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作戦終了

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呆然とした視線を俺は多くの冒険者から集めていたが、今はそれどころではなかった。
ちょろちょろと数人ずつ村から人からやってくるのが見えたからだ。
やはり急ごしらえの包囲網。乱戦になるとどうしても抜け出てくるやつが出てくる。

「あっ・・・」


呆然とするとザイル達を置いて、俺は次の標的のところまで走り出す。今はまだいいが数体ずつというのが続くと体力的に不安が残るな・・・と思っていたが、既にスイッチを切り替えたのか、さっきまで呆然としていた他の冒険者の中にも俺と同じように動いてくれている者が数人いた。




それから何人の首を落としただろうか。
気が付けば冒険者達もほとんどが作戦に参加し、逃げた村人と相対していた。
自我が残っていてためらいながら首を落とした者、自我はなく襲い掛かってくる者、そもそも憑かれているか不明の者もいたが、半狂乱になった者もおりながらも俺達はを済ませていった。

黒の森でもたまに見られた光景だ。
どれだけ死人の種との戦いに慣れてはいても、時に失敗することはある。そしてその失敗のカバーをするためにこうした地獄のような光景がたびたび見られた。感染した人間はもう元に戻らない。自我があろうと泣いて乞われようと首を刎ねなくてはならない。

だが、回数をこなせば、時間が経過すれば、やがて人の感覚は麻痺をする。
最初は咎めていた心も、擦り減っていくうちに何の抵抗も持たないようになる。処理を作業と思うようになる。

それはこの場にいる冒険者も同じであった。次第に黙々と処理を行うようになる。
村から逃れてくる人間はそこそこいたが、それらをついに一人も打ち漏らすことなく俺達は処理を済ませることになった。
そして複雑な話だが、俺達の処理した誰もが体に死人の種の憑いた後があった。元より無事な者は一人もいなかったことを知り、誰もが複雑な溜め息を洩らす。複雑ではあるが、やはり健常者を殺すはめになったということにならなかっただけ、それはまだ幸運だろう。

聖騎士団が突入を開始して3時間ほどで、戦況はほぼほぼ決まったようであった。そうなると俺達がやることは何もない。万が一に備え見張りをする以外は、作戦終了の合図があるまで待機するのみだ。


「さて・・・終わりはしたが・・・」


俺はちらりと後方に視線を向ける。
そこにはうずくまって頭を垂れるザイル達がいた。彼らは作戦開始からややもしないうちに、すぐに戦線を離れああしていた。
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