36 / 92
魔王戦
しおりを挟む
「グォォォォォォォォォォォォ!!」
扉を開けた瞬間、巨大で禍々しいオーラを持つ怪物が襲い掛かってきた。人型に近いが、人間より遥かに大きく、筋骨隆々といったような感じだ。
どうやら待ち伏せしていたようだ。俺達はすんでのところで魔物の突撃を避けた。
「おぉ、こいつは・・・」
これまで戦ったどの魔物よりも強い・・・それが肌で感じてわかった。
「久しぶりじゃの魔王!」
「えっ?」
ウラエヌスさんが魔物のことを魔王と呼んだ。
「今度も倒す!それが私の使命だ!!」
バリーさんもそう言って剣を構えた。
「えっ、もしかしてこれが魔王なんですか??」
部屋に入ったら突然襲いかかってくるなんて、なんて情緒の無い!
魔王なのになんというか間を読まないというか安っぽいというか・・・
強いのはわかるけど、それ以外はまるっきり普通の魔物みたいでなんだかイメージと違うような。
もっと会話があったり、もったいぶってからの戦いとかそういうのないのかなぁ?なんか幻滅なんだけど・・・
「グォォォォォ!!」
特に言葉も話さないし、知能が低いようにも感じる。えぇ・・・なんだか本当に幻滅なのだが。
だがっ!
「あだばっ」
一瞬で間合いを詰めてきた魔王の腕を振る横なぎの一撃で、俺は壁に叩きつけられてしまった。
「がはっ・・・!」
魔術を使おうにも詠唱ができないほどに、ダメージを受けていた。
程度の低そうな魔物だが、どうやら実力は本物のようだ。本物の魔王だ!なんかイメージと違うけど。
「ちばぁ!」
次はウラエヌスさんが攻撃を受け、同じように壁に叩きつけられていた。ウラエヌスさんも詠唱が出来そうにないようだった。
回復役を潰された?まずい!
今戦えるのはディオとバリーさんだけだった。二人は魔王の繰り出す攻撃をうまく避けたり受けながら、少しずつ剣撃を与えていく。
「ごぉぉぉぉぉ!」
固そうに見える魔王も、流石に一流剣士二人の攻撃を受けて平気ではいられないようだ。だが痛みによる怒りのせいか、手数が多くなりディオ達も攻撃をしのぐのがいっぱいいっぱいになってきた感じだった。
「あっ!」
ついにディオが攻撃により吹き飛ばされる。
これで後はバリーさん一人になってしまった。
俺はまだ詠唱できそうにないし、ウラエヌスさんも同様のようで回復ができない。
あ・・・これ詰んだ・・・
俺はそう覚悟をした。
だが、そうではなかった。
見るとバリーさんは何やら構えを見せていた。
「ディオ、ありがとう。隙を作ってくれて」
バリーさんがそう言う。
どうやらバリーさんの大技を使うために、わざと隙を作るように攻撃を受けたようだった。
バリーさんの体からオーラが溢れ出る。彼は渾身の大技を出そうとしていた。
「これで終わりだ魔王!『デッドレール』!!」
扉を開けた瞬間、巨大で禍々しいオーラを持つ怪物が襲い掛かってきた。人型に近いが、人間より遥かに大きく、筋骨隆々といったような感じだ。
どうやら待ち伏せしていたようだ。俺達はすんでのところで魔物の突撃を避けた。
「おぉ、こいつは・・・」
これまで戦ったどの魔物よりも強い・・・それが肌で感じてわかった。
「久しぶりじゃの魔王!」
「えっ?」
ウラエヌスさんが魔物のことを魔王と呼んだ。
「今度も倒す!それが私の使命だ!!」
バリーさんもそう言って剣を構えた。
「えっ、もしかしてこれが魔王なんですか??」
部屋に入ったら突然襲いかかってくるなんて、なんて情緒の無い!
魔王なのになんというか間を読まないというか安っぽいというか・・・
強いのはわかるけど、それ以外はまるっきり普通の魔物みたいでなんだかイメージと違うような。
もっと会話があったり、もったいぶってからの戦いとかそういうのないのかなぁ?なんか幻滅なんだけど・・・
「グォォォォォ!!」
特に言葉も話さないし、知能が低いようにも感じる。えぇ・・・なんだか本当に幻滅なのだが。
だがっ!
「あだばっ」
一瞬で間合いを詰めてきた魔王の腕を振る横なぎの一撃で、俺は壁に叩きつけられてしまった。
「がはっ・・・!」
魔術を使おうにも詠唱ができないほどに、ダメージを受けていた。
程度の低そうな魔物だが、どうやら実力は本物のようだ。本物の魔王だ!なんかイメージと違うけど。
「ちばぁ!」
次はウラエヌスさんが攻撃を受け、同じように壁に叩きつけられていた。ウラエヌスさんも詠唱が出来そうにないようだった。
回復役を潰された?まずい!
今戦えるのはディオとバリーさんだけだった。二人は魔王の繰り出す攻撃をうまく避けたり受けながら、少しずつ剣撃を与えていく。
「ごぉぉぉぉぉ!」
固そうに見える魔王も、流石に一流剣士二人の攻撃を受けて平気ではいられないようだ。だが痛みによる怒りのせいか、手数が多くなりディオ達も攻撃をしのぐのがいっぱいいっぱいになってきた感じだった。
「あっ!」
ついにディオが攻撃により吹き飛ばされる。
これで後はバリーさん一人になってしまった。
俺はまだ詠唱できそうにないし、ウラエヌスさんも同様のようで回復ができない。
あ・・・これ詰んだ・・・
俺はそう覚悟をした。
だが、そうではなかった。
見るとバリーさんは何やら構えを見せていた。
「ディオ、ありがとう。隙を作ってくれて」
バリーさんがそう言う。
どうやらバリーさんの大技を使うために、わざと隙を作るように攻撃を受けたようだった。
バリーさんの体からオーラが溢れ出る。彼は渾身の大技を出そうとしていた。
「これで終わりだ魔王!『デッドレール』!!」
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
貴方の子どもじゃありません
初瀬 叶
恋愛
あぁ……どうしてこんなことになってしまったんだろう。
私は眠っている男性を起こさない様に、そっと寝台を降りた。
私が着ていたお仕着せは、乱暴に脱がされたせいでボタンは千切れ、エプロンも破れていた。
私は仕方なくそのお仕着せに袖を通すと、止められなくなったシャツの前を握りしめる様にした。
そして、部屋の扉にそっと手を掛ける。
ドアノブは回る。いつの間にか
鍵は開いていたみたいだ。
私は最後に後ろを振り返った。そこには裸で眠っている男性の胸が上下している事が確認出来る。深い眠りについている様だ。
外はまだ夜中。月明かりだけが差し込むこの部屋は薄暗い。男性の顔ははっきりとは確認出来なかった。
※ 私の頭の中の異世界のお話です
※相変わらずのゆるゆるふわふわ設定です。ご了承下さい
※直接的な性描写等はありませんが、その行為を匂わせる言葉を使う場合があります。苦手な方はそっと閉じて下さると、自衛になるかと思います
※誤字脱字がちりばめられている可能性を否定出来ません。広い心で読んでいただけるとありがたいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる