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第二章
イケナイ関係
しおりを挟むイケナイ関係だってそんなことはわかっている。それでも何度も女を求めた。女もそれに応えるようにして男を求めた。ありきたりなありふれた愛の言葉なんてもういらない。ただ、寂しさを埋める為だけだとしても、確かにそこに愛はあった。
二人で朝を迎えた。お互いの名前も知らず。連絡先だって知らない。
「ありがとう…。さよなら。」
そう言って、二人はお互いの帰路についた。ドラマのような恋愛が出来るのならそれは本望だけれど、そうじゃなくてもいい。そんなに器用じゃない。振り返るともう女はいなくなっていた。
一夜限りの恋だった。
「結婚、かぁ…。」
男はまた前を向いて歩き出した。
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