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六覇聖拘魔陣 ~騎士団長目線~
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私の名はミカエル・シューマッハ。
ルーチェ国の騎士団長。そして臨時のルーチェ国のトップである。
世間体の考慮のより、ディオとウラエヌス両容疑者の裁判を執り行ったが、予め示し合わせた通り無事二人に死刑判決を下すことが出来た。これで最低限の面目は立つ・・・はず?
そんなある時、騎士団に属する魔術師団長から打診があった。
「あの容疑者ディオについて、しばしの間取り調べを我々にさせていただきたいのです」
取り調べ?ディオは既に死刑が確定している。今はディオは大人しくしているが、奴の気が変わると面倒だ。時間をかけずに早く済ませてしまいたい・・・そう伝えたのだが
「調べたところ、彼からは強力な魔術反応が見られます。天性の素質かもしれませんが、彼の魔術の波長や血液の採取など研究次第によって、このルーチェの魔術師団のレベルが数段向上する可能性が高いです。そうなれば騎士団の戦力向上どころか、ルーチェの国威向上にも貢献できることでしょう。どうか彼の体を取り調べる許可をいただけませんか」
魔術師団長は随分熱心に食い下がってきた。
我が国では魔術技術の遅れが他国に比べて著しい。
ナオール草を利用した医学薬学の遅れについても正直暗愚と言う他ない国王のお陰で取返しの付かないところに来てしまっている今、他のところで巻き返しをせねばならないわけだが、それを何にするかどうするかを考えるのが急務であった。国王はどれだけ打診しても悩むっきりで何もしてくれなかったが。
戒厳化にある今騎士団はろくに動くことはできないが、魔術師団はそれなりに自由が利く。それならただ遊ばせておくよりは彼らの研究とやらを好きにさせたほうがいいだろう。それはわかっているが・・・
「閣下。ディオが大人しくしているかについて不安であるならば、一つ秘策がございます」
私の心の内を読んだかのように魔術師団長が言った。
「六覇聖拘魔陣。万が一の際の魔王対策として魔術師団が古代魔術の応用で編み出した超強力な拘束術です。一度発動すれば効果は永続的。魔王を想定して作られたほどの強力な結界を張り巡らせるわけですから、ディオの動きを止め続けることはわけないでしょう」
「ろくは・・・なんだって?」
「六覇聖拘・・・えっとなんだっけ、なんでもいいではないですか。とにかく発動までに一日かかること、それまで相手を特定の範囲から動かさないこと、と発動条件が厳しいのでこれまでお蔵入りになっていましたが、今のディオになら使えます。この術の拘束中でも彼を使った実験は可能なので、どうか許可を」
うわ、なんて意味のない大魔術なんだと言いたくなるほどの条件が厳しいんだな。しかし、今のように牢獄にいて大人しくしているディオには効果的というわけか。願ったりかなったりではないか。
「ではその魔術を用いてディオを拘束することを許そう。・・・殺すなよ?」
「心得まして」
こうしてディオに対し強力なろく何とかという魔術が使われることになった。
翌日深夜、魔術師団長から魔術が成功したとの報告が上がった。
ルーチェ国の騎士団長。そして臨時のルーチェ国のトップである。
世間体の考慮のより、ディオとウラエヌス両容疑者の裁判を執り行ったが、予め示し合わせた通り無事二人に死刑判決を下すことが出来た。これで最低限の面目は立つ・・・はず?
そんなある時、騎士団に属する魔術師団長から打診があった。
「あの容疑者ディオについて、しばしの間取り調べを我々にさせていただきたいのです」
取り調べ?ディオは既に死刑が確定している。今はディオは大人しくしているが、奴の気が変わると面倒だ。時間をかけずに早く済ませてしまいたい・・・そう伝えたのだが
「調べたところ、彼からは強力な魔術反応が見られます。天性の素質かもしれませんが、彼の魔術の波長や血液の採取など研究次第によって、このルーチェの魔術師団のレベルが数段向上する可能性が高いです。そうなれば騎士団の戦力向上どころか、ルーチェの国威向上にも貢献できることでしょう。どうか彼の体を取り調べる許可をいただけませんか」
魔術師団長は随分熱心に食い下がってきた。
我が国では魔術技術の遅れが他国に比べて著しい。
ナオール草を利用した医学薬学の遅れについても正直暗愚と言う他ない国王のお陰で取返しの付かないところに来てしまっている今、他のところで巻き返しをせねばならないわけだが、それを何にするかどうするかを考えるのが急務であった。国王はどれだけ打診しても悩むっきりで何もしてくれなかったが。
戒厳化にある今騎士団はろくに動くことはできないが、魔術師団はそれなりに自由が利く。それならただ遊ばせておくよりは彼らの研究とやらを好きにさせたほうがいいだろう。それはわかっているが・・・
「閣下。ディオが大人しくしているかについて不安であるならば、一つ秘策がございます」
私の心の内を読んだかのように魔術師団長が言った。
「六覇聖拘魔陣。万が一の際の魔王対策として魔術師団が古代魔術の応用で編み出した超強力な拘束術です。一度発動すれば効果は永続的。魔王を想定して作られたほどの強力な結界を張り巡らせるわけですから、ディオの動きを止め続けることはわけないでしょう」
「ろくは・・・なんだって?」
「六覇聖拘・・・えっとなんだっけ、なんでもいいではないですか。とにかく発動までに一日かかること、それまで相手を特定の範囲から動かさないこと、と発動条件が厳しいのでこれまでお蔵入りになっていましたが、今のディオになら使えます。この術の拘束中でも彼を使った実験は可能なので、どうか許可を」
うわ、なんて意味のない大魔術なんだと言いたくなるほどの条件が厳しいんだな。しかし、今のように牢獄にいて大人しくしているディオには効果的というわけか。願ったりかなったりではないか。
「ではその魔術を用いてディオを拘束することを許そう。・・・殺すなよ?」
「心得まして」
こうしてディオに対し強力なろく何とかという魔術が使われることになった。
翌日深夜、魔術師団長から魔術が成功したとの報告が上がった。
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