目になった。
つまり、俺の出番だ。
『さぁ、次は男子100m走の種目になります!!放送席の桜井くんの出番ですね!!』
『そうですね。帰宅部の意地を見せてやりますよ!!』
俺はそう言ってグラウンドの中へと足を踏み入れる。
すると、さっきの俺の発言に賛同してくれた男子たちからは、応援の言葉がいっぱい投げかけられた。
永久さんという彼女がいるのに、凛音とも幼馴染で仲が良い。
そんな状況の俺に、男子生徒からは少なからず『やっかみ』みたいなものが少なくなかった。
それが少しだけど緩和されたような気がした。
100m走のスタート位置に到着すると、陸上部に所属する同級生から声を掛けられた。
「なぁ、桜井。さっきの三郷先輩の言葉だけど、俺からお前に本当の女子の短距離走の見どころを教えてやるよ」
本当の見どころ?一体なんだって言うんだ……
「気になるな。教えてくれよ」
俺がそう言うと、彼はニヤリと笑って答えた。
「陸上部のユニフォームは腕の周りがかなりルーズなんだ。そこから見えるチラリズムこそ至高だと言えるな!!」
「最高かよ、陸上部!!」
今度からそれを確認していかないとな!!
俺は彼と固く握手を交わした。
彼とは仲良くなれそうな気がした。
「名前を教えてくれないか?君とは仲良くなれそうだ」
俺の言葉に、彼は笑って答えてくれた。
「俺の名前は石崎(いしざき)だ。ちなみに生徒会長の桐崎先輩と同じクラスには兄が居る」
「そうなのか。兄弟揃って入学するとは仲がいいんだな」
桐崎さんといい、流といい。結構似たようなケースは少なくないんだな。
美鈴も来年はここを受けるそうだしな。
「まぁな。兄弟仲は悪くないぜ!!さぁ無駄話はこのくらいにして、真剣勝負と行こうじゃないか、桜井!!」
「了解だ、石崎!!帰宅部の力を見せてやるよ!!」
こうして始まった、俺と石崎の真剣勝負。
位置について……
よーい……
ドン!!
「よっしゃあ!!俺の勝ちだな!!」
「くっそ!!やっぱり陸上部は速いな!!」
本職の石崎はかなり早く、残念ながら俺は彼に負けての2位になってしまった。
「だけどかなりギリギリだったな……これで帰宅部……いや生徒会か。勿体ないぞ」
「あはは。生徒会にプラスして部活までやったら彼女との時間が無くなっちまうからな!!」
俺がそう言うと、石崎は笑いながら俺の胸に拳を当てる。
そして、
「リア充爆発しろ!!」
と言ってきた。
短距離走は2位だったけど、友達が一人増えたから良かったな。
なんて思いながら、俺は敗北を謝罪する為に自分のクラスへと足を運んだ。
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