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ネタばらし

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それからもアリス様の部屋は特に魔族に襲われることはなかった。
部屋周辺に近づこうという魔族自体がいなかったのである。元より隠し通路の先にあった部屋なので、そうそう魔族の気もないようなところなのだが、どうも侍女であるサキュバス以外は意図的に近づいてこないようだ。


「お掃除が終わりマシタ」


「あ、ども」


片言で告げて去っていく侍女サキュバスについ反射的に頭を下げてしまう俺。
異常な光景であるが、俺はぼちぼち慣れてきてしまっていた。
「魔王死んだ今、どうしてまだアリス様の世話をしてくれるんだ?」
って聞きたくて仕方がないが、余計な事聞いてこっちが仇敵であることを思い出させる結果になったりとか・・・ってちょっとだけ怖くなって聞けなかった。





「あぁ、それはですね・・・私の血筋のせいかもしれませんわ」


それについての疑問を口にした俺に、アリス様は何でもないようにそう言った。
今俺とアリス様は侍女が持ってきた料理で食事中だ。つくづく異様な光景だが、それもこれもアリス様の血筋のせいだという。一体どういうことだ?


「私達ルーチェ国の王家は魔族の地がいくらか交じっているのです。それも魔王の」


「は?」


ま、魔王の血が混じっているだって?
アリス様に?王族に?


「歴代ルーチェ国は人類と魔族との戦争の最前線を張っておりましたが、その歴史の中で、魔王に攫われ孕まされてしまった者、魔王を攫って孕んだ者、魔王と恋仲になった者まで、いろいろな人がいたようです。そんなことを繰り返しているうちに、ルーチェ国の王族には魔族の・・・魔王の血が混じったのです」


「攫って孕んだってのは何なんですかねぇ・・・」


聞いていて思わず呆れてしまったが、とにもかくにも王族は魔王の血が流れているらしい。


「魔王亡き今も、魔族としての本能で私に仕えてくれているのだと思います。何しろ私も魔王の一部みたいなものですから」


そう言ってアリス様は妖艶に微笑んだ。魔王の一部・・・そう言われて思わず納得してしまいそうな、怪しげな魅力を称えた瞳だった。彼女から感じる強烈な魅力は、魔王の力の一部なのかもしれない。ディオが倒した魔王とは似ても似つかないけど。


「この事は実は王家のトップシークレットなのですよ?これが知れれば、国民はおろか諸外国にも大変な衝撃を与えてしまいますから」


「それはそうだ・・・ って」


そんな話をどうして俺に?と疑問を持った俺に、アリス様はニコリとまた微笑んだ。俺はどうやらアリス様に深く信頼していただいているようだ。そしてあるいは、もう身内も同然だと考えていてくださっている?


「こんな私の傍に、レイツォは変わらずいてくれますか?」


アリス様のその問いに、俺は迷わず頷いた。俺のアリス様への愛に変わりはない。っていうか、今ここでNOって言ったら殺されるかもしれないじゃん?
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