傍観していたい受付嬢

湖里

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受付嬢としての仕事?

ニッコリと笑う

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「ユユっ!どこにいるのっ!」
とりあえず、月例会出席者には念話で連絡はしたが、ギルドマスターは他の都市にいる。
転移をするとしても、距離がありすぎる。魔獣のドラゴンでしか来ることができないかな。
「誰がいませんのっ!」
学校は半分壊れかけ、校庭にはいくつものクレーターがある。
人は誰もいない……訳ではないか。
「__きゃぁ!!」
周りを見ていれば、どこからかルルの声が聞こえた。
そう言えば、雷帝がこの学校にいたよね。今の声、ルルだよね。
いそいで、声のした方に行けば体育館についた。
「ルルっ!」
扉を蹴り破って中にはいれば、ルルは床に倒れて、ユユが血だらけで壁に持たれている状態。土帝はなんとか意識は保っているが、口から血がこぼれてる。

アサクサはフードを被っている人の足元に倒れている。
プチッ______

「あれ?可笑しいな?連絡できないようにした筈なのに?……まぁ、いいか。」
ゾクリと体が震えて、後ろに下がりたくなるのをこらえて相手をキッと睨む。

あのフードと背丈、この前依頼に来たムラサキだよね。他の帝が来ていないのかちらりと後ろを見れば、

「なっ!?」
後ろは果てしなく続く闇とかしていた。さっき、私が来た道はなくなっているのだ。こんな魔法、あったか?
「あ、よく見たら銀の盃にいた受付嬢のお姉さんジャン!」

ニッコリと私の方を見て笑ってきた瞬間を狙って、アサクサをムラサキの足元から土帝の方へ連れて行く。
これぞ、転移の応用。移動距離を短くした分、スピードが格段に早くなるものだ。

「す、まんのぉ、生徒等は寮に集団転移させたのじゃ、が……ゴボ、ゴホゴフ!」
行き絶え絶えのダン。ムラサキを視界に入れて、背中をさすればまばたき一瞬のうちにダンの目の前にいた。

「っ!!」
ダンの代わりに前に行って、防御の姿勢をする。
バキッ______

「ゔっ…、ハッ!」
左腕が折れる音がして、痛がるのも程々にダンの武器で相手の腕を斬りつける。
「っ…【ヒール】【強制てn】」
「させないけど?」

私以外の全員を避難させようとすれば、私に向かって蹴りを入れてくる。
そのまま、ふっとばされて壁に打ち付ける。
「ミッシェル!」
ダンが私の心配をしているが、ムラサキにすぐに蹴られて私と同じ方向の壁に打ち付けられる。

「ボクにはさ、この……なんて名前だっけ?えーっと、アサクハ?コイツがいるんだよね。」
「いや、アサクサだよっ!?」

…ハッ、思わずつっこんでしまった。立ち上がって、魔法を唱える。
「【身体強化】【氷矢】【雷鳴】」
ガガガがガッ、と狙えばムラサキに鼻で笑われた。

「【ブラックホール】」
黒い空間がパックリと私の魔法を飲み込もんで、アサクサを背負う。

「っ!!【氷漬け】」
私に気を取られていたのか、アサクサが今度はムラサキに攻撃した。
肩を氷漬けにされて、アサクサをムラサキは思いっきりぶん投げた。
「大丈夫っ!?アサクサ。」

ボロボロになっているため、ヒールをかけようとすれば首を降って断られた。
「僕は大丈夫です。…カラカサはまだ、正体を知られていません。」

ムラサキを最大限に警戒しながら、ボソリと私に教えてくれた。
「【強制転移】」
満身創痍だった私以外を寮の方ではなく、王城のマルクと殿下の方にとばした。
あんな人形好き殿下と腹黒宰相でも、SSSランクだからね。
下手すると今の勇者より強い。

取り敢えず、安心すればムラサキが切れた。
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